Twitterに投稿したツイートを、あとになって削除したことのある人はたくさんいるはずです。たとえばツイートに個人情報を含めてしまっていたり、あまり他人に見せたくない画像などを添付してしまっていたりetc...。
削除の理由は様々だと思いますが、もし、その削除したツイートがいつのまにか復元されていたりすれば、きっと困るはずです。しかしそんな現象が、先週末から複数報告されています。
昨年11月、インターネットセキュリティソフトウェアSmoothWallの元CTOおよび会長、リチャード・”ディック”・モレル氏は、Twitterに投稿してきた3.8万件のツイートをすべて削除しました。それ以来、今までのあいだには5件もツイートしていないとしています。
ところが5月17日の朝、Twitterを開いてみたところ、実に3.4万件分のツイートが復元されているのに気づいたと、Mastodon上で述べました。
モレル氏は、この報告に対して400人以上のTwitterユーザーから、自分も削除ツイートが復活してしまっていたとの返信を受け取り、彼の周囲だけで100万件以上の削除ツイートが復元されていたと述べています。
そして、復元されたツイートの多くは2022年11月以前に削除されたもので、モレル氏はおそらくTwitterが何らかの作業において「コールドストレージを復元した」のだと推測しています。
モレル氏はこのような、削除したツイートがいつの間にか復元され、防護策もなく、ユーザーに通知もされないようなことは「Twitterがあらゆるデータプライバシーにまったく配慮していないことを示すものだ。問題への防衛策を講じることもせず、世界規模でEU一般データ保護規則(GDPR)に違反している」と述べました。
The Vergeのライターであるジェームズ・ヴィンセント氏も、5月8日に過去のツイートををすべて削除したにもかかわらず、自分が過去にリツイートした投稿のいくつかが復元されていることに気づいたと報告しています。そして、ツイートを削除するのに使用したツールが原因の可能性があると述べています。
モレル氏は11月の削除の際に、ひとつひとつツイートを消すのは大変なので「Redact」と呼ばれるデジタルフットプリント削除ツールを使用してツイートを削除していました。一方のヴィンセント氏は「TweetDelete.net」を使用してツイートを削除したと述べています。
ヴィンセント氏は、職場の同僚らに過去に削除したツイートの状況をたずねてみたところ、削除ツイートが復元された様子はないという人もいれば、一部が復元されているのを発見したと答えた人もいたと述べており、ツイートが復元されるユーザーに規則性はない模様です。
以前にTwitterでサイトの信頼性およびコアインフラを担当するエンジニアだったという、オンラインネームmx alex tax1a氏は今回の現象について、データセンター間で大量のサーバーを入れ替え、ネットワークに再接続した際に、適切なデータ移行の手順を踏まなかったことが、古いデータが再び現れる現象につながったと考えており、一度削除されたメッセージがまたそこに戻ってくるというのは「(現在のTwitterスタッフが)がその作業をしなかった場合に予想される結果だ」と推測しています。
読者の方々も、もし過去に何らかの不都合が含まれるツイートを投稿してしまい、それが復元されると困ることがあるならば、一度過去のツイートを確認しておくほうが良いかもしれません。
Twitterは広報部門を解散しており、今回の問題に対するメディアからの問い合わせのメールにも、いつものように”💩”の絵文字を自動返信しています。