14インチのジャンボiPad、「発売決定目前」まで近づくが、当面は出てこないとの噂(Bloomberg報道)

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Image:Apple/YouTube

アップルが現行機種最大の12.9インチを超える大型iPadを開発中との噂話は、何度もリーカーや識者らが述べてきたことです。特に、約14インチモデルについては複数の情報源が発信しており、かなり信ぴょう性が高まっていた感があります。


そんななか、アップルは今年(2024年)14インチの新型iPadがリリースに「近づいた」として、もう少しで発売に踏み切るところだったが見送ったと著名ジャーナリストが主張しています。

アップルの社内事情に精通するBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号で「ジャンボiPad(13インチ以上)のリリース計画に何が起こったの?」という質問に答えています。

それによれば、アップルは一時、14インチiPad Proの発売を決定する目前だったものの「当面の製品ラインアップにそうした製品はないようだ」と述べています。

開発計画が中止されたかどうか言及していませんが、しばらく発売の予定はないと示唆しています。

大型iPadが見送りになった理由として、Gurman氏は2つの理由を挙げています。

1つは、iPadの画面サイズが大きくなることで、Macと市場が被ってしまいかねないこと。第2に、iPadが有機EL画面に移行するため、ディスプレイの製造コストが大幅に上昇することです。

2024年に初の有機EL版iPad Proが登場するとの予想は、以前から複数の専門家や調査会社が主張してきました。画面サイズは11インチはそのまま、12.9インチ後継モデルは13インチになるというものです。


アップル製品としては、すでにiPhoneやApple Watchが有機ELパネルを採用しています。が、11インチ/13インチiPad Pro用のパネルは、製造コストが大幅に上がると予想。なぜなら、『ツースタックタンデム構造」や「LTPO TFT」など高度な技術を使うためです。


そして製造コストは価格に反映され、11インチは1500ドル(約22万円)~、13インチは1800ドル(約26万円)~が検討されていると韓国メディアThe Elecは報じていました。14インチなら、それ以上になるでしょう。

ジャンボiPadの噂話は、おそらく2021年6月にGurman氏が述べた「早ければ数年後に店頭に並ぶ可能性がある大型iPad」が始まりです。その後、同氏は15インチiPadが開発中とも示唆していました

また、The InformationのWayne Ma記者も、「iPadとMacBookの間の境界線をさらに曖昧」にする16インチiPadが開発中だと主張していました。Ma氏はアップルの空間コンピュータ(MRヘッドセット)Vision Proの情報をいち早く、かなり正確に伝えた実績があります。


さらに信頼性の高いディスプレイ専門アナリストRoss Young氏も、14.1インチiPadが準備中との噂に対して肯定的なポストをしていました

もっとも、その後Young氏は発言を撤回し、「そのようなデバイスはもはや計画されていない」と発言しています

著名リーカーMajin Bu氏は、M2 iPad Pro上で簡易macOSがテスト中だと述べていました。それが本当だとすれば、アップルは社内で「Macアプリも動くジャンボiPad」を準備しつつ、製造コストの低下を待ち、Mac市場の共食いを避けるアプローチを探っているのかもしれません。

《Kiyoshi Tane》

Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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