ASUSが現地時間4月1日に発表した携帯ゲーミングPC「ROG Ally」は、当初は日付けからエイプリルフールの冗談扱いされていましたが、本当に製品として発売する予定だと確認が取れました。
大手家電量販店Best Buyへのリンクや、「High on Life」や「Moving Out」といった実在するゲームを使っているのはイタズラとしては凝っていると話題でしたが、ASUSのゲーミングブランドROG Globalが「本物だよ!」と宣言しており、「あなたの持ってるゲームが全て遊べる」と大きく出ています。
公式動画によれば、ROG AllyはWindows 11を搭載し、AMD Ryzen APUのカスタムチップを内蔵。据え置きの状態では外付けGPUと繋げられるともうたっています。
ASUSは複数のインフルエンサーらに試作機を貸し出し、それぞれの観点でレビューさせています。まずYouTuberのDave2Dの動画では、先行しているSteam Deck対抗ハードウェアだと打ち出している模様です。
それによれば、ROG Allyは重さ608g /寸法280mmx113mmx39mm。Steam Deckが669g /298mmx117mmx50.5mmであることから、小型・軽量・薄型化を実現しているようです。
また画面のスペックは、解像度が1920×1080、輝度500ニト、リフレッシュレート120Hzの7インチでアスペクト比が16:9。これに対してSteam Deckは1280×800、輝度400ニト、60Hzの7インチ16:10。が、小さい画面では解像度が高ければ高いほどいいわけでもなく、また最大リフレッシュレートで全てのゲームが遊べるとも限らないため、判断は保留したほうがよさそうです。
そして内蔵チップはAMDのZen 4アーキテクチャを採用し、GPUは強力なRDNA 3を搭載しているそうです。Steam DeckのAPUはZen 2とRDNA 2をベースにしていることから、本当であれば2世代ほど先を行く最先端の仕様となります。
またLinus Tech Tips氏によるハンズオン動画では、ROG Allyを様々なアングルで映しつつ、ソフトウェアの柔軟なカスタマイズ性も紹介。ほか上部に指紋センサーがあり、複数のアカウントの切り替えに使えると述べています。
しかし解像度もリフレッシュレートも高く強力なプロセッサを搭載するともなれば、やはり気になるのがバッテリー持ちの長さでしょう。Steam DeckはLinuxベースのSteamOSを採用し、ゲーム以外の電力消費を抑えているはずですが、それでも2~3時間も持てばいいほうです。ましてWindows 11であれば疑問符が付きますが、いずれの動画でもバッテリーに関する詳細は不明としています。
とはいえ、Steam Deckは基本的にはSteamライブラリの一部しか遊べないのに対して、ROG AllyがWindows 11搭載であればXboxゲームパスやEpic Gamesストアなどのゲームが幅広く、制限なく動かせるはず。またASUSはAyaneoやGPDのようなゲーミングUMPCブランドよりも大手であり、取扱店もはるかに多くなりそうです。
今のところ価格や発売日は不明ですが、Best Buyのアラートに登録しておいて続報を待つといいかもしれません(日本から購入できるかどうか分かりませんが)。