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遭難してないけどiPhone 14の衛星緊急通報を試してきた。安全な砂漠の真ん中で (西田宗千佳)

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西田宗千佳

西田宗千佳

フリーライター/ジャーナリスト

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

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遭難してないけどiPhone 14の衛星緊急通報を試してきた。安全な砂漠の真ん中で (西田宗千佳)
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iPhone 14シリーズには、衛星と通信をして緊急通報をする機能が搭載されている。この機能は現状、アメリカとカナダでのみ使える。

11月から使用可能になっているのだが、現在米ラスベガスに出張中なので、デモ機能で実際にどんな感じなのか試してみた。

▲砂漠の真ん中ラスベガスで、遭難していないけど「緊急通報」をデモ機能で体験


※この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年12月5日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。コンテンツを追加したnote版『小寺・西田のコラムビュッフェ』(月額980円・税込)もあります。



携帯の電波が届かない場所で「衛星緊急通報」

アメリカに到着し、携帯電話の電波がつかめないタイミングにiPhone 14 Pro Maxを見ると、見慣れない「衛星」アイコンがでてきた。

▲携帯の電波がつかめないところだと、衛星アイコンが出てくる

実はこのアイコンが「衛星経由の緊急SOS」機能の印だ。

この機能、さすがに実際に使うわけにはいかないので、「デモ」で体験できる機能がちゃんと用意されている。今回はこれでテストしている。

▲デモがちゃんと用意されているので、不必要に緊急通報はする必要はない。

ラスベガスの真ん中でデモ機能を体験

前述のように、テストはアメリカ・ラスベガスで行った。きらびやかな街のど真ん中だが、まあ周囲は砂漠なので、「砂漠の真ん中」にいることに変わりはない。

というわけで、「砂漠の真ん中に置き去りにされた」ていでデモ機能を使ってテストしてみることにしよう。

前述のように、iPhoneの「緊急SOS」メニューの中にはデモ機能が用意されている。事前に一度は「どんな風に使うのか試しておいてくださいね」ということだろう。

デモを開始すると、携帯電話網への接続はオフになる。「衛星経由の緊急SOS」はあくまで携帯電話網につながらない時に使うもの、という想定で、接続されていると機能自体が使えないからだ。

▲デモ体験時には、携帯電話網への接続はオフになる

さて、デモを体験するときには、上空が開けている場所に行く必要がある。衛星の電波をつかむにはその方が良い。空に雲がかかっているだけでも接続が阻害されるようだ。だから、空が見えない森の中などでは厳しいかもしれない。

▲空が開けていて、雲などもない場所での利用が推奨されている。

そこからしばらく空にiPhoneを向けていると、衛星との接続が始まる。これには最低数十秒の時間がかかる。

▲衛星につながるまでには時間がかかる

▲実際につながるとこのような表示に

ただ、ここで使う低軌道衛星は、空を移動していく速度がかなり速い。接続しても同じ方向に向けたままだと衛星が移動してしまい、「接続不安定」の表示が出る。これも本当に数十秒で状況が変化する。

▲衛星がどんどん移動するのでiPhoneとの接続も不安定に

通信でメッセージを送ることになるが、この際にも、メッセージ送信自体に数十秒の時間が必要になる。すなわち、「送信中も衛星を追いかけるようにiPhoneを動かす」必要があるわけだ。意外なほどせわしない。携帯電話網でメッセージを送るように、数秒以内に送り終わることは「ない」と思った方がいい。かなり時間がかかる。

▲メッセージ送信には数十秒以上の時間が必要。その間も衛星にiPhoneを向け続ける

よくみると表示には「衛星の位置」を示すドットがあるので、それを見ながら衛星の方向へとiPhoneを向け続ける必要はある、と考えておこう。

▲表示の中の「ドット」が衛星の位置を示しており、ちゃんと接続されている最中は「-●-」に近い表示になる

送れるのはほぼテキストメッセージだけ。しかも、緊急通報専用の機能になっているので、衛星携帯電話の代わりにはならない。

▲送信できるのはテキストメッセージのみ

デモを終了すると、携帯電話網への接続も回復する。

▲デモを終わると携帯電話網への接続も回復

衛星緊急通報は制度化されるか

iPhone 14での機能はあくまで「緊急通報」なので、楽天モバイルが開発中の「衛星をスマホの基地局にする」ものとは位置付けが異なる。こうしたサービスは衛星側でかなりの準備も必要で、「今日の段階で安定的に使えるのは緊急通報くらい」ということなのだろう。いい経験にはなるので、アメリカに旅行する機会がある方は、「デモ」を試しておくことをおすすめする。「衛星を追いかけ続ける」のは、緊急時だと慌ててしまって戸惑うこともあるかもしれない。

もちろん、「デモ」だけで終わることが望ましい機能ではある。

この技術の背後には、衛星緊急通報を受け取るサービス(当局との連携を含む)が存在する。今は共通規格などがあるわけではなく、アップルが独自にシステムを作り、iPhoneの差別化要因としている……という実情がある。

日本では使えないわけだが、それは衛星が日本をカバーしていない、という話ではない。実際、iPhoneが使うものも上空を飛んでいるし、日本で販売されたiPhoneでも動いているのはご覧の通りだ。日本の緊急通報の仕組みとの連携が存在しないから、という部分が大きい。

同様の機能は多数の企業が導入を検討しており、制度化・共通規格化される可能性はあると思っている。日本での対応も、その過程で検討されていくことだろう。

アメリカやカナダが先行しているのは、国土が広く必要性・有効性がより高いからなのだ。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《西田宗千佳》

西田宗千佳

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

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