アップルは強力な機能を備えた新しいAIアシスタント「Siri AI」を発表しました。Google Geminiをベースとする、新Apple Intelligenceによって動作するSiri AIには、新たに製品間で会話の履歴を確認できる専用アプリや、拡張されたビジュアルインテリジェンスの体験、作文のための統合ツールが含まれています。
Siri AIは、テキストだけでなく音声や画像の理解・生成といったマルチモーダルな用途において、高度な推論能力と理解力を備えています。ただし、それらの機能を使うには、わりと最近のアップルデバイスが必要になります。
具体的には、iPhone 15 Pro / Pro MaxとiPhone 16以降、iPad mini (A17 Pro)、M1以降のiPad、M1以降のMac、MacBook Neo(A18 Pro)、Apple Watch Series 9以降、Apple Watch Ultra 2以降、Apple Watch SE 3、Apple Vision Proが対応製品です。
そして、WWDC26の基調講演では、Siri AIの特徴的な機能のひとつとして、ユーザーの好みに応じてSiri AIの音声をカスタマイズできることが発表されました。
Siri AIの音声をカスタマイズするには、ドロップダウンメニューからAI音声が話す際のアクセントを選び、またスライダー操作で話し方や表現の特徴を調整します。
ただ、その機能を使用するためのハードルはSiri AIのそれよりもさらに高いことが、アップルのリリースには記されています。その記述によると、Siri AIの音声カスタマイズ機能はPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Max、iPhone Air、M4以降のプロセッサ搭載で合計メモリ容量が12GB以上のiPad、M3以降のプロセッサを搭載し合計メモリ容量が12GB以上のMac、あるいはM5チップ搭載のApple Vision Proでのみ利用可能とのことです。
アップルがWWDC26で発表したiOS 27は、サポート切れが予想されたiPhone 11でも動作することが明らかになっており、一部のユーザーは「もう1年使える」と、胸をなで下ろしたかもしれません。しかし、たとえ手持ちのデバイスがiOS 27、iPadOS 27、macOS 27 Golden Gate、visionOS 27に対応していても、残念ながら多くのデバイスではSiri AIやその音声カスタマイズ機能は利用できません。
なお、Siri AIは機能そのものが今秋の新OSのリリース当初は提供されません。リリース文によると、この機能は「年内に、対応するデバイスの言語を英語に設定しているユーザー向けにベータ版として提供される予定」とのことです。

ちなみに、音声カスタマイズとは別の話ですが、現在のところ、EUのiPhoneとiPadユーザーに対してはSiri AI自体の提供予定がないとアップルは述べています。
その理由は、EU圏内ではデジタル市場法(DMA)により「ユーザーのデバイスに対するほぼ無制限のアクセスをあらゆるAIシステムに提供し、またユーザーによる継続的な視認やコントロールなしで、あらゆるAIシステムがそのアクセスにもとづいて自律的に行動できるようにすること」が求められているから。この要求は、ユーザーのプライバシーを保護するために独自に設計されたアップルのAI関連の仕組みを許容していません。
アップルはEU域内のデバイス向けに、ほかのバーチャルアシスタントがSiri AIと同じ機能や性能に安全にアクセスできるようにするTrusted System Agentという解決策を設計し、18か月の期間をかけて、このソリューションを段階的に展開しながらEU域内でSiri AIの提供を開始する計画を欧州委員会に共有しました。しかし、EUの規制当局はこれを拒否したとアップルは述べています。
そして「当局はプライバシーとセキュリティを保護する解決策のための建設的な協議に応じない姿勢を示しているため」、ユーザーのプライバシー保護のために「初期の提供状況では、Siri AIはEU内のiOS 27とiPadOS 27では利用できません」と説明しています。
なお「Mac、Apple Watch、Apple Vision Pro」では「対応する言語に設定されている場合」はEUでもSiri AIが利用可能になります。これらの機器は、件の法律の対象に含まれていないためです。ただし、Apple WatchでSiri AIを使うには、Siri AIが有効なiPhoneとのペアリングが必要になります。したがって、watchOS 27搭載のApple Watchも、実質的にはEU圏内でSiri AIを使うのは難しそうです。
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