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iFixitがM2 MacBook Air分解、「ヒートシンク忘れた?」とツッコミ。性能大幅向上の熱対策Modも登場

ガジェット PC
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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今月半ばにM2 MacBook Airが発売され、その前後に著名レビュアーやテックメディアによるベンチマークや検証が相次いだなか、ついに真打ちといえる修理業者iFixitの分解レポートが公開されました。

これまで新生MacBook Airを外から眺めて、あるいは触ってみて「恐らくこうじゃないか?」と推測や考察されていたことが、分解職人の工具さばきによりハードウェア的に裏付けられています。

まず開幕のあいさつが「今年夏のM2 MacBook Airはドナ・サマー(ディスコ・クイーン)のようですねーー熱くて熱くて熱い」といきなりの煽りです。アクティブ冷却がない仕様は知っていたけれど、パッシブ冷却システムも特に仕掛けがあるわけでもない、ヒートスプレッダさえない!と一足飛びに結論へと先走っています。

M2チップは前世代からさらに電力効率が向上し、熱くならずに高いパフォーマンスを発揮できることが特徴です。しかし特に高負荷な処理を連続すると、Airの場合はファンレス設計を含め熱容量に余裕がなく、処理速度を下げて熱を抑えるサーマルスロットリングが発生しやすい事実は、発売前のレビューでも明らかになっていました。「そこから入る」のがiFixitらしさです。

Apple M2 MacBook Air レビュー。ファンレス設計の影響と限界を実機で探る(本田雅一)

実際の分解では、裏ぶたのネジは以前の10本から4本になって開けやすくなったもの、バッテリーのコネクタはどこ?と見慣れた風景(M1モデル以前)から一変していて軽くパニックに。小ぶりのネジやブラケットを掘り出し、iPhoneのように小さくなったコネクタを見つけています。

ようやく対面したロジックボードこそが、今回のメインディッシュです。シールドの下には驚くほどの空きスペースがあり、SSDチップを積むための場所だろう(分解したモデルはSSDが最下限の256GB)。では、ヒートスプレッダ(CPUの熱を吸い取り、外部に伝えるための金属板)はどこだ?という具合です。

どうやって冷却するんだ? たしかにサーマルペーストやグラファイトテープはたくさん使っていて(アップルの製造コスト的に)効率的だが、このシールドは超薄いので放熱にあまり役に立ちそうにない、M2 Airは実質(熱対策をしない)iPadだった?あるいは熱対策は気にしていないだけか?と散々な言いようです。

とはいえ、仮にiFixit の見立てどおりアップルがM2 Airのパッシブ冷却機構について低い優先度しか与えていない、ファンレスのままさらに高い性能を追及できるのに敢えてしていなかったとしても、それはコストとの兼ね合いや、Airに想定される使い方で実際にサーマルスロットリングが発生する頻度の低さ、何より上位にはアクティブ冷却機構を備えたMacBook Proを用意していることから、単に製品の位置づけという話かもしれません。

256GB SSDのベースモデルは128GB NANDチップ×2ではなく、256GB×1個の構成なのは、アップルが発売前から認めていたことの確認です。前世代のM1モデルは同じ256GBでも128GBチップ×2だったことから並列アクセスでき、「同じ最低容量のベースモデルで比較すると前世代のほうがSSDが速い」現象が発生しているのはM2 MacBook Pro も同様となっています。

熱対策の少なさには驚いているものの、iFixit の分解修理屋としてのM2 MacBook Air評価はおおむね好印象となっています。オーディオボードも取り出しやすく、ヘッドホンジャックやMagSafe、USB-Cポートなど全ての外部端子がモジュール化されていて交換も簡単。しかもキーボードも以前より使いやすくなっており最近のMacはいい方向に行っているとご満悦です。(数年前のバタフライキーボードは集団訴訟が起こされ、アップルは和解金として約70億円の支払いに合意)。ただし恒例の修理しやすさスコアは明らかにしていません。

お手軽熱対策MODで性能向上の報告も

iFixitによるヒートシンク忘れたんじゃないの?という指摘は、ただの煽りではなさそうです。YouTuberのMax Tech氏がM2 Airのロジックボードに15ドルの安いサーマルパッドを載せてみたところ、本当に高負荷のもとでも高いパフォーマンスが長持ちしたと報告しています。

たとえば42MPの画像×50枚を書き出す作業では、改造前では2分55秒かかりましたが、改造後では1分56秒しかかかっていません。また重いタスクをした場合、素のM2 Airは4~5分でサーマルスロットリングが起きていますが、改造版は約10分も持ちこたえています。

もちろん、自前で分解・改造すればアップルの公式保証が無効となります。それを自己責任だと割り切れない、でも重いタスクを長時間こなしたい……という場合は、内蔵ファンのあるM2 13インチMacBook Proを買う方が賢明でしょう。

Source:iFixit

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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