任天堂は、6月5日に発売したNintendo Switch 2の世界販売台数が発売4日間で350万台を超えたことを発表しました。
任天堂いわく、これは歴代の任天堂ゲーム専用機のなかでも最速。前世代のNintendo Switch は、発売から1か月弱で世界274万台の販売でした(2017年3月期決算説明会資料)。
任天堂の発表なので「任天堂のゲーム専用機の発売後4日間の世界累計販売台数として」と限定していますが、歴代の各社発表や調査会社の推定から判断するかぎり、ゲーム機の歴史において最速と考えられます。
(各社ともに「発売から24時間で」等の発表をすることはあっても、基本的には今回のSwitch 2のように発売日までにどれだけ積み上げたか、(販売店に)出荷できたかまたは消費者に届いたかの数字。PS4やXbox Oneのように「24時間で100万台」のコンソールでも、その後の発表を見る限り、4日で400万台売れたわけではない)。
任天堂は発売前、マイニンテンドーストア直販での予約受付に際して、(プレイ時間等の条件を設けたにもかかわらず、国内のみで) 220万人から応募があり、6月5日の発売日に届けられるNintendo Switch 2の数量を大きく上回ってしまった、結果的に相当数の応募が落選になると「お詫び」を述べていました。
今回の「4日間で世界累計350万台」についても、需要というよりは発売日までに積み上げて流通に載せられた数であったことが分かります。
発売直後における大成功のみでも、サードパーティーの今後の戦略決定に影響を与えますが、もっと重要なのはこの勢いをどこまで維持できるか。
Nintendo Switch 2は大成功した初代Switchの直接的なアップグレード版として大きな期待と需要を集めているものの、とはいえ発売時期のソフトウェアラインナップはむしろ抑え気味で、任天堂本体からの大型専用タイトルはほぼマリオカート ワールドのみ。
サードパーティーからはビッグネームのAAAタイトルが揃い「Switch 2専用」作品数こそ大きいものの、発売時期に揃うゲームの多くは他社やPCで、前世代のコンソールでも出ていた人気作の移植やアップグレード版です。
任天堂としては需要に追いつき勢いを維持できるよう本体の製造を強化しつつ、各社の発表済みタイトルや、任天堂のSwitch 2専用タイトル、そして当然用意しているはずの未発表作品を含めて魅力的なタイトルを継続的に投下し、初年度の年末商戦、そして2年目と需要を継続できるかが鍵になります。
任天堂の見通しでは、初年度の予想販売数量は世界累計で本体1500万台、ソフト4500万本(2025年3月期決算説明会資料)。
日本だけで抽選販売に220万人の応募からすれば少なすぎるようにも思えますが、決算説明会の質疑応答によると、これは初代Nintendo Switchの同等期間における売上水準を目指して設定したものであって「ハードウェアの生産能力の制限を受けて設定したものではありません」さらに「まずは Nintendo Switch と同等のスタートを目指し、需要に応じて柔軟に対応できるように生産体制の強化に努めているとご理解ください」(2025年3月期 決算説明会 質疑応答)