インドの月探査船が地球周回軌道に帰還。チャンドラヤーン3号の推進モジュール、将来のサンプルリターンに向け検証

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Munenori Taniguchi

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ISRO(YouTube)

インド宇宙研究機関(ISRO)が、初めての月の南極付近への着陸と、探査車「プラギャン」の展開に成功したチャンドラヤーン3号の推進モジュールが、月の周回軌道から地球周回軌道に戻ったことを明らかにしました。

現在、チャンドラヤーン3号の推進モジュールは太陽電池パネルからの電力供給により、地球を2週間かけて周回する軌道上に配置されています。

この新しい試みは、将来のいつか、月からサンプルを地球に持ち帰るときに役立つ技術を実証するためのものだとISROは説明しています。関係者いわく、推進モジュールは11月22日に地球に9万5000マイル(15万4000キロメートル)の距離まで最接近したとのこと。ただしそれでも、他の人工衛星から安全な距離を保つのに十分な高度であり、ISROは現在の軌道予測では、運用中の地球周回衛星に接近する恐れはない」と述べています。

チャンドラヤーン3号ミッションは、月の南極地域近くへの軟着陸を実証し、着陸船ヴィクラムと探査車プラギャンの機器を使用した実験を行うことでした。ヴィクラムは8月23日に目的地付近への着陸を成功させ、その後プラギャンの展開も成功させています。着陸機と探査車は現地の日暮れまで、地球の時間では14日間にわたり、それぞれに搭載された機器を用いて貴重な科学データを収集しました。

ヴィクラムとプラギャンは月の夜の低温に耐える設計ではないため、本来は月の夜を迎える9月4日ですべての活動を停止する計画でしたが、ISROは両機をあらかじめスリープモードに移行し、夜明けを迎えたときに再起動を試すことにしていました。そして現地が夜明けを迎えた9月22日に、通信と活動の再開を試みたものの、やはり再起動することはできずに活動を終了しています。


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《Munenori Taniguchi》
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