Meta Quest Proのこと、担当バイスプレジデントにもうちょっと詳しく聞いてみた(西田宗千佳)

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西田宗千佳

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フリーライター/ジャーナリスト

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

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Meta Quest Proのこと、担当バイスプレジデントにもうちょっと詳しく聞いてみた(西田宗千佳)
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MetaがハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表した。

詳細はすでに記事が掲載されているが、同社VP of VR at Reality LabsであるMark Rabkin氏にいくつか新情報を聞くことができたので、ここではその内容を中心にMeta Quest Proの製品について、もう少し詳しくわかってきたことをお伝えしていきたい。

関連記事:Meta Quest Proは22万6800円から。薄型・高性能化、視線・表情トラッキング対応の高級VRヘッドセット

「ビジネスワーク」を視野にハードを構成、文字などはより読みやすく

まず気になるのはQuest Proの価格だ。VRゲーム機的な売り方をしているMeta Quest 2に比べると、22万円台というのはかなり高い。

この点についてRabkin氏は「特にビジネス環境において素晴らしいものでなければならない、という観点で考えた技術からスタートしたため」と話す。

Quest Proはエンターテインメントも意識しているが、それ以上にビジネスやクリエイティビティ・ワークをターゲットとしている。

ビデオシースルーによるMixed Reality(MR)が注目されており、「例えば、机の上にある水筒を普通に持てることも重要」とRabkin氏は言うが、それもMRを実現することが目的なのではなく、快適な作業環境を実現するためである。

例えば、ディスプレイパネルのスペックとしては、Quest ProとQuest 2ともに「片目あたり1832×1920ドット」と変わらない。

だがRabkin氏は「光学デバイスの設計自体が、テキストの読みやすさを重視して設計されているので、ブラウジングやコンテンツのプレゼンテーションに最適」と話す。

ヘッドセットの装着感も大きく変わった。「上部のパッドが装着された形状で、顔の下側には本体が触れない。そのため、化粧を崩したくない人にもおすすめだし、HMDを外したとき、顔に見苦しい跡が残ることもない」(Rabkin氏)と言う。これは、利用時間や利用シーンが家でゲームやフィットネスをする時とは違う、という点を想定してのことだろう。

コントローラーを作り替えたことにも似た点がある。新しい「Meta Quest Touch Proコントローラー」は、左右のコンローラーそれぞれに3つのカメラを搭載し、コントローラー自体が独自に位置を認識する。その制御には、2021年ならミドルクラスのスマートフォンに使われていたQualcommのSnapdragon 662が1つずつ搭載され、使われている。コントローラーだけで3万7180円とかなり高い。

これだけ高価で高機能なコントローラーを作った理由を問うと、Rabkin氏は「特にビジネスシーンでは、以前のコントローラーがゲーム的で大きく、あまり使いやすくない、というフィードバックがあったため」と返した。

これはゲームのことを否定しているわけではない。実はカメラを内蔵したコントローラーにした理由がまさに「ゲーム」からきたものだからだ。

「背中に手を持っていきたい、そんな要望が非常に多い。例えば、弓をつがえたり背中から剣を取り出したりという動きなら、背中まで手を持っていく必要がある。新コントローラーなら問題ない」(Rabkin氏)。結果として、MetaはQuest 2とQuest Proという2つのプラットフォームを維持していくことになるわけだが、もちろん「Quest 2のための技術革新は継続する」(Rabkin氏)と言う。

「高い価格帯からハイエンドの技術をもたらし、次の消費者のラインのために、それぞれの進化を統合しようと考えている」とのことなので、いつの製品かはともかく、先々Quest Proで磨いたものとQuest 2(やその後継)の路線は交わり、1つの流れになっていくのかもしれない。

プロセッサー大幅改善、だがバッテリー動作時間は「ビジネスワーク向け」で1、2時間

Quest ProはQuest 2のソフトウェアと完全な互換性を持っている。そのため、一切の変更をせずとも、Quest 2のソフトが動く。光学系が良くなっているので画質向上にも期待ができる。しかも、採用したプロセッサーである「Snapdragon XR2+ Gen 1」は、「Quest 2のプロセッサーに比べてCPU・GPU性能が上がっているし、50%高い電力を使って動かせる」(Rabkin氏)ため、そのままでも快適になると期待できる。

もちろん「開発者がレンダリングプロファイルを更新し、設定を更新し、Quest Proに最適化すると、見え方や感じ方がさらに少し違ってくるだろう」(Rabkin氏)と言う。

一方、パワフルなハードウェアになり、高い電力を使えるようになった関係からか、Quest Proのバッテリー動作時間は「1から2時間」となっている。これには短過ぎるのではないか? というツッコミが出た。

それに対してRabkin氏はこの点について、「バッテリー動作時間の改善についてはチームに働きかけていく」としている。

ただ一方で「現状のビジネスでの利用では、1度に1時間から2時間、深くVRに関わる形である、ということがわかっている」(Rabkin氏)とも述べた。

ハードウェアの限界を示すものでもあるが、「ビジネスでの使い方に沿ったもの」、要は、机に座って会議や共同作業をするような使い方だと、連続で使う時間は2時間以内ではないか……そんな考え方なのだ。

加えて「8時間連続で使う人はまだごく少数だと認識している」とRabkin氏は言う。VRChatなどにずっとログインしている人などにはちょっと向きそうにない。


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《西田宗千佳》
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