povoが楽天モバイルと全面対決、データ使い放題が月3278円 「300GB(90日間)」も (石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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povoが楽天モバイルと全面対決、データ使い放題が月3278円 「300GB(90日間)」も (石野純也)
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 KDDIが povo 2.0の新たなトッピングを導入しました。1つ目が「データ使い放題(7日間)12回分」。もう1つが「300GB(90日間)」というトッピングです。

通常、この手のトッピングは期間限定としてイベントや大型連休などに合わせて提供されることが多い印象で、今回の2つのトッピングも一応は、期間が区切られるもののようです。

ただし、どちらも終了時期は未定となっており、かなり通常トッピングに近い位置づけと言えそうです。

povo2.0に、“楽天モバイル対抗”と呼べそうな2つのトッピングが登場した

 2つのトッピングの金額を見ていくと、“楽天モバイル対抗”の色合いが非常に濃いことが分かります。

まず、データ使い放題ですが、こちらは7日間(と言いつつ、実質8日間)、連続してデータ通信が無制限になり、残り11回分は160日間有効な引き替えコードが送られてくる仕組みです。約12週間、3カ月間ぶんをまとめて購入する仕組みと言えるでしょう。

 料金は9834円ですが、3で割って1カ月あたりに直すと3278円になります。この数字、どこかで見覚えがあるのではないでしょうか。そう、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」で20GBを超えた場合と同額なのです。

楽天モバイルにガチンコで対抗したトッピングと言ってもいいでしょう。オンライン専用ブランドとは言え、povo2.0の回線はKDDIが直接提供しているもの。ここまで低料金に打って出たのには驚きです。

9834円で12週間分、データ通信が使い放題になる。1カ月あたりの金額は3278円。楽天モバイルのRakuten最強プランが天井に達したときの金額と同じだ

 1カ月ごとに料金がかかる楽天モバイルとは違い、引き替えコード式のpovo2.0の場合、自由度も高くなります。

1週間ぶんを使ったあと、しばらくはあまりデータ通信をしそうにないのであれば、「ギガ活」などでもらった300MBクーポンなどで過ごしつつ、データ使い放題を節約することも可能になります。

引き替えコードの有効期限は160日のため、うまくギガ活などでつないでいけば、5カ月間強を9834円で過ごすこともできます。

 ある程度料金プランやデータ使い放題の残り日数を意識つつ、工夫する必要はありますが、こうした手間を惜しまない人にはかなりいい選択肢と言えるのではないでしょうか。

一方で、povo2.0はあくまでオンライン専用プラン。楽天モバイルのように実店舗もなければ、経済圏と連動したポイント付与などもありません。こうした要素をどこまで重視するかが、選択の分かれ目になりそうです。

経済圏と連動しているのも楽天モバイルの魅力。こうしたお得さはpovo2.0に欠けているところと言えそうだ

 もう1つの300GBトッピングも、料金は同じ9834円。こちらも1カ月換算すると、3278円です。

このトッピングを購入すると、300GBがまとめて付与される形になりますが、仮に1カ月ごとにならして使ったとするとその容量は100GB。

データ容量無制限ではありませんが、モバイルサービスとしてはかなりの量で、実質的に無制限に近いような使い方ができるトッピングと言えるかもしれません。

 データ使い放題のトッピングと比べると、期間は同じで容量制限があるため、ややお得感が薄くなってしまうような感はありますが、トッピングが切れた後、ポチポチと引き替えコードを入力していくのは少々手間がかかるのも事実。1週間ごとだと、その作業も増えてしまいます。

300GBトッピングも用意する。こちらも1カ月にならすと3278円。データ容量は100GBになり、事実上のほぼ無制限と言えそうだ

 筆者もpovo2.0は、ギガ活で毎月ほぼ0円を維持していますが、これをやろうとすると、3日間ごとにプロモコードを入力する必要があります。有効期間が切れていることを忘れてしまい、なかなかメールが受信できないな……と思ったら、128Kbpsに制限されていたということも。

このような手間をかけたくないユーザーのために、大容量をまとめて3カ月分購入するという選択肢があってもいいような気がします。

ポチポチとプロモコードを入力してくのは、意外と手間がかかる。これを煩わしいと考える人は、300GBトッピングを選んだ方がよさそうだ

 同じ1カ月間100GBという括りだと、ドコモの「ahamo大盛り」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、あちらは料金が4950円。

同じ大手キャリアのオンライン専用プランとして、1カ月平均3278円で100GB使える料金プランは破格と言ってもいいでしょう。2つのトッピングで、楽天モバイルとahamoの双方に対抗してきたというわけです。2ブランドとも、契約者を順調に伸ばしているため、ここにぶつけたトッピングを投入するのは合理的です。

 そのうえで、少々気になるのは、終了期間が決まっていないとはいえ、期間限定トッピングという位置づけであること。povo2.0側がどこまで継続する意思があるのか、その温度感がイマイチ分からないため、楽天モバイルなりahamoなりからpovo2.0に移って本当にいいのかどうか躊躇するユーザーはいるかもしれません。

他のトッピングとは異なり、【期間限定】という表記はないものの、あくまで終了日が未定なだけ。突然提供が中止になるリスクがあるのは、やや不安なところと言える

 使い放題トッピングが毎月3278円で使えると思って契約したものの、途中で打ち切られてしまうリスクがあるからです。

もちろん、恒常的に提供しているトッピングも、未来永劫、この容量や価格であるとは限りませんが、少なくともスタンダードなトッピングとして、サービス開始以来、継続している実績はあります。ユーザーの利用動向を見て通常トッピングに“格上げ”される可能性はありますが、そのスタンスはもう少し明確にしてほしいと感じました。




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《石野純也》
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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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