マーク・ザッカーバーグ氏が、Metaの新SNS「Threads」でActivityPub対応のテストを開始すると明らかにしました。
まずはMastodonなどActivityPubを利用する他のサービスで、Threadsの投稿が利用可能になるとのことです。
数年前に大きな盛り上がりを見せた、Mastdonなどの分散型SNS。その後は下火になっていた感がありますが、イーロン・マスク氏がTwitter(現X)を買収して以降、Twitterの代替えサービスとして再び注目が集まっています。
様々なサーバーやサービスが相互に通信するための共通の仕組みとして、W3Cが標準化したオープン標準プロトコルがActivityPubです。なお、こうして相互運用されるサーバー、サービス群のことは、Fediverse(フェディバース)とも言われます。「federation(連合)」と「universe(世界)」の混成語です。
ThreadsのActivityPub対応は、7月のリリース当初から言われていたことですが、ようやく本格的なテストが開始されました。
いまのところ、Mastodonなど他のActivityPub対応クライアントからThreadsをフォローできる一方通行ですが、InstagramとThreadsの責任者であるアダム・モセリ氏によると、Threadsから他のサービスのアカウントをフォローする機能も提供予定とのこと。
ザッカーバーグ氏は「Threadsを相互運用可能にすることで、 どうお互いにやりとりするかの選択肢が増え、コンテンツがより多くの人々に届くようになります」とコメント。このことをかなり楽観視していると述べています。
Threadsのこうした動きに対して、Mastodon創設者のオイゲン・ロシュコ氏は、Threadsリリース直後に「大規模なプラットフォームが ActivityPub を採用しているという事実は、分散型ソーシャル メディアへの動きを証明するだけでなく、これらのプラットフォームに閉じ込められている人々がより良いプロバイダーに切り替えるための前進でもあります」とブログに書き、歓迎する立場を示しています。
ただし、Threadsとの通信を許可するかどうかは、使用しているMastdonサーバー(インスタンス)の運営者によって決定されるともしています。
日本ではほとんど問題になっていませんが、海外では大手企業のX離れが加速しているとも報じられています。ThreadsのFediverse参入により、今後こちらが主流になっていくのか。あるいは大手参入を嫌ったインスタンスが、Threadsを遮断するのか。Xの動きと合わせて注目していきたいところです。