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Apple M2 MacBook Air レビュー。ファンレス設計の影響と限界を実機で探る(本田雅一)

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本田雅一

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ジャーナリスト/コラムニスト

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ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析。

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メカ設計から内蔵カメラ、スピーカー、ディスプレイなど、ありとあらゆる面を最新の設計要素へと更新したAppleの新 MacBook Air (M2搭載モデル)。

14インチ、16インチのMacBook Proで導入したデザインや機能のエッセンスを盛り込んだ上で、M2という最新SoCを搭載し、さらにカラーバリエーションも広いとなれば、円安で以前よりも価格帯が上がっているとはいえ、やはり「このタイミング」と狙っている人が多いのではないだろうか。

すでに発表会から日数が経過し、MacBook ProではM2搭載モデルが出荷済みとあって、M2搭載MacBook Airの実力や魅力もおおよそ見えているが、ひとつだけ実機がなければ確認できない部分がある。それはファンレス設計で、どこまでM2チップの実力を引き出せるかだ。

省電力だがピーク性能も高いM2

M2搭載MacBook Proのベンチマークはピーク性能を計測したものと言える。それはM2の能力を引き出せるだけの空冷ファンを備えた冷却システムが搭載されているからだ。

さらに言及すれば、M2搭載MacBook Proでは、ベンチマークテストや3Dグラフィクスによるアニメーション、動画書き出しなどの重い処理を行わない限り、冷却ファンが回らない。つまり、冷却ファンなしでも”なんとかなる”わけで、そのあたりの振る舞いや設計をある程度信頼している or 個人的にそのあたりの数字に対して寛容な筆者などは、別にベンチテストは要らんのでは? と思ったりもするのだが、やはり数字として出しておくことは重要だと思う。

ということで、このコラムではファンレス設計とM2をテーマに書き進めたい。なお、本体の設計やデザイン、使い勝手や内蔵カメラ、スピーカーなどに関しては、これも個人的な感想だが”文句なし”で、自分用の道具として購入を予定している。(もっとも本機の評価をしてから注文しようと思ったら、あっという間に納期が伸びてしまい、入手は当面先のことになりそうだが)

筆者がこのテーマに興味を持ったのは、M2のGPUコアが8もしくは10(M1は7もしくは8)に増加したためだ。またCPU設計やNeural Engineなどもアップデートされており、より省電力となった製造プロセスの進化(TSMCのN5からN5P)だけでは相殺できないのでは? と予想しているためだ。

M2の方が電力あたりの性能が高いことは明らかなのだが、それは同じ処理を行った時の話。より多くの処理を行えばより多くの電力を使い、多くの熱を出す。ある決まった処理を行うだけならとっとと処理を終えて省電力モードに移行すれば結果として省電力になるのだが、”ずーっと回しっぱなし”の処理ではそうもいかない。

つまり、日常的な動作モードではM2の方が省電力だけれど、より高いピーク性能を実現するためにコア数が増えており、そのリソースをフルに回すと発熱を抑えるための介入が入りやすいと考えられる。では新設計となったMacBook Airだとどんな体験になるのか? が、今回のテーマというわけだ。

▲M2搭載MacBook Air(左)とM1搭載MacBook Air(右)

CPU処理でのスロットリングは無視できる、GPUは?

M2はメモリを共有しながら複数の処理回路が同時並行して動作するため、100%全てを動かすというテストがなかなかやりにくい。たとえばCinebench R23でCPUをフルにぶん回しながらも、Neural Engineでカメラからの映像をポートレイト処理をし、文字認識をかけ、さらに3DmarkやGFXBenchでGPUを使いまくるといったことも不可能ではないが、現実的な利用シーンとして想定することはできない。

というわけでまずはCinebench R23を30分間回すストレステストから。8コアCPUが100%で動くテストだが、室温26.8度の環境で初回と30分後のスコアを比較したところ、たった6.5%しか落ちていなかった。ちなみに同じテストを10分間行った場合は4%のドロップ。

おそらくMacBook Air使用時に熱問題でスロットリングが入るケースは極めて稀だと予想される。まぁ、気にしなくていいということだ。100%、すべてのCPUコアを動かし続ける処理を日常的に使うことはないだろうし、そもそもこの程度のパフォーマンス低下ならば、騒音や故障の原因となる冷却ファンがないほうが良いと思うはず。それに冷却ファンがないことで、エアフローを確保する吸排気口を廃止でき、外観もスッキリする。

一方、GPUに関しては予想通りに負荷によるスロットリング介入が入った。

GPUはM1がベースクロック450MHz/ピーク1278MHzなのに対して、M2ではそれぞれ500MHzと1456MHz。半導体そのものが省電力になっているのでここは相殺されると考えたとしても、GPUコアが8から10に増えているため単純に言って(少なくとも)25%は最大消費電力は増えているはず。

先ほどと同じく26.8度の室温で、3Dmark Wild Life Stress Test(1分の3Dアニメーションを20ループ計測し、フレームレートの変化やループごとのスコアを比較できるテスト)を試すと、約19%の性能低下が見られた。とはいえ、ファンレスで2割落ち? とその優秀さに驚く人もいるかもしれない。

▲3Dmark Wild Life Stress Test結果(室温26.8度)

室温変化には敏感

ただし、周囲の温度の変化には敏感なようで、室温を28.9度まで上げたところ、GPUの性能低下は30%になった。室温わずか2度の違いでだ。とはいえこの差は人間でも体感できるほどの違いだから、自分が暑ければMacBook Airも暑いんだなぁ、というのが筆者のごく個人的な感想だ。

▲3Dmark Wild Life Stress Test結果(室温28.9度)

ちなみにテストした日は比較的過ごしやすく、エアコンを切った状態での室温は32.8度だったのだが、この温度になるとさすがにMacBook Airも厳しい様子。3割落ちの性能で数分は頑張っていたが、本体の一番熱い場所が44度を超えてきた5分後ぐらいからフレームレートが激しく上下し始め、最もループスコアが落ちたところではピーク性能の3割に留まった。

▲3Dmark Wild Life Stress Test結果(室温32.8度)

まぁゴリゴリにGPUを動かすのであれば、自分自身が過ごしにくいほど暑い場所ではMacBook Airも疲弊しちゃうよ、と考えれば納得できるのではないだろうか。

なお、今回行ったテストでは本体温度がピークで44~45度にまで上昇した。この時のホームポジションで手が触れるあたりの温度は39度ぐらいと言ったところか。底面もほぼ同じ温度だが、中央奥のごく一部だけが熱いため、ハーフパンツで肌が露出している状態で膝の上に置いてもそこまで熱さは感じなかった。エンターやタブキーなど、端の方であれば36度程度までしか上がらない。

一方、CPUのストレステスト時はピーク温度も40度ぐらいで、ホームポジションで手が触れるあたりが36度ぐらい。常識的な範囲の使い方ならば、ファンレス機のネックである”熱さ”はあまり考えなくて良さそうだ。

もしかして8GPUモデルで良いかも?

さて、せっかく買うからには最高スペックをと考えるのは道理で、個人的に本機を購入予定の筆者もおそらく10GPUモデルにすると思う。

しかし、フルに動かすと外気温の状況によっては、数分で8割から7割程度まで性能がドロップする可能性があること。さらにMedia Engine搭載により、動画処理におけるGPUの重要性が(全くないわけではないが)やや低いことを考えるならば、1.6万円安い8GPUモデルが実は狙いどころなのではないだろうか?

M1と同じくメモリ8GバイトのモデルでもFinal Cut Pro含め快適に動いてくれるので、8GPUモデルにした上でSSDを少し上乗せするぐらいの選択が、新型MacBook Airを購入する上で投資効率がいいだろう。

ファンレス設計とM2の関係を探るはずだったが、結論としては8GPUモデル、なかなかお買い得じゃない? ということで、購入を検討の皆様はお悩みくださいませ。

▲10コアGPUを搭載したM2チップと512GB以上のSSDストレージを選択した場合に付属する「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」

MacBook Air(Apple)

《本田雅一》
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