Apple Vision Pro、ZEISS製以外のインサートレンズは使えない可能性。シリアル番号やペアリングコードを用意

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

特集

Image:M1Astra/Apple
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アップルは空間コンピュータ「Apple Vision Pro」を、米国で2月2日から正式に発売します。

そのオプションとして、人によっては必須となるのが視力矯正用のインサートレンズです。Vision Pro本体とともに、すでに予約を受け付けています。

Vision Proは注文時にFace IDカメラで顔の形状を計測してユーザーにあった接顔部を用意するなど、ディスプレイと眼の正確な距離・位置合わせを重視するほか、視線追跡を主な操作方法とすることからメガネやハードコンタクトレンズが使えない仕様であるため、普段からメガネが必要な場合はこのツァイス製インサートレンズをあわせて購入する必要があります。



その視力矯正レンズの取り付け方法や「ペアリング」について、また公式のツァイス製品しか使えない可能性について、事前に情報を得たとおぼしきリークアカウントが伝えています。

情報の出所はXユーザーのM1 @M1Astra氏。同氏は以前にもVision Proのオンボーディング動画(初期設定や基本的な使い方の解説)などを公開していたほか、Vision ProでSafariを使う様子と称する動画は「著作権者からの申し立てにより無効」となっており、何らかの手段で情報を入手したと見られます。

Vision Pro用ツァイス製インサートレンズについては、パッケージ写真と共に中味を紹介。

以下 "M1"氏が引用した製品説明によれば、箱を開けるとインサートレンズ本体と使用説明書、および「Vision Proをペアリングするためのパーソナルコード」が入っています。

ペアリングには、左右それぞれのレンズをディスプレイの所定の位置にセット。適切な位置にあればマグネットで固定されます。もしプロンプトが表示されたら、上記の「カードに記載されているペアリングコードをスキャン」してペアリングを完了します。

また「固有のシリアルナンバーはツァイス光学インサートマウントの内側に刻印しています」との説明も。

度数などレンズの仕様を示すだけでなく、ひとつひとつのインサートレンズが個別のシリアル番号で管理され、ペアリングの手続きがあるならば、アップルが認証したペアリングコードなしには、仮に光学的に同じレンズを作ってVision Proに取り付けても正常に機能しない・Vision Pro側が認識しない可能性も考えられます。

このペアリングコードは、App Clipコードを使っているようです。

さらにM1Astra氏は、ツァイス製インサートレンズとVision Proのペアリングをどう行うかの詳細を公開。Xの投稿にも見当たらず、削除された可能性もありますが、米アップル関連情報サイト9to5Macが同氏がシェアしたという「動画」のスクリーンショット付きでテキストで説明しています

レンズを装着した後、ユーザーはVision Proを頭にかぶり、デジタルクラウンを押し続けます。するとVision Proは上記のペアリングコードを見るようユーザーに要求。少なくとも動画を見るかぎり、レンズ装着後にペアリング手続きをスキップする方法はなさそうだと述べています。

また、新しいインサートレンズを装着した場合は、改めて虹彩認証のOptic IDを再設定する必要があると説明しています。これは認証の原理は違うものの、Face IDに複数のメガネを登録できることに似ているかもしれません。

そして複数のレンズをペアリングしている場合は、レンズを交換すると、Vision Proは自動的にどのレンズを使っているかを識別すると伝えています。

Vision Proは家族や友人など「ゲスト」に試用してもらうモードが用意されています。複数のレンズ対応は、その役に立ちそうです。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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