テスラのマスクCEO、自動運転技術のOEM供給に向け自動車メーカーと「初期の協議中」と発言

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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テスラのイーロン・マスクCEOは、先頃行われた決算報告において、テスラのAutopilot / Full Self-Driving(FSD)技術のライセンス供与について「大手」自動車メーカーと「初期の協議」を行っていることを明らかにしました。

自動車メーカーが、自社開発した技術を他社にライセンス供与するのは、珍しいことではありません。強力な開発リソースを持たない規模の小さな自動車メーカーにとって、OEMによる供給は多大な開発コストと時間を省きつつ新技術を採用できる良い方法のひとつです。

とはいえ、大手自動車メーカーともなれば、だいたいどこも自動運転技術を独自に開発しており、レベル2(一部レベル3含む)の機能はADAS(先進運転支援システム)としてすでに実用化しています。一方、レベル3以上の自動運転技術は、LiDARシステムなど、より高度かつ高額なハードウェアを前提に開発している企業が主流であり、市販車にはまだほとんど搭載されていません。

もし、自動車メーカーがテスラのAutopilot / FSDの供給を受けるとなると、必要なセンサー構成やソフト / ハードウェアが大きく異なるため、機能させるにはかなりの設計変更が必要になるでしょう。常識的に考えれば、いまだテスラ自身がベータ版だとしているFSD技術を、より安全を重視する傾向にある自動車メーカーが採用するのは難しそうです。

フォードや日産といった大手自動車メーカーは最近、テスラが設計し米国の標準規格として採用された電気自動車の充電コネクター仕様「NACS (North American Charging Standard)」の採用を進めています。またテスラは自社のEV充電設備Super Chargerのパートナーシップのために複数の自動車メーカーと協議を行っているとされており、その会話のなかでテスラが自動運転技術に関する話を持ちかけている可能性は考えられます。なかには、テスラの技術に興味を示すメーカーもあるかもしれません。

ただし、マスク氏が自動車メーカーへの自動運転技術のライセンス供与について前向きだと発言したのは今回が初めてではなく、先月2021年2020年にも、ほぼ同じことを言っています。Autopilot / FSDの他社へのライセンス供与に関する新しい話は、実質的に何もないと言っても良さそうです。


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《Munenori Taniguchi》
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