AI音声レコーダーにもなるワイヤレスイヤホン「viaim RecDot」実機レビュー。PCで使うNoteKitも登場

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山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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PixelやGalaxyのレコーダー機能やiPhoneのボイスメモ、PLAUDなどのAI音声レコーダーなど録音・文字起こしのソリューションがどんどん増えてきています。

これもAI性能の飛躍的な向上によるものだと思いますが、そのAIを活かしたちょっと変わった製品「viaim RecDot」がMakuakeに登場しました。先行してしばらく利用してみたので、どんなものなのか紹介したいと思います。

ハイレゾ対応イヤホン viaim RecDot

viaim RecDotは、見た目はただのワイヤレスイヤホン。ANCを搭載しており、LHDC対応でHi-Res AUDIO WIRELESSの認定も受けたちゃんとしたイヤホンです。

特徴的なのはAI録音機能なのですが、それを紹介する前にイヤホンとしての性能にも触れておきます。

形状としては、一般的なカナル型イヤホンで、XS/S/M/Lの4サイズのイヤピースが付属します(Mサイズが装着済み)。

イヤピースの装着具合を確認するフィットテストも行えます。

イヤホンのステム部分をつまむことで、ジェスチャー操作が可能です。操作は、アプリからカスタマイズでき、左右別々の操作も設定できます。

ANC機能も搭載。公称では、騒音を48db低減するとのこと。なお、アプリからANCの効き具合を「弱」「中」「強」の3段階で設定可能。周囲に合わせて調整してくれる「自動」もあります。

接続はBluetooth 5.2で、対応コーデックはSBC/AAC/LHDC。同時に2台接続できるマルチペアリングに対応しています。

バッテリー持ちは単体で9時間、充電ケース併用で36時間。充電ケースはUSB-Cでの充電のほか、ワイヤレス充電にも対応しています。

イヤホンとして肝心の音質は、低音から高音まで非常にクリア。デフォルトだと中高音がやや籠り気味に聞こえますが、アプリからイコライザでカスタマイズ可能です。

▲イコライザはプリセットのほか、自由にカスタマイズも可能

AI音声レコーダー機能を搭載

ここからは、AI音声レコーダーとしての機能を見ていきます。

viaim RecDotは、イヤホンを使用した通話を録音可能。また、スマートフォンで再生している動画や音声の録音も可能です。それだけではなく、通常の音声レコーダーのように周囲の音を録音するという使い方もできます。

これだけだとちょっと便利なイヤホンという印象ですが、最大の利点は、リアルタイムに文字起こしと翻訳が行える点にあります。

リアルタイムの文字起こしというと、Pixelのレコーダーを思い浮かべるのですが、実際に使用してみた感覚としてはほぼ同じです。録音を開始すると、自動で文字起こしが行われます(文字起こしする言語は設定しておく必要があります)。また、Pixelのレコーダーにはない機能として、リアルタイムの翻訳も可能。日本語、英語、中国語など16言語の文字起こしと15言語の翻訳に対応しています。

▲スマホ沼のYouTube動画をスマホで再生し、文字起こしをしてみたところ。動画をPiPにしてアプリを全画面表示(左)するほか、viaimアプリ側を小さくし、他のアプリの上に表示することもできます(右)

文字起こしを行うには、録音が必須ですが、録音には3つのモードがあります。

  • 通話録音:文字通りに通話を録音するモード

  • オーディオ/ビデオ録音:スマートフォンで再生している動画やポッドキャストなどの音声を録音するモード

  • 現場録音:イヤホンのマイクを使って周囲の音を録音するモード

この中で特に面白いのは、現場録音モードでしょう。一般的な音声レコーダーと同様のことが行えるというだけではありますが、イヤホンで行えるのは便利そうです。

この現場録音モードは、アプリから録音を開始する以外にも、イヤホンのジェスチャーコントロール(デフォルトでは長押し)や、イヤホンをケースに入れたままでケースの録音ボタンを押しでも開始できます。

▲イヤホンをケースに収納し、録音ボタンを押せば周囲の音を録音可能

知らない人からすると、会議などの場で机上にイヤホンを出して何をしているのかと思われる可能性が高いので、そこだけは注意が必要かもしれません。

▲アプリ上からは、録音ボタンを押すとモード選択になるので、どのモードで録音するかを選びます

なお、ジェスチャーコントロール、充電ケースの録音ボタンで録音を開始すると、モードにかかわらずリアルタイムの文字起こしはできません。

そのリアルタイム文字起こしですが、他の人と共有が可能です。録音を開始したあと、メニューから「ライブテキスト」を選ぶと、URLとパスワードをメールなどで共有できるようになります。リンクを受け取った人はブラウザ経由でリアルタイムの文字起こしを確認可能。また、その画面上からリアルタイム翻訳と翻訳した文章の読み上げも可能です。ちなみに、同時に300人と共有が可能とのことです。

▲他の人もブラウザからリアルタイムで文字起こしを確認できるほか、翻訳も可能です

注意点として、共有された人がリンクから文字起こしを見られるのは、録音している間だけです。録音を終了すると文字起こしが見られなくなります。

▲共有された人が文字起こしを見られるのは、録音中に限られます

当然、録音している本人は、録音後もリアルタイム文字起こし・翻訳の内容を確認できます。なお、録音後は、文字起こしの内容や録音自体をテキストファイル、オーディオファイルとしてエキスポートしたり、共有したりすることは可能です。

また、リアルタイムの文字起こしや翻訳は、速度優先のためか、若干精度が落ちる印象がありますが、viaimでは録音後にあらためて文字起こしや翻訳を行うこともできます。

このほか、アプリ上ではviaim AIを利用可能。要約をしたり、ToDoを抽出したりしてくれます。

最後にプランについて。他社のAIレコーダーと同様に、残念ながら無制限に文字起こしができるわけではなく、無料(Basic)プランだと月600分までの制限があります。月額1500円(年額1万2000円)のProプランなら月1800分、月額3000円(年額2万2000円)のUltraプランでは無制限で文字起こしができます。文字起こしの時間以外、各プランに違いはないようです。

▲試用期間中は日本での価格は記載ありませんでしたが、Proが月額1500円、Ultraが月額3000円になるとのことです

PCで使うスティック型のviaim NoteKit

Makuakeではもう一つ、viaim NoteKitも発売されます。

こちらは、イヤホンではなくUSB接続のスティック型の製品です。

本体はUSB-Cですが、USB-A接続できるアダプタがあり、そこにキャップを被せるという仕様です。ちなみにキャップはマグネットになっています。

レコーダーとしての機能はイヤホンのviaim RecDotとほぼ同等で、PC上で再生している音声のリアルタイムな文字起こしが可能。また、マイクを搭載しており、現場録音モードも利用できます。PCを利用した会議や打ち合わせなどでは便利そうです。

リアルタイムの文字起こしは、アプリ上で表示するモードと、字幕のように表示するモードを選択可能。全画面で表示しているような場合には字幕モードが便利そうです。

▲文字起こしを字幕のように表示可能
▲文字起こしをアプリ上で見ることもできます

なお、現在はWindows用のアプリしかありませんが、今後Mac向けもリリース予定とのことです。

付加価値の付いたイヤホンとしてみるとお得そう

通話録音に関してはスマートフォン単体で行えるものが増えているので、そこまで必要性を感じないのですが、オーディオ/ビデオ録音と現場録音のリアルタイム文字起こし、リアルタイムの翻訳はかなり魅力的。最近はYouTubeでも自動字幕や自動翻訳ができますが、ライブなどまだ対応していないものもあります。リアルタイムの文字起こしができると、ちょっと聞き逃した場合などにもさっと確認できるので便利です。

そして、viaim RecDotはイヤホンとしても普通に優秀なので、イヤホンを購入するとAI音声レコーダーのソリューションが付いてくると考えるとかなりお得ではないかと思います。

↑開封の儀(ブラック)
《山本竜也》
山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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