アップルはmacOS 27 Golden Gateの開発者向けベータ版において、AFP(Apple Filing Protocol)クライアントのサポートを削除しました。これにより、2008年に登場したネットワークストレージ「AirPort Time Capsule(日本ではAirMac Time Capsule)」とTime Machineを組み合わせたネットワーク経由のバックアップが、macOS 27以降では機能しなくなります。
Time CapsuleはAppleが2008年に発売した、Wi-Fiルーターとネットワークストレージを一体化したデバイスです。macOS(2008年当時はMac OS Xと呼ばれていました)のバックアップ機能であるTime Machineと連携し、ワイヤレスでMacの設定やデータを保全できる便利な製品でしたが、Appleは2018年にAirPortシリーズの開発・販売を終了しています。

Time CapsuleはAFPとSMBv1という古いプロトコルに依存しており、macOS 27が要求するSMBv2\/v3やTLS 1.2以上のセキュリティ要件を満たせません。AFPはAppleが1988年に設計したファイル共有プロトコルで、40年以上にわたってAppleエコシステムを支えてきましたが、macOS 27の登場とともにその役割に幕を下ろすことになります。
現在もTime CapsuleにMacのバックアップを取っており、なおかつmacOS 27へのアップグレードを検討しているユーザーは、アップグレード前にTime Capsuleに代わる、新しいバックアップデバイスを用意する必要が生じます。しかし、まだTime Capsuleが快調に動作しているのであれば、できるだけ長く使い続けたいと思う人もいるでしょう。
こうした状況を受け、現在GitHubには「TimeCapsuleSMB」というプロジェクトが公開されています。マイクロソフトのエンジニアであるJames Chang氏によるこのツールは、アップルの純正ファームウェアを置き換えるのではなく、Time Capsule上に最新のSambaビルドを直接インストールします。
TimeCapsuleSMBの主な特徴は以下の通りです。
・Samba 4.24.3サーバーをTime Capsule上で動作させる
・Bonjourを通じてネットワーク上に自身を通知する
・認証済みのSMB3接続を受け付け、FinderからSMB URLで接続可能
ただし、現時点ではいくつかの制限もあります。
・2013年製の第5世代Time Capsule(タワー型)のみ、再起動後にSambaサーバーが自動起動する
・それ以前のモデルは、電源が切れるたびに手動でアクティベートコマンドを実行する必要があり、停電後にバックアップが気づかないうちに停止するリスクがある
・TimeCapsuleSMBへの切り替えにより、Time Machineのバックアップチェーンが新規扱いとなり、過去のバックアップ履歴は引き継がれない
・長期的なリストア(復元)テストの実績が公開されていないため、別途もう一つのバックアップ先を用意することが推奨されます
ちなみに、2020年で新製品の開発・発売が終了したインテルチップ搭載Macには、macOS 27が提供されません。もしインテルMacとmacOS 26を使い続けるのであれば、Time Capsuleもそのまま使い続けられます。ただ、2019年以前のインテルチップ搭載Macはすでにソフトウェアアップデートも提供されなくなっています。今年はRAM価格高騰が続いており、新しいマシンに買い替えるにはあまり良い時期ではないものの、それでも早い段階で買い換えを計画すべきかもしれません。
macOS 27 Golden Gateは現在、開発者向けベータ版が公開されています。パブリックベータは7月、一般リリースは9月が予定されています。対応機種はApple Silicon搭載Macのみとなります。
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