Virgin Galactic、6月27日より商業宇宙飛行サービスを開始。最初の乗客はイタリア空軍と科学者

テクノロジー Space
Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

ウェブライター

  • X

ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他

特集

Virgin Galacticが、6月27日より商業宇宙ミッション「Galactic 01」を6月27~30日の間に実行すると発表しました

これまで、Virgin Galacticは初の商業ミッションは6月下旬になる予定とは述べていたものの、確定はしていませんでした。

最初の乗客はイタリア空軍およびイタリア学術会議からの3人が搭乗し、宇宙空間の微小重力環境での科学的研究を行います。

Virgin Galacticは、必要な科学機器を持ち込んで行われるこのミッションが「SpaceShipTwo (VSS Unity)の、弾道飛行実験室という側面とその価値を世の中に紹介する」ものになると述べています。

また、このミッションが終われば続く「Garactic 02」ミッションが8月上旬にも実施予定となっています。これは民間の乗客を乗せての飛行になる見込み。なお、この2つのミッションの様子は、インターネットを通じてライブ配信される予定です。

宇宙への第3便以降に関しては、まだ具体的なスケジュールは示されていません。ただ、リリースでは「Garactic 02」以降は毎月の宇宙飛行を開始すると述べており、これまでに宇宙飛行のチケットを購入している予約者たちが、順番に搭乗して宇宙空間へ向かうことになりそうです。

Virgin Galacticは、この商業宇宙飛行の開始に至るまでには、長い年月に加え、大きな失敗も重ねてきました。2013年には、最初のSpaceShipTwo(VSS Enterprise)の試験飛行を完了したものの、翌年にはそのVSS Enterpriseが墜落し、パイロットが死亡するといういたましい事故もありました。

この事故はVirgin Galacticのスケジュールを大きく遅らせることになり、飛行試験の再開は2016年にまでずれ込むことになってしまいました。しかし、その後も地道な開発を続けて、2018年には初めて宇宙空間に到達。

宇宙旅行の予約チケットの販売を開始しつつ、2021年にはようやく、ヴァージングループ総帥であるリチャード・ブランソン卿を乗せて、初めての満席での有人宇宙飛行を成功させました。

そして先月、5月25日に約2年ぶりとなる動力飛行試験を実施し、これをもって商業宇宙旅行前の試験飛行をすべて完了しています。


今後は、商業ミッションとして繰り返し飛行を行っていくことになります。これまでにかかった費用を考えると、それを回収するまでの道のりは険しいかもしれません。それでも顧客からのチケット収入は、事業を「軌道に乗せる」ための重要な収入源になるはずです。

ちなみに、商業宇宙飛行サービス開始の発表を受けて、Virgin Galacticの株価はこの日の時間外取引で28%も上昇しました。


《Munenori Taniguchi》
Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

ウェブライター

  • X

ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。