iPhone 15 / Proは結局どこで買うのがお得なのか。キャリアの割引や乗り換えプログラムも考慮して検討してみる(石野純也)

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石野純也

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ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

特集

▲4キャリアは納入価格への上乗せもあり、アップル版と比べるとどうしても本体価格は割高になる。アップルのiPhone 15、128GB版は12万4800円だ
  • ▲4キャリアは納入価格への上乗せもあり、アップル版と比べるとどうしても本体価格は割高になる。アップルのiPhone 15、128GB版は12万4800円だ
  • ▲iPhone 15シリーズの予約がスタートした。4キャリアで本体価格の最安値をつけたのが楽天モバイルだ
  • ▲楽天モバイル版の価格リスト。新規契約やMNPのポイント還元を厚めにしている
  • ▲ドコモのいつでもカエドキプログラムの解説ページ。24回目の残価が下取りで免除される仕組みだ。なお、iPhoneも対象のいつでもカエドキプログラム+は、1年後の返却で早期利用料を支払うとその時点からの残額が免除される
  • ▲画像は楽天モバイルの買い替え超トクプログラム。48分割にして1カ月ごとの負担額を下げたうえで、下取りを条件に24回ぶんを免除する仕組み。残価設定型よりシンプルだ
  • ▲ドコモ版の価格。下取り込みで2年の実質価格が7万円台半ば、MNPのdポイントを加味すると5万円台半ばまで下がる
  • ▲2年前のiPhone 13を下取りに出すと、128GBで5万7000円の割引を受けられる
  • ▲キャリアの契約があれば、Apple Storeの店舗で8800円の割引を受けられる。機種変も対象になるので、回線契約がある人はぜひ利用したい。ただし、楽天モバイルやサブブランド、MVNOは非対応

iPhone 15シリーズの予約開始の直前に、キャリア4社から価格が出そろいました。

本体価格で最安をつけたのが楽天モバイル。「iPhone 15」は14万800円、「iPhone 15 Pro」で17万9800円(いずれも128GB版)といった形で、他社よりやや安めの価格設定です。

楽天はiPhoneをフックに各社からユーザーを奪う立場のため、端末価格の最安を狙う傾向があります。

▲iPhone 15シリーズの予約がスタートした。4キャリアで本体価格の最安値をつけたのが楽天モバイルだ

一方、キャリア版はアップル自身が販売するメーカーモデル(SIMフリー版とも呼ばれるが、4キャリアの端末にもSIMロックはかかっていない)よりは高め。

納入価格に一定程度の利益を乗せなければならないキャリアは、直販ができるメーカーより不利な立場ではありますが、そのぶん、割引やアップグレードプログラムを充実させています。

1つ目が新規契約やMNPに伴う割引や還元。例えば楽天モバイルの場合、一括・分割問わず、楽天ポイントでの還元が厚めに設定されています。

新規かMNPで分割払いの「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」を選択すると、還元される楽天ポイントは1万9000円分。一括でも1万4000円ぶんのポイントが付与されます。

これを先のiPhone 15に適用すると、最低価格は12万1800円に。アップル版の12万4800円を下回ります。

▲楽天モバイル版の価格リスト。新規契約やMNPのポイント還元を厚めにしている

こうした割引は、額は異なるものの他社も同じ。機種変更にも割引やポイントはつくことがありますが、基本的には新規契約なりMNPなりで回線契約が伴うと割引がつきやすくなる傾向があります。

逆の見方をすると、ある程度こうした割引が前提になった価格設定がされていると言えるでしょう。端末を単体で購入したいのであれば、やはりアップルの方がお得です。

もう1つのアップグレードプログラムは概ね、その方式が2つに分かれます。1つがドコモ、auの残価設定型。もう1つが、ソフトバンク、楽天モバイルの48分割型です。

前者の残価設定型ローンは、自動車などでおなじみの仕組み。24分割中、24回目が端末の残価として設定されています。ザックリ言えば、残価は半額前後。これを差し引いて残りを23分割するため、1カ月あたりの支払額が下がります。

▲ドコモのいつでもカエドキプログラムの解説ページ。24回目の残価が下取りで免除される仕組みだ。なお、iPhoneも対象のいつでもカエドキプログラム+は、1年後の返却で早期利用料を支払うとその時点からの残額が免除される

また、購入した端末を24回目の支払い前に下取りに出すと、残価が丸ごと免除されます。23回ぶんの支払いを安く抑えつつ、下取りで残価をチャラにすることで機種変もしやすくなる仕組みと言えるでしょう。

ドコモやauが打ち出す「実質価格」は、この残価が免除された際の料金を指しています。約2年後の買い取り価格がある程度約束されている点で、いくらになるかが分からない下取りより安心感があります。

ソフトバンクと楽天モバイルは少々仕組みが異なり、残価ではなく、48回払いの半分にあたる24回を下取りで免除するプログラムを用意しています。

こちらは単純で、本体価格のちょうど半分が下取り額になるため、実質価格を計算しやすいのがメリット。

ただし、ある程度24回目の価格を大きくすれば残り23回を安くできる残価設定型プログラムとは異なり、単純なぶん、本体価格に支払額が直接左右され、高くなるケースもあります。

▲画像は楽天モバイルの買い替え超トクプログラム。48分割にして1カ月ごとの負担額を下げたうえで、下取りを条件に24回ぶんを免除する仕組み。残価設定型よりシンプルだ

以上を踏まえたうえで実例を見ていきましょう。

まず、ドコモの場合、iPhone 15の128GBは本体価格が14万9490円。残価設定型の「いつでもカエドキプログラム+」を使うと、下取りに出した際の実質価格は7万5570円まで下がります。

また、MNPに2万円ぶんのdポイントをつけているため、回線移行を伴えば5万5570円までこの価格を下げることができます。

▲ドコモ版の価格。下取り込みで2年の実質価格が7万円台半ば、MNPのdポイントを加味すると5万円台半ばまで下がる

楽天モバイル版の価格は上記のとおり14万800円ですが、48回払いの楽天モバイル買い替え超トクプログラムを使うと、総額は7万392円で済みます。

中途半端な金額になっているのは、48回で割り切れないため。端数は48回目に乗っているので、わずかながら半額より安くなります。新規契約やMNPでもらえる楽天ポイントを加味すると、実質価格は5万1392円です。

キャリア版を購入する場合には、下取りを前提にしたプログラムの利用がオススメですが、一方で、アップル版との本体価格差が大きいのが難点。それもあり、必ずしもお得とは言い切れないのが現状です。

例えば上記のiPhone 15はアップル版が12万4800円で、キャリア版よりおおむね2万円程度安くなっています。

▲4キャリアは納入価格への上乗せもあり、アップル版と比べるとどうしても本体価格は割高になる。アップルのiPhone 15、128GB版は12万4800円だ

いわゆる残価設定型のアップグレードプログラムはありませんが、アップル自身も下取りサービスを実施中です。仮に2年前の「iPhone 13」の128GBを店頭で売却したとすれば、5万7000円の割引を受けられます。

差し引きすると6万7800円。キャリアの実質価格よりもやや安い程度の価格になります。しかも、下取りを一般の中古業者に出せば、この価格はさらに下がる可能性があります。

▲2年前のiPhone 13を下取りに出すと、128GBで5万7000円の割引を受けられる

加えて言えば、アップルストアでキャリアの機種変更手続きをすれば、8800円の割引を受けられます。アップルにiPhone 13を売却しつつ、機種変更して割引を受ければ、iPhone 15が5万8992円まで下がります。

▲キャリアの契約があれば、Apple Storeの店舗で8800円の割引を受けられる。機種変も対象になるので、回線契約がある人はぜひ利用したい。ただし、楽天モバイルやサブブランド、MVNOは非対応

アップグレードプログラムとは異なり、2年後の下取り価格が分からない点で将来の予見性が低いのは難点ですが、一工夫すればMNPの必要なく同程度まで価格を下げられると言えるでしょう。

メーカー版があり、リセールバリューも高く、かつ安定しているiPhoneならではですが、購入時にはこの点も加味した方がよさそうです。


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《石野純也》

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