Meta VRグラス発表。メガネ部100gで5K OLED画面とアイトラ対応、Questアプリ互換 IMAX認証で3D映画やスポーツコンテンツも大量投入

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

「Meta Connect 2026」イベントで、Metaがメガネ型の軽量VRデバイス「Meta VR Glasses」を発表しました。発売は2027年春、価格は1299.99ドル。日本でも販売します。

Meta Quest 3S 128GB (旧Oculus)|VRゴーグル|PCVRも対応|Gorilla Tagバンドル
¥59,400
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

■メガネ部は約100g、Quest上位互換のVRデバイス

Meta VR Glassesはディスプレイとセンサーを収めたメガネ型の本体と、プロセッサやバッテリー、ストレージを収めた「コンピュートパック」を光ケーブルで接続した2ピース構成のデバイス。

重いバッテリーやメイン基板をパックに分離したことで、グラス部分は約100g。ゲームを含め原則すべてのMeta Quest アプリが動くフルVRデバイスでありながら、ヘッドストラップなしでメガネのように快適に装着できます。

メガネ部分の主な仕様は、Meta史上最高解像度の「5K Infinite Display」(片目につき2412×2288のマイクロ有機EL)、リフレッシュレート120Hz、視野角85度、Dolby Vision対応、Quest 3の1.5倍高精細なカラービデオパススルー、アイトラッキング・ハンドトラッキング対応、ツル部分にDolby Atmos対応オープンイヤースピーカー。

OSとアプリストアはQuestと共通で、数千本規模のQuestのカタログをそのまま利用でき、Questで購入済みのコンテンツも引き継げます。実質的にMeta Quest の新機種、またはバリエーションモデルです。

基本操作は目線で選択、指でピンチやスワイプ。Apple Vision Proと同じ感覚です。Quest 3 / 3S同梱のTouch Plusコントローラにも対応しており、Quest用のゲーム等も原則すべて対応します。

コンピュートパックの重さは約300gあるため、持ち歩く合計は約400g。メタはQuest 3 (515g)の5分の1と表現しますが、顔と頭にかかる重さだけの比較です。(ケーブルの重さもありますが、広帯域ながら細くしなやかで軽い光ファイバーケーブルを採用しています)。

プロセッサはQualcommの新しい「Snapdragon Reality Elite」(XR2 Gen 3)を採用。メモリは12GB、ストレージは128GBを搭載するほか、microSDカードで最大1TBまで拡張できます。

バッテリー駆動時間はメディア再生で最大3時間。給電しながら使うこともできるため、モバイルバッテリー等をパック側に接続して使うのも容易となっています。Questのように頭部に追加バッテリーの重さがかかることもなく、最初から有線式です。

■Quest 3比で1.5倍高精細な37PPD、視野角は絞った設計

マイクロ有機EL(micro OLED)パネルを使った「5K Infinite Display」は、片目あたり2412×2288ピクセル。視野角は、IPD調整等で変わるものの、対角で約85度前後(水平70度×垂直66度)。

Quest 3の水平110度×垂直96度よりも狭い範囲に約2割多い画素を詰め込んだことで、視野角1度あたりの画素数を示すPPD(pixels per degree)は37。Quest 3は25PPD。

Meta VRグラスは周辺視野が狭くなったかわり、約1.5倍に高精細化したことになります。実際に体験したところ、個々のピクセルがほぼ分からない、Apple Vision Proに非常に近い感覚です。

視野の中に区切られたスクリーンを観る映像コンテンツ鑑賞や、ウィンドウのUIや文字を読むデスクワークでは威力を発揮する一方、周辺視野の隅まで別世界に没入するような体験ではQuest 3 や、他の広視野角ヘッドセットが優ることになります。

掛けたまま周囲が見えるカラーパススルーも強化。パススルー用カメラの解像度は26PPDで、Quest 3の18PPDから約1.5倍に向上しました。オートフォーカスと深度センシングにも対応します。

実際に試作モデルを体験した際は、このカラーパススルーにUIを重ねた状態のホーム環境でしたが、パススルーの自然さはQuest 3より歴然と上

Meta VRグラスはメガネ型で、(標準では)ライトシールもなく、真下を見れば鼻先から現実がそのまま見えますが、カラーパススルーとの境界線が曖昧な、視界にVRのUIが浮かんでいることに一瞬混乱するような体験でした。

高価で不人気だった高性能モデル Meta Quest Pro は、目の周りを覆うのではなくおでこと後頭部で固定する方式によりゴーグル外も覗けるようにし、ディスプレイ内のパススルー映像と現実がつながったMixed Reality 体験ができましたが、それに近い感覚です。

没入型のゲームや映像コンテンツとしては、『Beat Saber: Flux』、Immersive Cinema by ILM の『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』、MLBやコンサート映像などを試用。Quest 3より狭いとはいえFOVは約85度あるため、XREAL等のビデオグラス(FOV 50度程度)とは比較にならないほど広く視界を覆っており、『小さな四角い窓のなかにVR』という感覚はありませんでした。

試した環境がさほど眩しくなかったためか、外部からの光が気になることもありませんでしたが、Metaによれば側面からの光を塞ぐライトシール的なオプションも用意する予定とのこと。足元が見えることより完全没入を優先したい場合はそちらが良さそうです。

■ 視線と手・指先・声で操作、ゲームにはコントローラも対応

操作の基本は視線とハンドジェスチャー+声でMeta AIに指示。アイトラッキング用に片目2基、計4基の赤外線カメラを備え、外向きカメラで捉えた手の動きや人差し指のタップ、親指のスワイプで操作します。

キャリブレーションのUIも、アイコンを見て指を合わせて開く動作もVision Proそっくり。

OSにはMeta AIが組み込まれており、声で直接アプリを開いたりコンテンツの再生にも対応します。Vision Proの Optic IDよろしく、虹彩認証によるロック解除「Eye Unlock」にも対応。

瞳孔間距離(IPD)は56~70mmの範囲で手動調整が可能。レンズの側面に指をあてて押せば使用中でも簡単に調整できます。

基本はコントローラなしで使える一方、従来のゲーム向けにはQuest 3/3Sと共通のTouch Plusコントローラが使えます。Bluetoothのキーボードやゲームパッドも接続可能です。

▲視線と手だけで遊べるゲームも

コントローラを使えば既存のQuest 3対応ゲームやアプリが原則すべて使える一方、手と視線だけで遊べるゲームも発売時には75本以上を用意します。

『Beat Saber』には手だけで遊ぶ新モード「Flux」が加わり、ハンドトラッキング対応の『Tetris Effect: Mixed Realities』や、無料のパズルゲーム『Dragon Grove』も用意。

カプコンの「逆転裁判」シリーズからは『逆転裁判5』(Phoenix Wright: Ace Attorney, Dual Destinies)が2027年にVRデビュー予定。実際に自分の手で証人を指差し証拠を突きつけたり、音声で「異議あり!」と叫ぶ操作になるとのこと。

このほか、Xbox Cloud Gaming(Game Pass)によるクラウドゲームのストリーミングにも対応します。

パックのUSB-C端子は映像入力(DP入力)にも対応しており、スマートフォンやPC、携帯ゲーム機を有線接続して大画面のモニターとしても使えます。

▲単体・PC接続で仮想マルチウィンドウ作業

Mac/Windows PCとは無線またはUSB-Cで接続でき、複数の大画面を並べた作業環境を作れます。机などの平らな面にMixed Realityでキーボード兼トラックパッドを表示して、実際に両手で打鍵したりポインタ操作ができる「Surface Keyboard」機能にも対応。

基盤はAndroidで、多数のネイティブアプリがあるHorizon OSで動くため、PCやスマホを接続しなくても、複数のブラウザウィンドウ等を並べて基本的なPC作業も可能です。

ビデオ通話では、フォトリアルな自分の分身が声や表情、頭の動きに合わせてリアルタイムに動くアバター機能「Hologram」も搭載。WhatsAppやZoomなど通話アプリを問わず使え、相手がスマートフォンやPCの場合も画面に分身が表示されます。

■3D映画とスポーツ、コンテンツに注力

Meta はVRグラスについて「メガネのなかの映画館・最前列の観戦席・作業スペース・ゲーム機」と表現し、映像コンテンツの拡充についても多数の施策を発表しています。

一部を挙げれば、

・Disney+は11月から一部の国で、『アベンジャーズ』『ブラックパンサー』などの3D配信を開始。スター・ウォーズの砂漠の惑星タトゥイーンや、アベンジャーズ・タワーを模した視聴空間も用意。

・Peacock、HBO Max、Paramount+も、3D作品のカタログを初めて提供。映画のレンタル・購入は年内に米国のMeta Questで数百本から始まり、Meta VR Glassesの発売時には世界で数千本規模になる予定で、Lionsgateの3D作品も含む。

・新たに3D化される作品も。James CameronとLightstorm Visionとの提携では、2027年に「初の3D化」となる大作を公開予定。

・Billie EilishとJames Cameronが共同監督したコンサート映画『Hit Me Hard and Soft: The Tour』の3D版は、11月からQuestで独占的に購入・レンタル提供。

・Matthew Vaughn監督の新作アクション『Stuntnuts』の3D版も来年独占公開。

・ILMとNational Geographicによる180度3D映像のアプリ「National Geographic: Beyond」も登場。

・Meta VR Glassesは、VRデバイスとして初めてIMAX Enhanced認証を取得。対応作品はIMAX独自の拡張アスペクト比で視聴できます。

▲映画の舞台が部屋を包む「VR Enhanced Cinema」

3D映像と空間オーディオに加え、作中の場面に合わせて周囲の空間そのものが変化する新しいフォーマットのVR Enhanced Cinemaも提供予定。発売時にはILMによるアプリ「Disney Immersive Cinema by ILM」で、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が対応します。

▲スポーツ

・ESPNは8K・180度映像の「Immersive Sports」を展開し、今年の大学フットボールからMeta Questで配信予定。

Meta VR Glassesの発売後は、MLB、NBC Sports、TNT Sports、UFCなどと組み、年間100以上のイマーシブなライブ中継を提供する計画。一部の中継は、VRグラスがあれば追加のサブスクリプションなしで視聴できます。

NBAのDraymond Green選手がシーズン中にセラピーを受ける様子などを180度3D映像で収めたシリーズ『Open Season』も、9月29日からHorizon TVで配信します。

■2027年春発売、日本も販売対象国

Meta VR Glassesは2027年春発売。米国価格は1299.99ドル。本体は横幅の異なるStandardとLargeの2サイズを用意します。日本を含む25か国で販売予定ですが、国内価格はまだ発表していません。

《Ittousai》

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