3.5m解像度の熱赤外センサー衛星HOTSAT-1、初の画像送信から2カ月で故障。復旧望みなし

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Munenori Taniguchi

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英気候技術企業Satellite Vu(SatVu)が6月に打ち上げ、地表の温度を3.5m解像度で可視化する能力を備えた赤外線サーマルイメージング衛星が、10月に初の画像を送り始めてからわずか2カ月しかたっていないにもかかわらず、その動作を停止してしまった模様です。

世界初の高解像度サーマルイメージング衛星として設計されたHOTSAT-1は、6月にSpaceXのFalcon 9ロケットで軌道上に配備されました。この衛星に搭載された赤外線カメラは、地表の温度の様子を動画に納めることも可能で、当初送られてきた映像には米国シカゴの主要鉄道路線を走行する機関車の様子なども捉えられていました。

ほかには、打ち上げ直後の6月に(おそらく各部のチェック作業の際に行われた)カナダで発生した山火事の様子も詳細に捉えており、将来的に住宅密集地域に近づく山火事やの進行を監視するといった用途への活用も期待されていました。さらにSatVuは、12月11日に当時開催中だったCOP28気候会議の会場の画像を公開し「都市のヒートアイランド」効果を可視化していました。

ところが12月15日、そのHOTSAT-1に「予期せぬ操作への影響が予想される異常」が発生しました。SatVuの発表には問題の詳細が記されていないものの、英BBCによれば、SatVuはまだ衛星の復旧に努めているものの、復元の見込みは薄い模様です。ただ、技術者たちは少なくとも原因を把握して、次の衛星の設計にその対策を織り込みたいとしています。

HOTSAT-1は8~10基からなる衛星コンステレーション計画の第1号として設計されました。ウェブサイトによれば、その応用範囲は「都市部のヒートアイランドの影響を緩和することから、産業プロセスの監視、水路汚染の確認、エネルギー効率の確保、およびソーラーファームの健康状態の評価まで」様々です。

SatVuは、HOTSAT-1が打ち上げ後に提供した画像について「この技術が地球表面を可視化する新たな "データレイヤー "として機能し、環境と熱に関連する現象の理解を深める可能性を実証した」と述べ、「すでに2番目の衛星となるHOTSAT-2の打ち上げに向けた話し合いを進めている」としています。

SatVuの共同創業者でCEOのアンソニー・ベイカー氏は「われわれは先駆的な宇宙探査の分野では、物事がうまくいかない可能性があることを理解しています。 地球上で最も差し迫った気候問題のいくつかに対処することは、決して簡単な旅ではありませんでした。HOTSAT-1 は未踏分野での先進的衛星として、やるべきことはすべて行いました。」「打ち上げの成功、最初の画像、商業ビジネスモデルの検証、人道団体との協力、そして最近のCOP28会議での画期的な熱画像の展示など、今年達成した並外れたマイルストーンを評価することが重要です」と述べています。



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