月着陸に向け準備中のロシア探査機ルナ25号に「緊急事態」発生。運用チームが「状況分析中」

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Munenori Taniguchi

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ロシアの宇宙機関Roscosmosは、月軌道上から着陸に備えている月着陸探査機ルナ25号が「緊急事態」に見舞われていることを明らかにしました。

問題は、ルナ25号の運用チームが月曜日に予定する着陸に向けた軌道修正のため、スラスター噴射のコマンドを送信した後に発生しました。Roscosmosは8月19日14時10分(モスクワ時間、日本時間では同20時10分)に行った操作中に、何らかの問題が発生し「指定されたパラメータでの操作ができない状況」になったため「現在はチームが状況を分析中」とTelegramを通じて発表しました。

公式の情報はこれを最後に沈黙状態になっているため、探査機が予定のスケジュールに復帰できるのか、まったく見込みなしなのかはわかりません。


ただ、ロシアのインターネット界隈では、おそらく探査機は失われたのではないかとの憶測が濃厚になりつつあります。ロシアの宇宙専門ジャーナリストAnatoly Zak氏は、X(Twitter)に「議論のなかのひとつは、もし問題が致命的でなければ、Roscosmosは決してその問題に言及しなかっただろうというものだ」と述べており、状況は厳しいとの見方を示しています。

ルナ25号は8つの科学機器を搭載し、月の南極付近で水氷を探すなど、月面に関するさまざまな調査を約1年間行うことを予定しています。もしルナ25号が正常状態に復帰できず、着陸できない状況になったとすれば、それはルナ24号以来、47年ぶりの月着陸ミッションを目指してきたロシアの宇宙計画にとっては大きな打撃になるかもしれません。

なお、ロシアはルナ26号の計画も用意していますが、現在のスケジュールではその打ち上げは2027年の予定。もし25号が失敗に終わった場合、計画が遅れる可能性が高まります。


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《Munenori Taniguchi》
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