M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)

ガジェット PC
村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

特集

M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)
  • M3に強化された24インチiMacを使ってみて、改めて認識した「ちょうどいい」感じ(村上タクタ)

24インチiMacの2世代目、M3を搭載したiMac (24-inch, 2023) が10月31日(日本時間)に開催されたApple Eventで発表され、11月7日に発売された。プロセッサが変わっただけの印象だが、使い方によっては非常に便利で、快適な製品だ。実機をしばらく使ってみた上で、この製品の意味を考えたい。

『はじめてMacを買うユーザー』には無条件でお勧め

27インチiMac待望論がある。当時は今ほど円安が進んでいなかったので、オールインワンで大画面、高性能な27インチのiMacは非常に人気を博し、多くの人が、家庭用、仕事用Macとして購入した。

出版社に勤めていた筆者の周りでも、27インチiMacは人気だった。とりわけ、5Kという表示サイズは、雑誌のA4見開きを原寸で表示した上にツールバーも表示できるから、多くのエディトリアルデザイナーが使っていた。

これが24インチになると、表示領域は狭くなる。A4も表示できない。したがって、27インチの代替、後継には向かない。それは仕方のないところだと思う。

アップルはユーザー層を拡大することにしか興味はない。これは、『Macお宝鑑定団』を主宰するDANBOさんの説だが、筆者も同意する。彼らが大切に考えているのは『はじめてMacを買うユーザー』なのだ。

そういう意味で、iMac 24インチ(M3)は、『新規ユーザーの取り込み』にフォーカスしているのだろうと思う。M2版がスキップされたのもそういう理由で、新規ユーザーはチップの違いなんて気にしないだろうし、性能差は15~20%ぐらいしかなかったからだ。

▲カラーはM1時代と同じ7色。ディスプレイ背面に濃い色、脚などに薄い色を使ったツートンカラー

中心は、20万円弱から30万円ぐらいの価格帯

旧iMacから乗り換えで新規購入と考えると、iMacは非常に魅力的なモデルだ。最も安いモデルが19万8800円。とりあえず、初めて使う人ならこれで十分だ。マウスもキーボードも付いてくる(逆に、外しては購入できない)。

▲下位モデルは2ポート。上位モデルはThunderbolt 4×2ポート、USB-C×2ポートの合計4ポート

取材用に貸し出された広報機材は、8コアCPU、10コアGPUの4ポートモデル。メモリ16GB、ストレージ512GB、ギガビットEthernet付き。筆者が自分で使うように買うんだったら、このぐらい『盛る』と思う。Magic KeyboardがTouch ID付きなのはともかく、Magic MouseとMagic Trackpad両方が付いている必要はないが、これで30万7600円だ。

▲M1版と同様、ギガビットEthernetポートはアダプター部分にある。たしかに、本体にあるよりここにあった方がケーブルが散らからない

M1 iMac(16GBメモリ)を愛用しているTechnoEdge編集部の松尾公也さんは、ビデオ編集なども考えてもっとメモリを積みたいと話していた。追加で2万8000円支払うと24GBまで増やせるが、そこが上限。MacBook Pro M3も同様だから、これは無印M3チップの仕様上の限界。これ以上増やそうとすると、上位のプロセッサであるM3 ProかM3 Maxが必要になり、グッと価格が高くなるため、iMac版は無印M3のみだ。

ちなみに、一般論としてはMシリーズチップはユニファイドメモリという仕組みを採用しており、従来のIntelチップの時代よりメモリの利用効率が高く、半分程度の容量で問題ないとアップルは主張している。筆者のやっている編集作業、ちょっと画像処理、たまに4Kのビデオ編集……ぐらいだと、8GBメモリでも問題なかった。

日常の業務をすべて軽々とこなせる

パフォーマンスは十分以上のものがある。

ベンチマークアプリのGeekbench 6だと、CPUのシングルコアが2989、マルチコアが1万1510。これはM1と較べると128%と、139%。GPUはOpen CLは3万416、Metalが4万7079。M1と較べると162%、155%になる。

▲Metalが4万7079。Intel Macで考えれば、これはとんでもない数字だ

Intel Macの末期である2020年モデルのMacBook Air Core i5と較べるとCPUの性能で4.2倍、GPUの性能で4.1~5.6倍ということになる。つまり、とりわけIntel Mac世代から考えると途方もなく性能が上がっており、もしまだIntel世代のMacを使っている人がいたら、すぐに乗り換えていい。おどろくほど快適になって、日常の作業が楽になるから。

▲筆者が計測したGeekbench 6の数値。Intel世代のMacBook Airと較べると、わずか3年あまりの間に、劇的に速くなった。隔世の感がある

ボディ共色のマウス、キーボードはここでしか買えない

筆者は、自分が気に入ったマウスやキーボードを使うから、セット販売は不要と思うが、ボディと共色のMagic Keyboard、Magic Mouse、Magic Trackpadは素敵だと思う。

▲取材機にはボディと共色のMagic Keyboard、Magic Mouse、Magic Trackpadがセットになっていた。普段使うマウスやキーボードがあるから……と思ったが、これはこれで素敵

Magic Mouse、Magic TrackPad、両方は要らないのだが、このカラフルなマウスやトラックパッドは、本体とセットでしか買えないから、貴重なものだ(ステッカーもボディ同色のものが入ってる。これはレア)。要らなくても、入手しておいて、セカンドマーケットに放流してあげるのもいいかもしれない。

はじめて、Touch ID付きのMagic Keyboardを使ってみたが、これは便利なものだ(ノート型のMacではいつも使っているが)。

▲オプションのTouch ID付きMagic Keyboard。指紋の情報は多分キーボード自体に入ってるのだろう。そこからどうやってMacと通信するのか、ちょっと不思議

ログインや認証に使えるのはもちろんだが、iMacのような家族みんなで使うMacの場合は、ユーザーを別々に区切っておいて、このTouch IDで切り替えるということもできる。

たとえば、両親の仕事のメールや書類、家計簿アプリやメッセージのやり取り……と、お子さんの勉強やゲームのための環境は完全に分けて構築できるのだ。お子さんが、大事な書類を消してしまったり、うっかり保護者同士のやりとりのメールを見てしまったり……ということはない。これを指紋認証だけで切り替えられるのはとても便利だ。

▲壁紙やファインダーの強調色も、ボディ色に揃えることができる

リビングに1台

ファミリーアカウントでiCloudに入っておいて、共有ライブラリーを使えば、家族共有の写真と、それぞれ個人の写真は別々に管理できる。

▲日常的なドキュメント仕事も快適だ

個人で使う時は、個人写真の環境でアクセスして、家族旅行の写真を見るときは、共有ライブラリーのものを見る……という環境はとても便利だ(我が家はそうしている)。リビングに置いたiMac 24インチは、みんなで写真を見るのにもちょうどいいサイズだ。

▲家族写真を見るのにピッタリの画面サイズだ

ひとり暮らしを始めたばかりの、自宅用パソコンとしてもいい。

持ち運べるノートパソコンを使う人が多いと思うが、やっぱり24インチの大画面は快適だし、ノートパソコンのように姿勢が悪くなったりしにくい。ビデオ会議のときの目線はMacBookのカメラだとあおり気味になるが、iMacの高さだとちょうど良い。画質も十分だ。

家に持ち帰った仕事や、メール・メッセージのやりとりをするのにも良い。YouTubeやNetflixを見たり、ゲームをしたりというのにも大画面は便利だし、11.5mmの厚さは狭い部屋でも邪魔にならない。収まりの良さはオールインワンモデルならではだ。

▲Steamから出た『Baldur's Gate 3』いうゲームをやってみた。一瞬動画がちらつくシーンもあるが、全般には非常に快適にプレイできる。昔やっていた、ボード版のDungeons & Dragonsを思い出した

家族で使うにしても、ひとり暮らしで使うにしても、iMacのカラフルさ、色の鮮やかさは気分を上げてくれる。もし、あなたが今リビングで使うパソコンを用意していないなら、色鮮やかで高性能なiMac 24インチ(M3)はお勧めできるモデルである。

《村上タクタ》

村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

特集

BECOME A MEMBER

テクノエッジ友の会に登録しませんか?

今週の記事をまとめてチェックできるニュースレターを配信中。会員限定の独自コンテンツのほか、イベント案内なども優先的にお届けします。