X(Twitter)のオーナー、イーロン・マスク氏は8月19日、「XからDM以外のブロック機能を削除するつもりだ」と投稿しました。
マスク氏はユーザーのブロックとミュートの違いに関する議論への返信でブロック機能削除を持ち出し「この機能には意味がない」と述べています。
しかしざっと見渡したところでは、さすがにマスク氏のファンたちもブロック機能の廃止には否定的な意見が多く見受けられ「ブロック削除は酷い」の言葉に、米国政治でも普段は対立するリベラル派と保守派がガッチリ腕を組むミームを投稿するユーザーも現れています。
また、一部のユーザーはコミュニティノート機能を通じて、アップルとGoogleのアプリ開発に関する規定のなかに、ユーザー生成コンテンツを含むアプリには必ず迷惑行為や目にしたくないコンテンツを投稿するユーザーをブロックする機能を搭載することが必須と記されていることを指摘。記事執筆時点では、マスク氏の「ブロック機能を削除する」発言の直下にそれが表示されています。
しかし、もしマスク氏がブロック機能の削除を実行に移した場合は、Xではユーザーが目にしたくない情報、たとえば上に述べたような一部の迷惑ユーザーや、表示したくない一部の広告アカウントなどがそのユーザーのタイムラインに現れる可能性があります。そして、ブロックできないことを逆手に取ったストーカー紛いのユーザーや、スパム広告業者などがXに集結するようになるかもしれません。
Xにはブロックに似た機能としてミュート機能があります。ブロック機能がユーザーの指定した相手からのフォローを解除し、相手のタイムラインや検索から自分のアカウントを見えなくして相手からのコンタクトを防止できるのに対して、ミュート機能は指定した相手の投稿は自分からは見えなる一方、相手側は自分の投稿を引き続き追跡でき、投稿への返信で接触を図ることができます。
マスク氏は数か月前にも、Twitter Blueと呼ばれていた現X Premiunユーザーを、片っ端からブロックリストに加える行為に対して「ブロック機能よりも強力なミュート機能を使用するべきだ」と投稿していました。
ちなみに、Twitterの代替SNSとして知られるBlueskyはこの日、一時的にアクセスができなくなりました。Blueskyの公式アカウントは「トラフィックの新記録が達成された」せいで「サーバーのパフォーマンスが低下」したと述べていますが、Blueskyユーザーたちからは「Xがブロックを廃止すると聞いてこちらへやって来た」といった内容の投稿が複数発見できます。
マスク氏のブロック廃止発言を受けて、BlueskyやMastodon、Threadsなどを「お試し」する人が増えている模様です。