1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する連載「生成AIウィークリー」から、特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる生成AIクローズアップ。
今回は、AIで書かれたことを表す電子透かし(ウォーターマーク)やメタデータを除去するオープンソースツール「watermarks-remover」を取り上げます。

AnthropicはEU AI法第50条への対応として、8月2日以降にリリースされたClaudeのモデルで生成されたテキストに、知覚できない電子透かしを埋め込むと公表しました。
この発表後すぐに「watermarks-remover」という電子透かし除去ツールがGitHubリポジトリでMITライセンスとして登場。Claude、Gemini(SynthID-Text)、OpenAI、オープンLLM全般に対応しています。ただし対応の度合いは一律ではありません。
透かし除去には、3つのアプローチを用意。1つ目は、人の目には見えない特殊な空白文字やUnicodeタグなどを除去するというものです。
2つ目は、中身そのものを作り直す処理で、AIモデルを使って文章自体を書き換えることで、AI特有の単語の選び方や言い回しを再構成します。これはAIが次の単語を選ぶ際にわずかな偏りを持たせて印にする手法に対処するためです。
再生成するモデルは、生成元とは別のモデルを推奨している一方で、書き直して文章が劣化するリスクがあり、低モデルで書き直すなら最初から高モデルを使う意味は何かと述べています。
3つ目は、ファイルからメタデータを剥がす処理で、画像(PNGやJPEGなど)やPDF、Wordドキュメントなどのファイルに対して、C2PAなどの来歴情報規格やファイルに記録されているメタデータを除去するというものです。
これとは別にオプションの外部ツールを組み合わせれば、画像データそのものに埋め込まれたピクセル透かしを検出したり、除去したりすることも可能だとしています。
本ツールは、自分が所有・処置できる権限を持つコンテンツ向けであり、学術不正や人間が書いたと偽る用途ではないとしています。ベンダーの検出器から逃れられる保証もできないとしています。


