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Mozilla、マストドンサーバを2023年前半に立ち上げると宣言。分散型SNSに注力

テクノロジー Other
新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。

特集

Mozilla、マストドンサーバを2023年前半に立ち上げると宣言。分散型SNSに注力
  • Mozilla、マストドンサーバを2023年前半に立ち上げると宣言。分散型SNSに注力
  • Mozilla、マストドンサーバを2023年前半に立ち上げると宣言。分散型SNSに注力

「2023年初頭に、Mozillaはパブリックにアクセス可能なソーシャルメディア連合(Fediverse)のインスタンス(サーバ)をMozilla.Socialにおいて立ち上げ、テストします」(In early 2023, Mozilla will stand up and test a publicly accessible instance in the Fediverse at Mozilla.Social.)

Webブラウザ「Firefox」の開発などで知られるMozillaは、12月20日付で公開したブログ「Mozilla to Explore Healthy Social Media Alternative」でこのように表明しました。

▲Mozillaの公式ブログ

イーロン・マスク氏によって買収されたTwitterが大きな混乱を見せ、多くのユーザーがTwitterの代替となるソーシャルメディアを探し始めている中で、Mozillaがその代替候補の推進に名乗りを上げた形です。

Mozillaは健全なソーシャルメディアを分散型で構築することを目指すと、意図を次のように説明しています。

Our intention is to contribute to the healthy and sustainable growth of a federated social space that doesn’t just operate but thrives on its own terms, independent of profit- and control-motivated tech firms.

私たちの意図は、利益や支配を目的とするテック企業から独立し、独自の条件で運営されるだけでなく繁栄する、連合型ソーシャルスペースの健全で持続可能な成長に貢献することです。

An open, decentralized, and global social service that puts the needs of people first is not only possible, but it’s absolutely necessary.

人々のニーズを第一に考えた、オープンで分散型(非中央集権型)のグローバルなソーシャルサービスは、可能であるばかりでなく、絶対に必要なのです。

具体的にはMastodon(マストドン)を始めとする小規模なソーシャルメディアの連合によるパブリックなソーシャルメディア空間の実現を目指しているようです。MozillaとしてはこれをFederationとUniverseを組み合わせた「Fediverse」という、非中央集権型SNSで一般的に使われている用語で表現しています(本記事ではこれを意訳して「ソーシャルメディア連合」としています)。

Today we see the rising tide of the Fediverse, through Mastodon, Matrix, Pixelfed, and many others as a promising next step in that direction.

今日、私たちはMastodon、Matrix、Pixelfedなどによるソーシャルメディア連合の台頭を、有望な次の段階だと見ています。

Mozillaの説明によると、最初はMastodonのインスタンスを立ち上げ、その後さらにそれを発展させていくように読み取れます。

While we’re starting this exploration on Mastodon — as a mature, stable project, it’s an ideal first step into the Fediverse — we believe the potential of the Fediverse is bigger and broader than Mastodon alone.

Mastodonは成熟し安定したプロジェクトであり、ソーシャルメディア連合の第一歩として理想的なものですが、ソーシャルメディア連合の可能性はMastodonだけにとどまりません。

ソーシャルメディアの実現の難しさは、技術面よりもボットの存在やヘイトスピーチの規制といった運用面により多くあるといえます。そしておそらくその困難さを短期間で乗り越えるのは難しく、長期的な取り組みが必要になるはずです。

Mozillaがそうした取り組みにどこまで本気なのか、つまり分散型ソーシャルメディアのトレンドを支援する意味でテスト用のインスタンスを立ち上げる程度なのか、あるいは分散型ソーシャルメディア発展のためのリーダーシップを発揮し、具体的に何らかの連合や連係を作り出そうとしているのかは、まだこの発表からは読み取れません。

Mozillaが理想的なソーシャルメディアの実現を訴える中で、本当に「Fediverse」が発展し実現していくのか、ある程度の期待を持ちつつ見つめていきたいと思います。


この記事は新野淳一氏が運営するメディア「Publickey」が2022年12月22日に掲載した『Mozilla、分散型ソーシャルネットワークのテストインスタンスを2023年前半に立ち上げると宣言』を、テクノエッジ編集部にて編集し、転載したものです。


《新野淳一》

新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。

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