ISSの船外活動で失われた道具袋、地上からは双眼鏡で目視可能

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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NASA/JSC

11月2日に地球低軌道を周回する国際宇宙ステーション(ISS)で行われた船外活動(EVA)において、使用されていた道具袋が飛行士の手を離れて宇宙空間を漂流し始めました。現在、この道具袋は夜空を飛行するISSの前方に、6等級ほどの明るさで輝いているのが確認できます。

今回のEVAでは、ISSに電気を供給する太陽電池が適切に太陽の方向を向くようにするアセンブリーの修理が行われていました。しかし、作業を担当していたジャスミン・モグベリおよびローラル・オハラの2人が注意をそらした隙に、道具袋は手元を離れていってしまいました。

ミッションクルーはISSの船外カメラで宇宙に浮かぶ道具袋を発見しましたが、残りの作業では使用する予定がなく、さらにこの道具袋の軌道解析の結果、ふたたびISSに接触して何らかの障害を起こす危険性も低いとわかったため、回収不要との判断を下しました。

この道具袋は現在は、その大きさの割に明るく、地上からも肉眼でかろうじて見える6等級ほどの明るさで見えるとのことです。もし手元に双眼鏡があるのなら、まずISSを発見しさえすれば、その進行方向すぐの空に見つけることができるでしょう。日本でISSがいつ何時に見られるのかは、JAXAのウェブサイトなどで確認できます。

なお道具袋は、今後数か月は軌道上にとどまるものの、徐々に地球に引き寄せられて高度を下げ、最終的に2024年3月ごろに大気圏に再突入すると予想されています。

ちなみに、EVAで飛行士が道具袋をうっかり紛失してしまった例は過去にもありました。2008年11月18日には、同様の作業中にやはり道具袋が宇宙ステーションから離れてしまいました。この道具袋は数日後に映像で捉えられたほか、約2か月後の2009年1月12日時点でもISSのそばを飛行しており、この日プエルトリコで開催された「星空観測パーティ」では、集まった人々が双眼鏡で輝く道具袋を見ることができたそうです


《Munenori Taniguchi》
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