OpenAIのサム・アルトマンCEOの邸宅は、先週金曜日に火炎瓶が投げ込まれ、敷地の門が焼ける被害を被ったばかりですが、こんどは同邸宅に向けた発砲事件が発生しました。
地元紙The San Francisco Standardによると、事件は4月12日午前1時40分頃に発生し、アルトマン邸前に停まった車から敷地内に向けて発砲があったとされています。このときの銃声は、アルトマン邸の警備員も聞いたとのことです。
幸いにも、防犯カメラの映像は発砲後に逃走した車のナンバープレートを判別可能な状態で捉えており、警察はその情報をもとにすぐに車両の所有者が25歳のアマンダ・トムであることを確認、トムと交際している23歳のムハマド・タリク・フセインが発砲した本人であるとして逮捕しました。なお、2人の住居からは3丁の銃器が発見されました。
今回の事件の2日前、金曜日にアルトマン邸に火炎瓶を投げ込み、OpenAIの本社オフィス近くでも脅迫騒ぎを起こしたダニエル・アレハンドロ・モレノ=ガマと名乗る20歳の男性は、殺人未遂、放火、焼夷装置および未登録の9ミリ拳銃の所持または製造などの容疑で、すでにサンフランシスコ郡刑務所に収監されています。

モレノ=ガマ容疑者は事件当時、AIによる人類の差し迫った絶滅に関する「最後の警告」と題された3部構成の文書を携えていました。その第1部では、アルトマン氏の名前こそ記されていなかったものの、「人工知能(AI)を展開・開発し、州間および対外貿易に従事する研究企業の最高経営責任者」を「被害者1」として記述しており、モレノ=ガマ容疑者は「被害者1を『殺害した/殺害を試みた』」としています。
またこの文書には、標的とする複数のAI企業のCEOや幹部、取締役、投資家の氏名と住所が列挙されていました。つまり標的はアルトマン氏にとどまらなかった可能性もあったと考えられます。
文書の第2部では、AIが人類にもたらすリスクについての「我々の差し迫った絶滅に関するさらなる考察」が記されていました。またモレノ=ガマ容疑者は文書を締めくくる形でアルトマンに直接宛てたと思われる「もし奇跡的にあなたが生き延びたなら、私はそれを神からの、あなた自身を贖うためのしるしと受け取るだろう」との一文も記していました。
また、モレノ=ガマ容疑者は逮捕以前のInstagramへの投稿で、AIが人類の絶滅をもたらす可能性があると主張していました。そして最も強力な汎用人工知能(AGI)システムの訓練を一時停止するよう主張する擁護団体「PauseAI」のDiscordサーバーのメンバーにも入っていたとのことです。
なお、PauseAIは今回の事件が報じられた後、「PauseAIが存在するのは、サム・アルトマン氏やその家族を含め、誰もが安全であるべきだと私たちが信じているからです。いかなる人に対する暴力も、私たちの信条とは正反対のものだからです」と声明を出しています。
火炎瓶事件を起こしたモレノ=ガマ容疑者は、テキサス州スプリングから犯行のためにサンフランシスコにやってきたと述べており、今週月曜にはFBIが同容疑者の自宅を捜索したことが地元紙Houston Chronicleで報じられました。
一方、発砲事件を起こしたムハマド・タリク・フセイン容疑者の父親だと名乗るタリク・ムハマド・フセイン氏も、テキサス州スプリング在住です。つまり、ムハマド・タリク・フセイン容疑者の実家とモレノ=ガマ容疑者の家はと同じ街にあるということです。ただ、捜査当局はこの2つ事件の関連については何も述べていません。
ちなみに、スタンフォード大学が月曜日に発表したAI業界に関する報告書によると、AI専門家らと一般市民、特に若者たちの間では、最近のAIに関する見解は乖離していく方向にあるとされています。同報告書では特に、米国における雇用、医療、経済といった主要な社会分野へのAIの影響に関する懸念が指摘されており、調査ではZ世代の若者の約半数が、毎日または毎週AIを使用しているにもかかわらず、若者の間でAIに対する希望が薄れ、逆に怒りが増していることが報告されています。
さらに、一般の人々は、AIが自分たちの給料に与える影響や、エネルギー消費量の多いデータセンターの建設によって電気料金が上がるのではないかといった点に、より関心を寄せていることもこの報告書では述べられています。
¥99,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)









