「アップルAI」は今年発表へ、クックCEOが明言。WWDCでLLM版 Siri搭載のiOS 18発表?

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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「アップルAI」は今年発表へ、クックCEOが明言。WWDCでLLM版 Siri搭載のiOS 18発表?

秘密主義のアップルが未発表製品やソフトウェアに言及することはめったにありません。

しかし、2月1日の第1四半期業績発表後の会見で、ティム・クックCEOは生成AI技術に投資を続けていることに言及しつつ、今年(2024年)内に何らかの発表があると語りました。

クック氏は「私たちは将来を見据え、未来を形作る様々な技術への投資を続けていきます」「これにはAIも含まれ、私たちは膨大な時間と労力を投入し続けています。年内には、この分野での進行中の取り組みにつき、詳細をお伝えできることを楽しみにしています」と述べています

すでにアップルは何年も前から、広義の「AI」や機械学習を用いた機能の開発と導入に精力的に取り組んでいます。iPhoneやiPadで、写真やビデオに含まれるテキストや情報の認識ができるようになったのもこうした取り組みの一環です。また昨年秋にリリースしたiOS 17では、ユーザーそっくりの声をAI生成する「パーソナルボイス」を提供していました。


つまり、クック氏がことさらに「AI」という場合、まだアップルが公式には製品に組み込んでいない、文章や画像などの生成AIを意味する可能性が高いわけです。

これに先立ち、クック氏は昨年夏には米Reutersの取材にて、明確に生成AIに言及しています。「我々は生成AIを含む、幅広いAI技術の研究を長年行ってきました。人々の生活をより豊かにするため、これらの技術に投資し、革新を起こし、責任を持って製品を進化させ続けるつもりです」と発言していました

クック氏が今回のような踏み込んだ発言を行う兆候は、いくつかありました。まず、アップルの社内情報に精通するBloombergのMark Gurman記者は、同社が新たなAIシステムの基盤技術を開発中であり、これに基づく「より賢いバージョンのSiriが、早ければ来年にも完成する可能性がある」と主張。そして2024年には発表するかもしれないと述べたこともあります。


またアップル関連情報サイト9to5Macは、iOS 17.4ベータ版を解析した結果、同社が独自のAIモデルを開発している手がかりが見つかったと報告していました

さらに英Fiancial Time(Ars Technica経由)は、複数の識者やアナリストらが、次期「iOS 18」にLLM(大規模言語モデル)を搭載したSiriが含まれる可能性があると予想していることを伝えています。

iOS 18は、おそらく今年のWWDC(世界開発者会議)で発表されるはず。毎年のWWDCは6月開催が恒例となっていることから、クック氏のいう「年内」に符合しそうです。


《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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