アップルは、9月10日の「Awe dropping.」イベントで、iPhoneシリーズに新風をもたらす超薄型スマートフォン、iPhone Airを発表しました。もし最近のiPhoneにマンネリを感じていたなら、次はAirにしようと思っている人もいるかもしれません。
ですが、いざ冷静になって眺めてみると、iPhone Airには細かいところで注意すべき点も見えてきます。以下では、その細かいけれど注意すべき点をご紹介します。
iPhone Airの「A19 Pro」はiPhone 17 Proの「A19 Pro」と少し違う

iPhone Airに搭載されるSoC「A19 Pro」は、iPhone 17 Proに搭載されるものと同じ名前がつけられていますが、仕様表をよく見てみると、iPhone 17 Pro用のA19 Proは搭載されるGPUコアの数が6つあるのに対し、iPhone AirのA19 Proに載っているGPUコアはひとつ足りない5つとなっています。
またiPhone 17 Proや17 Pro Maxが採用したベイパーチャンバーは搭載されていないため、パフォーマンスと発熱のバランスなども気になるところです。
USB-Cコネクターのデータ転送速度は480Mbps(USB 2.0)

「Awe dropping.」イベントで発表されたiPhoneはすべてUSB-Cコネクターを搭載していますが、iPhone 17 ProやiPhone 17 Pro MaxのそれがUSB 3に対応しているのに対して、iPhone AirはUSB 2、すなわちUSB 2.0規格を採用しており、データ転送速度は480Mbpsに制限されます。
ただ、スタンダードモデルのiPhone 17のUSB-CコネクターもUSB 2仕様であり、このような仕様の差異はiPhone 15の世代から続いています。
なお、今回発表されたiPhoneはすべてBluetooth 6およびWi-Fi 7に対応しており、データ転送においては有線接続よりもワイヤレスのほうが高速です。
USB-C経由の充電は遅い
iPhone 17および17 Proは、対応する40W以上の電源アダプタを使えば、20分で最大50%まで充電できますが、iPhone Airは「別売りの20Wアダプタまたはそれ以上のアダプタ」を使って有線で充電しても30分で最大50%までしか充電できません。
ただし、MagSafe充電の場合はiPhone Airも、iPhone 17および17 Proの場合も30分で最大50%までの充電となります。
空間写真を撮影できない

iPhone 17や17Proは、2つ以上のカメラレンズを搭載しているため、Apple Vision Proで奥行きまで再現する空間写真や空間ビデオを撮影することができます。
しかし、iPhone Airが搭載する48MPのFusionカメラシステムは十分に高性能ですが、外観から分かるようにシングルレンズカメラであり、マクロ撮影や2つのカメラで同時撮影することで再現可能になる視差を含む空間画像の撮影はできません。さらに、シネマティック、スローモーション、タイムラプスといった動画撮影モードにも非対応です。
スピーカーがモノラル

iPhone Airが内蔵するスピーカーは電話を使うときに耳に当たるほう、本体上部にひとつしかありません。本体下部にあるスピーカー穴は送話用のマイクが収まっているだけで、スピーカーは含まれません。そのため、iPhoneのその他のモデルで単体でApple TV+を視聴するときなどに感じられる広がりあるステレオサウンドは、iPhone Airでは得られません。別途Bluetoothスピーカーなどを使う必要があります。
iPhone Air MagSafeバッテリー

上に紹介してきた注意点を考慮しても、iPhone Airを魅力的なものにしているのが、わずか5.6mmの本体の薄さです。その薄さのために削ぎ落とされたのはバッテリーも同じで、アップルは「1日中使えるバッテリー」とは言うものの、もし自宅や職場が電波の掴みの悪い場所にあったり、ユーザーが日夜頻繁にSNSの閲覧や投稿するタイプだったりすれば、みるみる残量が減っていくなどということもありえます。
アップルもそのへんは見越しているのか、iPhone Air専用の「iPhone Air MagSafeバッテリー」をちゃっかりと用意していました。この別売りアイテムさえあれば、バッテリーが減ってお腹と背中がくっつきそうなiPhone Airも、iPhone 17 Pro Max並みの連続使用時間に増量できるというわけです。
背に腹は代えられないので、iPhone Air最大の美点である薄さを手放しても良いと考えるか、日頃からできるだけバッテリーをもたせるよう、気配りの運用を心がけるのかは、iPhone Airを購入したユーザーには悩ましい問題になるかもしれません。
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