Google DeepMindは、新世代の自律型リサーチエージェント「Deep Research」および「Deep Research Max」の公開プレビューをGemini APIの有料ティア向けに開始しました。
最新のGemini 3.1 Proをベースに構築されており、金融・ライフサイエンス・市場調査などの企業向けワークフローへの活用を想定しています。昨年12月にInteractions API経由で開発者向けに提供されたプレビュー版を刷新する形での正式展開となります。
■ 単なるウェブ検索ツールから企業向け自律エージェントへ
昨年末に登場したGemini Deep Researchのプレビュー版は、ウェブ上の情報を収集・要約する機能が中心でした。今回の刷新では、Gemini 3.1 Proの統合によって「高度な要約エンジン」から「企業ワークフローの基盤」へと位置づけが変わったとGoogle DeepMindは説明しています。
特に注目されるのが、独自データや外部専門データとの連携を可能にするMCP(Model Context Protocol)サポートの追加です。これにより、ウェブ検索だけでなく、金融データや市場データなど、企業が日常的に利用するプロプライエタリなデータソースへもエージェントがアクセスできるようになります。
「ウェブを検索するツール」から「あらゆる専門データリポジトリを自律的に横断できるエージェント」へと進化しました。
■ 速度重視の標準版、精度・品質重視のMax
▲ Deep Research(標準版)
・昨年12月のプレビュー版を置き換える新エージェント
・レイテンシの大幅な低減とコスト削減を実現しつつ、品質も向上
・インタラクティブなユーザー向けサービスへの組み込みに適した設計
▲ Deep Research Max
・拡張されたテスト時コンピュートを活用し、反復的な推論・検索・レポート精緻化を実行
・夜間のcronジョブによるデューデリジェンスレポートの自動生成など、非同期・バックグラウンドワークフロー向け
・業界標準ベンチマークにおいて、検索・推論能力で旧版を大きく上回る性能を示したとしています
・参照ソース数が旧版より大幅に増加し、SEC提出書類や査読済みオープンアクセス論文など権威ある情報源を活用

DeepMindが公開したベンチマークは、ウェブリサーチのDeepSearchQA、敢えてAIに解きにくい問題で推論や知識を測るHumanity's Last Exam、複雑で見つけにくいウェブ情報を深く調べて正確に応えられるかを問うBrowseComp の三種類。
すべてのベンチマークで、Deep Research Max が競合のAnthropic Opus 4.6 (Thinking Max)、OpenAI GPT-5.4 (xhigh)を上回り、最新版のDeep Researchも最高または僅差で並ぶスコアを示しています。
特に BrowseComp では、GPTやClaude Opus が59%前後なのに対して、長時間をかけてリサーチするDeep Research Max は85.9%と高いスコアです。
▲ 主な新機能
・MCPサポート:金融・市場データプロバイダーなど任意のカスタムデータソースにセキュアに接続可能
・ネイティブチャート・インフォグラフィック生成:HTML形式またはNano Bananaの画像で、グラフや図表をレポート内にインライン生成(Gemini APIのDeep Researchとして初搭載)




・協調的プランニング:エージェントが生成したリサーチ計画を実行前にレビュー・修正可能
・拡張ツーリング:Google Search、リモートMCPサーバー、URLコンテキスト、コード実行、ファイル検索を同時利用可能。ウェブアクセスをオフにして独自データのみを対象にした検索も可能
・マルチモーダル入力:PDF、CSV、画像、音声、動画をリサーチのコンテキストとして入力可能
・リアルタイムストリーミング:エージェントの中間推論ステップをライブで追跡可能
▲ 企業連携の状況
FactSet、S&P Global、PitchBookとMCPサーバー設計において協力しており、共通顧客が金融データをDeep Researchのワークフローに統合できる環境の整備を進めているとしています。
また、Deep ResearchはGemini App、NotebookLM、Google Search、Google Financeなど、Googleの主要プロダクトにも活用されている同一インフラ上で動作するとしています。
■ 本日より公開プレビュー開始。Google Cloudへの展開も予定
Deep ResearchおよびDeep Research Maxは、本日よりGemini APIの有料ティアにて公開プレビューとして利用可能です。開発者向けドキュメントはInteractions APIのページで公開されています。
またスタートアップおよびエンタープライズ向けにGoogle Cloudでも近日中に提供予定。価格の詳細については、Gemini APIの有料ティアの料金体系に準じます。









