iPhone 15 Pro(仮)はサイドボタンも廃止?防水強化、無印との差別化も

テクノロジー Science
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Image:Apple

今年2022年のiPhone 14 Proは画面上部のノッチ(切り欠き)がパンチホール2つに替わり、邪魔なはずのホール周辺をインタラクティブに変化するUI「Dynamic Island」に巧みに取り込みユーザーを驚かせました。

続く来年、2023年に発売が見込まれる iPhone 15 Pro (仮)は本体側面にあるサイドボタンと音量ボタンを廃止し、感圧式のソリッドステートボタンに置き換える可能性を著名アナリストが予測しています。

発信源はアップルのサプライチェーン情報を隅々まで知るアナリストMing-Chi Kuo氏。長年にわたり「投資家向けメモ」がリークされる形で間接的に情報発信してきましたが、最近は自ら積極的にツイートするようになりました(アカウントは10年以上前からあったようですが)。

さてKuo氏の最新調査によれば、2023年後半に発売されるハイエンドiPhone 15(「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」)では音量と電源ボタンが物理/メカニカル式からソリッドステートボタンに置き換える可能性があるとのこと。

ちょうどiPhone 7や8、第2&第3世代iPhone SEのホームボタンのようになると例えています。

このソリッドステート方式とは、触覚フィードバックにより押し下げ感覚を擬似的に演出する技術のこと。上記のiPhoneのほかMacBookのトラックパッドに採用されており、要は「指からの圧力を感知すると、指にバイブレーターで振動を返して押した実感を与える」ということで、アップルは感圧式とも呼んでいます。

機械的に動く部分が少なくなれば故障も減りやすくなるほか、外への開口部も完全に塞げて耐水性能も上がり、Proモデルが頑丈になる可能性も予想されます。

特に「Proモデルでの採用」を強調するのは、つまり「iPhone 15」や「iPhone Plus」のサイドボタンは物理式に留まるということ。

前にKuo氏はアップルが新型iPhoneのASPS(平均販売価格)を押し上げるため、iPhone 15世代では標準モデルとProとの格差を広げると述べていましたが、まさにその戦略に沿うことになりそうです。

感圧式ボタンの採用は振動子、アップルの用語では「Taptic Engine」の追加を伴うことになります。音量と電源ボタンを置き換えるとなれば、Taptic Engineを2つ増やしてやる必要があるわけです。

数年前、Apple Watchもサイドボタンを感圧式にすると噂されていました。そちらは防水性能アップのほか内部スペースの削減が狙いとされていましたが、iPhone 15 Proで2つも追加となれば逆に場所を取りそうな感もあります。もっとも、iPhoneはApple Watchより筐体が大きく、メカニカルな機構を置き換えるのであれば問題もないのかもしれません。

ほかiPhone 15 Proモデルでは、USB-C採用が確実視されています。本来EUの「スマホにUSB-C採用義務」法に従うためやむなく……のはずですが、それをLightningに留まる標準モデルとの差別化としてProモデルの販促に利用するとすれば、アップルの方が一枚上手かもしれません。

iPhone 2023特集
《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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