OpenAI、ChatGPTに『学習モード』を追加。学生の「考える力」を育むため

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Munenori Taniguchi

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OpenAIは、ChatGPTに新機能「学習モード(Study Mode)」を追加したと発表しました。

このモードは、大学生がChatGPTに問題の解き方を求めたときに、ただ回答生成器として機能するのではなく、クリティカルシンキングを用いて、学生が自ら学び、考える力を育むことを目的としているとOpenAIは説明しています。

学習モードを有効にすると、ChatGPTはユーザーの学習の進捗状況を理解度をクイズや自由回答形式の質問を通じて確認し、また学生が問題に積極的に取り組まなければ、問題に対する直接的な回答を提供しない仕組みになっているとのことです。

ちなみにChatGPTの学習モードと同様の機能としては、Anthropicが今年4月、Claudeに「Learning Mode」をリリースしています。

ある研究では、ChatGPTの使用は若者にとって有益な面がある一方で、学生の批判的思考力(情報を分析し、論理的に解釈して、その情報の価値を評価したり判断を下したりする能力。クリティカルシンキング)に悪影響を与える可能性があることが示されています。6月に発表された研究論文によると、 ChatGPTを使ってエッセイを書く人は、Google検索を使ったり、すべて自分で執筆する人に比べ、執筆中の脳活動が低いことがわかったと報告されています。

学習モードの提供は、OpenAIがChatGPTを学習ツールとして進化させたいと考えていることを表しています。

2022年にChatGPTが一般ユーザーに拡がった当時、米国では多くの学校で生成AIの使用禁止措置が講じられました。しかしその後、一部の学校では、今後は生成AIが人々の生活の一部になると考え、禁止の解除と正しい使い方の指導、特に学生に対しては、生成AIの限界や潜在的な落とし穴があることなどについて指導するようになりつつあります。

なお、学習モードを正しく使われるかどうかは、ユーザー自身の心構えにも左右される可能性があります。なぜなら、ユーザーが設定で学習モードをオフにすれば、ChatGPTをこれまでと同様に回答生成器として使うことができてしまいます。この点に関して、OpenAIは将来的に管理者による管理やペアレンタルコントロールの導入を検討する可能性はあるとしています。

ChatGPTの学習モードは無料版、Plus、Pro、Team にログイン中のユーザー向けに利用可能になっています。また数週間のうちに、ChatGPT Eduでも有効化される予定です。


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《Munenori Taniguchi》

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