シフトールがVRヘッドセットの新製品『MeganeX superlight 8K』を発表しました。
Panasonicグループと共同開発したマイクロOLEDを採用しHDR対応の片目4K解像度、一定の近視でもメガネや追加レンズ不要の調整ダイヤル、電動のIPD(瞳孔間距離)調整といった機能を備えつつ、ヘッドセット部は185g未満という軽さが特徴です。
装着は寝転がっても邪魔にならないシンプルなヘッドバンドと、おでこの面で押さえる額パッド式。
目の周りを圧迫せず化粧などが落ちにくいことに加え、一時的にメガネ部分を跳ね上げて周囲を確認しやすいフリップアップにも対応します。
VRヘッドセットとしては、SteamVRトラッキングに対応したPC VR向け製品。外部のベースステーションでトラッキングするタイプです。
コントローラもSteamVR対応の各社製品が利用可能。「リアルでモノを掴んだり操作しても、VRで手が明後日の方向に曲がらない」シフトールのFlipVRコントローラにももちろん対応します。
接続はPC側のDisplayPort とUSB 2.0をコンバータボックスに接続し、そこからUSB-Cケーブル1本がヘッドセットまで伸びる有線式。
価格は税込24万9900円。2025年1月~2月に出荷予定となっています。
追記: 視界の広さを示すFOV(Field of View、視野角)は既存モデルのMeganeXと同じく非公開。VRヘッドセットのFOVは瞳孔間距離(IPD)やレンズと眼との距離などで個人ごとに大きく変わり、各社が発表するカタログスペックとしての計測方法も異なるため、ひとつの数字が独り歩きしないようにとの理由です。
実際に体験したところ、特に視野が狭いわけではなく、一般的なVRヘッドセット程度。本体を前後に調整すれば拡縮するため、この機種より広い狭いとは言いづらいのはたしかです。
感覚としては、特に広視野角が売りの一部のヘッドセットほどではないものの、視界が高精細でクッキリしていることもあってか、「覗き込んでいる狭苦しい感」は少なくなっています。
レンズは独自開発の樹脂製パンケーキレンズ。視界の歪みが周辺まで少なく、頭を動かさず視線を端から端まで左右に動かして眺めても、精細感が急に落ちたり色が滲む感覚がないのはかなり好印象でした。下方向の視界の端まで見ると歪みが分かりますが、これは装着位置によっても変わるはず。
歪みが少ない、つまりスイートスポットが広く、装着したあと多少ズレたり、フリップから戻しても何の問題もなくクリアな視野なのは驚くほど。
旧世代のVRヘッドセットを使っていた感覚では、潜望鏡を覗き込むような視野角の狭さが没入感をもっとも阻害すると思っていましたが、解像度が高く隅々までクリアに見渡せることで、同じ視野角でも格段に「そこにいる感覚」が得られます。
近い価格帯のPC VRヘッドセットPimax Crystalでもそうでしたが、VRではまだまだ解像度の向上がリニアに体験価値の向上につながることが実感できます。
カメラ等を一切搭載せず、トラッキングは外部に頼る設計ですが、本来の想定用途であるVRChatやVRアプリ以外にも、PC作業用のモバイルディスプレイとしても持ち歩いて使いたい精細感と画質でした。
¥258,180
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)