ジョー・バイデン米大統領とNASAは7月11日午後5時(日本時間7月12日午前5時)からホワイトハウスで会見を開催し、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)が撮影した初の深宇宙の画像を公開しました。
この無数の銀河が集まっている画像はSMACS 0723と呼ばれる銀河団を映し出したもの。この数々の銀河の結合された質量が重力レンズとして機能し、背後にあるさらに遠い銀河を拡大して見せる効果を伴っているとのことです。ちなみに下はやや角度が異なるものの、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたSMACS 0723のようすです。
宇宙のごく初期の姿の観測を目的として開発されたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は、ビッグバンからまだ数億年に誕生し、宇宙の膨張とともに著しく遠ざかって赤方偏移していると目される”1番星”の姿をとらえるべく、赤外線域での観測に特化して開発されました。JWSTの主鏡は直径が約6.5mの金メッキされたベリリウム素材で構成され、効率良く赤外線をとらえるように作られているとのこと。
JWSTの開発は25年もの長期に及び、その間、何度も中止の危機にさらされました。しかし、2021年のクリスマスにやっと打上げることができ、その後はほぼ計画どおりに観測場所である太陽ー地球のラグランジュ点(L2)付近に到達。数か月にわたる観測機器類の調整作業が進められてきました。
JWSTはこれから、遠い遠い宇宙を眺め、その画像を取得し、これまでに知ることができなかった星の形成や銀河の姿、太陽系外惑星などの研究に貴重なデータの提供を開始します。この1枚は、そのほんの手始めです。
ちなみに、NASAはこのあと日本時間深夜にも追加でJWSTが取得した複数の画像を公開する予定です。
Source:NASA
via:NASA(YouTube)
Coverage:Big Think