みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。世界各国には「スマホ街」や「スマホビル」と呼ばれる、スマートフォン屋さんの集まるエリアが必ずあります。アジアならバンコクのMBK(Mahboonkrong)Centerが有名で、ここには100件以上のスマートフォン屋やケース屋、パーツ屋などが集まっています。7月、屋外には発表されたばかりのファーウェイ「Pura 80」の広告がドーンと掲示されていました。

そんな「タイのスマホの聖地」MBKとは別の場所に、これまたスマートフォン関連のお店の集まる場所があるので行ってきました。こちらはチャイナタウンのそば。スマートフォン本体よりも、パーツやケースのお店が多く、その雰囲気は深セン電脳街に似ています。もちろん、ここに集まる製品は深センから輸入されているのでしょう。

ビルがいくつか連なっていますが、いずれも規模は小さめ。しかし、一歩内部に入ると深センのケース問屋の空気感が漂っています。展示されている製品の数も大量で、小売りというより問屋が集まっている印象です。

ケースを見て回ると、発売されたばかりの「Galaxy Z Fold7」のケースも。無名ながらもブランド名入りのパッケージにはいっており、品質はまずまず。もちろん、格安のケースもありますし、デコされたちょっと高級なものまで売られています。

三脚や自撮り棒、Bluetoothスピーカーなどの品ぞろえは深センそのもの。

こちらはパーツ屋さん。古い機種から比較的新しいものまで、さまざまなパーツが売られています。修理業者が買っていくのでしょう。

ボディーの販売店。純正品っぽいものもあるので、それなりにちゃんとした修理を受けられるのかもしれません(もちろん非正規で)。

続いてディスプレイ専門店。古い機種の修理は、ここでやる以外に選択肢はないかもしれませんね。

中古スマートフォンを販売するお店は多くないものの、いくつかありました。屋外の店舗の中には、ここで部品を集めて修理したものを売っている店も。最新スマートフォンを安く売る場所ではなく、古い機種を格安で買いたい客向けなので、製品は古いものが多めです。

コレクターには掘り出し物が見つかるかもしれませんね。

新品を比較的安価に売っている店もちらほら。

そこで発見したのが「5G」と書かれたフィーチャーフォン。5GフィーチャーフォンはTCLなど数社が出しているものの、かなりマイナーな存在。それがバンコクで売っているだなんて、これは買わねば! しかし、お店の人に話を聞くと「このSIMが使える」みたいな説明です。ディスプレイに貼られたステッカーのタイ語を読むと「5G契約SIM対応」。つまり端末は5G対応ではなく、5G契約したSIMカードも動くよってことですね。価格は5000円程度。製品を調べるとチップセットはSpreadtrum 7701、GSM / W-CDMA機ですね。

スマートフォン最新機種を求める人は、素直にMBKに行く方がいいでしょう。一方で深セン電脳街の雰囲気を味わいたい人には、ここだと規模も小さめなので、半日かからず回ることができます。私もバンコク訪問時は毎回、ここに立ち寄ろうと思います。
