スペイン警察が、モロッコからジブラルタル海峡を越えて大量の麻薬を運び込んで来る水中ドローン(Unmanned Underwater Vehicles:UUV)3機を押収しました。
BBCによると、バルセロナ、マラガ、カディス南部で行われた捜査で警察がこの水中ドローンを発見、また密輸に関わっていたとみられる8人を逮捕し、さらにこのドローンを製造していた犯罪グループを解散させたとのことです。
この水中ドローンは2機がまだ未完成で、1機だけが動作可能な状態だったとされます。しかし1機あたりには約200kgの麻薬を積み込めるようになっていました。
警察は、この水中ドローン3機が完成すればフランスの麻薬組織に引き渡され、コカインなどの密輸に利用されるところだったとしています。また今回解散させたグループの顧客には、フランスだけでなくイタリア、スペイン、デンマークの犯罪組織もいたとのこと。
スペインは大麻(ハシシ)の産地であるモロッコに近く、またコカインの生産が盛んな、かつて植民地だった中南米の国々とも関係が深いため、欧州に流れる麻薬の通り道になっていると指摘されています。BBCが報じたところでは、2021年4月には大麻を大量に積んだスピードボートでジブラルタル海峡を突っ切って麻薬を密輸した犯罪組織関係者およそ100人が検挙されたほか、マラガの倉庫からは全長9mもの手作りの潜水艇が見つかり、押収されています。
スペイン警察がTwitterで公開した映像には水中ドローンだけでなく、12ローターの大型空中ドローンの姿も複数映り込んでいます。ドローン技術の進歩は空撮や水中撮影を容易にし、配送業務や人命救助などにも新しい道を示しています。しかしテクノロジーは扱う人しだいで、今回のように犯罪にも新しい道を開くことになってしまうのが、なんとも歯痒いところです。
Source:BBC
via:Interesting Engineering