iPad miniやAirも2026年以降に有機ELディスプレイ採用?120Hz表示は引き続きPro限定の可能性

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Image:Apple/YouTube

今後アップルがiPadシリーズのうち、最上位モデルiPad Proの2機種に有機ELディスプレイを採用する計画であることは複数の情報源が伝えてきました。具体的に2024年2月にパネル生産が開始される、とのサプライチェーン筋情報もあったほどです。


一方、2026年~2027年にかけてiPad miniやiPad Airも有機ELディスプレイに移行する見込みであると、韓国メディアET Newsが伝えています。

ちなみに英国の市場調査会社Omdiaも「2026年からiPad miniとiPad Airにも有機ELディスプレイ搭載が検討されている」と述べており、大筋では一致しています。

さてET Newsによると、2026年にはiPad miniとiPad Airに有機ELが採用される見込み。iPad Airは従来通り10.9インチのままですが、iPad miniは現在の8.3インチから8.7インチになると述べています。

さらに、2027年には有機ELを搭載した12.9インチiPad Airも追加される見通し。iPad Air については、台湾のサプライチェーン情報筋が「12.9インチiPad Airが近日発売予定」と伝えていましたが、同じものを指すのかは不明。「まず液晶モデル、数年後に有機ELモデル」という流れかもしれません。


もっとも、高性能モデルであるiPad Proと普及モデルAir、miniのディスプレイ性能には差を付けるだろうと予測しています。

具体的には、Proモデルにはツースタックタンデム(発光層の2段重ね)、ガラス基板を使ったハイブリッド有機EL、それにLTPO(低温多結晶酸化物)といった高度な技術を導入する見込み。この予想は以前から繰り返されています。


その一方で、iPad miniとiPad Airにはシングルスタック(従来通り発光層が1つ)+LTPS(低温多結晶シリコン)パネルを採用。

ここでいうLTPOやLTPSはバックプレーン=ディスプレイ駆動回路の技術であり、そのうちLTPOはiPhone 14以降のProモデルに搭載され、1Hz~120Hzの可変リフレッシュレートを支えています。

つまりiPadでいうProMotionディスプレイ、すなわち最大120Hz表示は、引き続きProモデル専用になる可能性があります。

さらに2027年には、iPad Proの有機ELパネルにCoE(Color Filter on Encapsulation)技術が導入され、光効率が改善する見通し。

このCoEとは、有機ELの偏光板をカラーフィルタに置き換えるものです。偏光板はパネル内での光反射を防ぎますが、偏光板自体が光を吸収して輝度を下げてしまうため、有機ELメーカー各社は他の部材に置き換える開発を進めています。

そしてCoE採用によりパネルの光透過度も高くなり、その結果として前面カメラをディスプレイの下(裏)に隠すアンダーディスプレイカメラ(UDC)の実現も可能になるとしています。

今回の情報では、MacBook Proについても軽く触れています。有機ELディスプレイは2025年から16インチモデルに初搭載し、2026年には「13インチ、14インチ、15インチ」にも採用モデルが広がるとのこと。画面サイズから、14インチMacBook Proや13インチ/15インチMacBook Airを指しているようです。

以前の情報では、アップルがMacBook Pro(2026年モデル)向け有機ELパネルを発注したとのサプライチェーン筋の証言を伝えていました。それより1年前倒しということになります。


ノートPCでの有機ELディスプレイは、グループにディスプレイパネルメーカーを擁するサムスンが以前から製品化してきたほか、LGは薄型軽量で人気のgramシリーズにもOLEDモデルを投入したり、ASUSはハイエンドに限らずメインストリームモデル全体でOLEDモデル移行をアピールしています。



有機ELに移行すれば、従来の液晶パネルと比べて輝度の向上や高いコントラスト比、色再現性の改善、消費電力の削減などが期待できます。今回のレポートでは、薄くて軽くなることも強調しています。


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《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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