有機EL版iPad Pro、2024年初めに発売?画面サイズは11インチと13インチ、常時表示も可能か

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Kiyoshi Tane

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フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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Image:Apple/YouTube

アップルが最新のiPad Pro (2022) を発売してから半年以上が経ちましたが、2023年内に次期モデルが出るとの噂は聞こえてきません。

それはもっぱら、従来の液晶パネル(ミニLEDバックライト搭載)に替えて有機ELディスプレイを採用する準備に時間がかかるから、と見られています。

そんななか英市場調査会社Omdiaが、初の有機EL搭載iPadでは画面サイズが11インチおよび13インチとなり、「2024年第1四半期」に量産に入ると予想しています。

韓国の電子業界誌The Elecに掲載されたレポートでは、有機EL版iPad Proのディスプレイは低温多結晶酸化物 (LTPO)とハイブリッド有機EL(ガラス基板+薄膜封止)技術を組み合わせていると予想。

このうちハイブリッド型有機ELの採用については、以前も噂がありました。ハイブリッド=リジッド型(折り曲げられない)ガラス基板とフレキシブル型(折り曲げられる)有機EL薄膜封止の合わせ技ということ。単なるリジッド型よりも画面を薄くでき、製造コストも抑えやすいメリットがあります。


もしもiPad Proのディスプレイに有機ELパネルが採用されれば、従来の液晶パネルよりも輝度やコントラスト比および色精度の向上や、消費電力の削減が期待できるはず。

現在の12.9インチiPad Pro等に採用されたLiquid Retina XDR画面は、バックライトを微小なLED(ミニLED)に分割してローカルディミング技術を組み合わせることでエリアごとの点灯・消灯を可能とするもの。が、ミニLED領域の方が液晶のピクセルよりも大きいために光漏れが置きやすいことはアップルも認めています。これを解決するには有機EL化するしかないと、ディスプレイの専門家Ross Young氏も述べていました。

またLTPOは、iPhone 14 Proモデルの常時表示=1Hz~最大120Hzまでの可変リフレッシュレートを実現しているバックプレーン(ディスプレイの駆動を素子を形成する基板)技術のこと。2017年以降のiPad ProではProMotionで24Hz~120Hzがサポートされていますが、LTPO技術により下限をさらに引き下げ、バッテリー持ちの改善が期待できそうです。

次期iPad Proの画面サイズが約11インチと13インチになることは、上記のYoung氏も昨年末に述べていました。ただし筐体は大型化せず、ベゼルを細くすることでディスプレイを広くする可能性があると指摘しています。

歴代iPad Proは、おおむね1年半の間隔で新モデルが投入されてきました。前回が2022年10月だったことから、有機EL版iPad Proが2024年第1四半期(暦の上では1~3月、一般的な会計年度では4月~6月)に発売されるとの予想は妥当と言えそうです。

《Kiyoshi Tane》

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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