アマゾン、レジなし決済技術 Just Walk Out 導入店舗を大幅縮小「実際は店員が手打ち」の指摘も

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関根慎一

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アマゾン、レジなし決済技術 Just Walk Out 導入店舗を大幅縮小「実際は店員が手打ち」の指摘も

Amazonが、レジなし店舗向け決済技術「Just Walk Out」の廃止を進めていることが報じられています。

Just Walk Outは、店舗内に設置したカメラやセンサーによって利用者の動きや手に取った商品を認識し、そのまま店舗を出るだけで後から請求書が届き支払いできる仕組み。レジに並んで打ってもらうことも、セルフレジを使う必要もありません。

直営のレジなしコンビニ「Amazon Go」や食料品店「Amazon Fresh」の一部に導入しており、他社への販売も行っていました。The Informationは、食料品店担当上級副社長のTony Hoggett氏がJust Walk Outの廃止について発言したことを報じています。

Just Walk Outの買い物は「入店し」「商品を選んで」「退店する」だけでいつの間にか決済が完了しているというスマートな見た目ですが、実際には画像認識技術だけでなくスタッフが映像を確認してレジスター処理する場合が多々あったことが明らかになっており、退店後、レシートが送られてくるまでに数時間かかることがあったのはこのためとのこと。単にレジ打ちスタッフが不可視化されただけとの指摘もあります。

今後はスキャナー内蔵ショッピングカート「Dash Cart」への切り替えを進める見込み。Dash Cartは商品をカートに入れる際に高精度なスキャンを行うことで、Just Walk Outと同様にレジに並ぶことを省略でき、認識精度も高いとされています。

廃止の方向と報じられたJust Walk Outですが、全廃というわけでもないようで、英国で展開中のAmazon Go / Fresh両店舗や、米国内でJust Walk Outを導入したスポーツ施設などの一部事業所では継続しています。

Just Walk Outは利用者認証用のゲートやセンサー、カメラなどレジなしサービスの提供に必要な各種設備のコストが高く、また認識できなかった場合の手打ちや、新商品をカメラに学習させる作業などの人件費もかかることが指摘されてきました。

近年展開を始めた衣料品店舗では商品にRFIDタグをつけるなどしてゲートやカメラの設置を省略しており、取り扱う商品に合わせて設備のコストダウンを含めた変化がみられるようになっています。

これからのAmazon Goは、売り物に応じて設備を取捨選択するような形で、レジなし店舗として洗練されていくのかもしれません。

《関根慎一》
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