Claudeの利用制限が大幅緩和、AnthropicがSpaceXとデータセンターで提携 22万基超のNVIDIA GPUを全量借り受け

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■AnthropicがSpaceXと提携、Claude CodeとAPIの制限を即日引き上げ

AIモデルClaudeの企業Anthropicは、イーロン・マスク率いるSpaceXとのコンピュート提携を締結するとともに、Claude CodeおよびClaude APIの利用制限を本日付けで引き上げると発表しました。

SpaceXのColossus 1データセンターが持つ300MW超(NVIDIA GPU 22万基以上)の計算資源を活用するもので、ProおよびMaxプランのユーザーには「5時間レートリミットを2倍に拡大」「ピーク時間帯制限撤廃」の恩恵があります。

■「使いたいときに使えない」問題に対応

Claude Codeは開発者向けのAIコーディング支援ツールですが、これまでピーク時間帯には利用制限が設けられており、ヘビーユーザーからは不満の声も上がっていました。今回の発表は、そうした「使いたいときに使えない」課題に正面から応えるものです。

マルチAIインフラ戦略を採るAnthropicは、SpaceXとの提携に加えAmazon・Google・Microsoft・Fluidstackとの大型契約も進行中。Claude Codeの人気急上昇を受けて、計算資源の確保を急ピッチで進めています。

AIサービスの競争が激化するなか、インフラ面での体力が各社の差別化要因になりつつある状況、また各社のIPOに向けた投資家向けストーリーのアピールを象徴する動きです。

■Claude CodeとOpus APIのレート制限緩和

▲Claude Codeのレート制限を倍増・ピーク時間帯制限を撤廃

・Pro・Max・Team・シートベースのEnterpriseプランを対象に、Claude Codeの5時間レート制限を2倍に引き上げ

・ProおよびMaxアカウントのClaude Codeにおけるピーク時間帯の制限を撤廃

▲Claude Opus向けAPIレート制限の大幅引き上げ

・Claude Opusモデルを対象としたAPIレート制限を大幅に引き上げ。

■SpaceXとのコンピュート提携の詳細

・SpaceXのColossus 1データセンターの全計算容量を利用する契約を締結

・300MW超・NVIDIA GPU 22万基以上へのアクセスを1か月以内に確保予定

・将来的には複数ギガワット規模の軌道上AIコンピュート容量の共同開発にも関心を表明

イーロン・マスク率いるSpaceXは、2026年にxAIを買収済み。旧TwitterのXはxAI傘下になっていたため、現在は旧TwitterもStarlinkや宇宙船のSpaceXの1サービスということになります。

今回Anthropicが計算リソースの全量を借り上げたColossus 1は、SpaceX / xAI が米国メンフィスに建設したデータセンター。xAIのGrokやSpaceX自体のAI演算は周辺に建造中の新たなデータセンター Colossus 2に移行済みで、Colossus 2は最終的にColossus 1を大きく上回る規模になる見込みです。

イーロン・マスクとSpaceXにとっては、Colossus 1を貸し出して得られる収益自体に加えて、今後の株式公開に向けてデータセンタービジネスに大型の顧客を迎えて需要をアピールすること、発表内で衛星軌道上データセンターについても言及させ今後のビジネスへの期待値を上げる効果があります。

イーロン・マスクは、2026年2月にAnthropicが発表した資金調達ニュースに対しては「(Claudeは)白人とアジア人、異性愛者、男性を憎悪している」「人類を憎悪(misanthropic)しており邪悪だ、修正せよ」と攻撃するできごとがありました。

しかし今回の発表にあわせて、最近Anthropicのシニアメンバーと話して感銘を受けた、みなとても有能で、正しいことをする強い意志を持っていた、「邪悪検知器」は鳴らなかった、と態度を一変しています。

▲他の大型コンピュート契約

・Amazonとの最大5GW契約(2026年末までに約1GWの新規容量を含む)

・GoogleおよびBroadcomとの5GW契約(2027年より順次稼働予定)

・MicrosoftおよびNVIDIAとの戦略的提携(Azureの300億ドル相当の容量を含む)

・Fluidstackとの500億ドル規模の米国AIインフラ投資

GoogleやMetaのようにチップ・データセンター・AIモデルまで自社で完結する体制と異なり、Anthropic は計算資源を他社の様々なインフラの組み合わせで調達する戦略を続けてきました。

この戦略には自社で大規模データセンターを建設するリスクがなく、また一社に依存するリスクを分散できる利点がある一方で、Claude Codeの人気急上昇に対応できず細かなリミットを設けてユーザーの不評を買うといったデメリットもあります。

Anthropicとしては、SpaceX のColossus 1を確保し、さらに複数社との契約を進めることでコンピュートリソースの不安を払拭したい狙いです。

▲国際展開とコミュニティへの配慮

今回の発表ではさらに、

・金融・医療・政府など規制産業の企業顧客向けに、アジアおよびヨーロッパでの推論インフラを拡充

・データセンターが引き起こす電力料金上昇を補填するコミットメントを米国で実施済みで、国際展開先にも同様の取り組みを検討中

・民主主義国家かつ安定したサプライチェーンを持つ地域を優先してインフラを整備

といった取り組みについて述べています。

■金融セクターや「非コード」向けClaude Code拡大も発表

今回の利用制限緩和はすでに本日より有効です。SpaceXのColossus 1データセンターへのアクセスは1か月以内に確保される予定で、GoogleおよびBroadcomとの5GW契約は2027年から順次稼働する見込み。

Anthropic は本日の発表とあわせて、金融セクター顧客に向けて、Blackstone・Hellman & Friedman・Goldman Sachsとの新たなエンタープライズAIサービス会社の設立、金融サービス・保険向けのCoworkおよびClaude Code新プラグイン10本のリリース、Microsoft 365スイートとの統合なども合わせて発表しています。

好調のClaude Code とClaudeのAIモデルがコーディングだけでなく、金融や保険などの産業にも有効であることを示し、OpenAIやAlphabet (Google)との競争を優位に進める狙いがあります。

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