AI時代でスマホ離れ?ASUSがPCに注力したCOMPUTEX 2026ブース (山根康宏)

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山根康宏

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香港在住携帯研究家

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2026年6月2日から5日まで台湾・台北で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2026は、右も左もAIだらけという内容でした。PCメーカーのブースでも生成AIやアシスタントAIのデモが大々的に行われていたのです。その一方で展示があまり目立たない製品もありました。スマートフォンです。特に毎年スマートフォンを出展していたASUSのブースには製品展示がありませんでした。

ASUSブースは華やかなPC新製品が並んだだけではなく、COMPUTEXで発表した新たなAIアシスタント「ASUS Zenni Claw」を大々的にアピールしていました。「ASUS Zenni Claw」は、ユーザーの操作や文脈を理解し、アプリ横断でタスクを自動実行できる統合型AIアシスタントが特徴です。一方で、カメラ性能を高めたスマートフォン「Zenfone」シリーズの展示は見当たりません。

一方ゲーミングブランドROGは、その20周年を祝い、限定モデルを数多く発表しました。こちらにもゲーミングスマートフォン「ROG Phone」の姿はありませんでした。かろうじてROG 40周年の歴史を振り返る展示エリアに、2018年に登場した初代ROG Phoneの展示があった程度。そのほかブース内を見渡しても、ASUSのスマートフォンはスタッフが持っているくらいで展示は無かったのです。

ASUSのホームページを見るとZenfoneもROG Phoneもまだ現行機種として販売されています。とはいえ最新機種の「Zenfone 12 Ultra」は2025年2月発売、「ROG Phone 9」のほうは2024年11月と、どちらも1年以上、最新モデルが出てきていません。

ASUSからは非公式ながらスマートフォンの開発を中止したとの話がでてきており、残念ながらこれらの後継機はもう出てこないのでしょう。おそらくモバイル端末としてこれから力を入れていくのはモバイルゲーミングPCの「Ally」シリーズになるのでしょうね。COMPUTEXではROG 20周年特別版の「ROG XBOX Ally X20」が展示されていました。


ならば、せめて台湾滞在中にASUSのスマートフォンを見ておこうと、台北市内のITビル「Syntrend」のASUSストアへ行ってみたのですが、なんとここでもスマートフォンの展示コーナーは無くなっていました。以前なら、前モデルも含めてテーブル1つがスマートフォン展示場だったのですが、跡形もなく消え去っていたのです。

なおASUSのスマートフォンファンの人が、台湾でまだ製品を見ることのできる場所があります。それは中古のスマートフォンショップ。全国チェーンの「Smart Mobile」がお勧めですが、そこではZenfoneやROG Phoneが販売されています。ASUSの地元だけに販売されている数も種類も多く、数年前のモデルや、さらに古い「ZenFone」時代の製品も見かけることがあります。

ASUSのスマートフォンはここ数年、グローバル市場では苦戦続きだったのは事実でしょう。Zenfoneシリーズは高性能かつジンバル搭載カメラで差別化を図るものの、中国メーカーのカメラフォンのラインナップの前にはライバルになりえませんでした。

一方のROG Phoneはゲーミングスマートフォンとして市場を切り開いてきた存在だったものの、ASUSのスマートフォン事業の伸び悩みを受けてこちらも開発が止められたと思われます。

実はモバイルゲーミング機市場はREDMAGICが半年おきに製品を出したり、中国メーカーがハイエンド、ミドルハイエンドモデルを次々に出すなど、ニッチではなく1つのカテゴリの製品として一定の支持を得ています。とはいえブランド全体で大量に製品を展開する中国メーカーと比べると、ROG Phoneは価格面で不利であり、競争相手にならなかったのでしょう。


AIブームでメモリーなどの高騰が続く中、PC市場でも激戦が続く状態となればASUSがPCに特化していくのも理解できるところです。おそらく将来、ASUSからスマートフォンが再び出てくる可能性は限りなくゼロに近いかもしれません。そのため前述のROG AllyがASUSのモバイルデバイスとして発展し、将来的にはゲーミングだけではなく、AIデバイスとして展開される派生モデルが出てくることも期待したいもの。たとえば「Ally mini」という、8インチ横長でスマートフォンっぽい製品が出てきてくれないかな、などと淡い期待をしてしまいます。



《山根康宏》

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