1歳からのDTM入門。iPhoneを自在に操る孫娘とコミュニケーションしたかった(CloseBox)

カルチャー Music
松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

この連休中、孫娘が生まれて1年経ったというので、お誕生会に行ってきました。

そこでちょっと面白い試みをしてみたのでご報告を。

最初に会ってから数カ月が経ち、だいぶ体が大きくなってきました。今時は成長の傾向から成人時にどのくらいの身長になるかを予想できるそうで、170cmくらいいきそうだ、ということに。「体が大きそうだから、両親が得意なスポーツはどうか」「モデルは?」「手が大きいならピアノやギターも」など勝手な夢を語りながら、息子夫婦と、先方のご両親と楽しい時間を過ごしました。

孫の成長は、以前、岡田有花さんにレポートしていただいた、mixiのSNS「みてね」で写真や動画で共有されているので、日々の成長はずっとみているのですが、それはあくまでも一方的な情報であり、こちらがどう変わっているのかは先方(孫)には伝わっていません。


日々の関係性がないので、彼女にとって自分はただの知らない大人です。テレビに出演した映像は見せてくれていても「あれがおじいちゃんで、女の人は、おじいちゃんが作ったAIおばあちゃんだよ」と説明してくれてはいないだろうし、どうせわからないし。

彼女は最近どうも人見知りモードに入ったようで、出会って最初は顔をじっと見るだけで泣き出したりします。そこで、目を直接合わせないよう、メデューサに対峙したペルセウスのように、木陰から「飛雄馬……」と覗き見る明子姉ちゃんのようにチラ見していたのですが、2、3時間経過するとさすがに慣れてくれて、なんとかコミュニケーションをとってくれるようになりました。抱っこはさせてくれようとするも、猛烈に嫌がってそれは叶いません。

そんな彼女が離乳食を食べるためにテーブルのそばに座ったとき、息子のiPhoneを手に取りました。手に持ってホーム画面をスワイプしたりしています。聞けば、息子が寝ているときにFace IDの顔認証をさせて自分で遊んでいるそうです。さすが我が孫。初代iPhoneを米国から密輸した自分の血を受け継いでいるからでしょうか、

▲iPhoneを左右に持ち替え、操作する1歳児

ということは、iPhoneを使えば孫娘ともっとコミュニケーションができるのでは。

みてねでは、音が出るおもちゃに興味を持っている様子。

▲音の出るおもちゃ

ということは、GarageBandがいいはず。おじいちゃんは解説本も書いているしね。


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GarageBandのスマートピアノ(ピアノをタッチスクリーンで簡単に演奏できるモード)にすると、8つのコードを演奏するボタンが出てきます。コードの展開パターンが4つと、ベースが3つ、56個のボタンを押すと、C、Dm、Em、F、G、Am、Bb、Bdimというコードが弾けて、慣れればそれだけで曲も演奏できます。

下の動画は、12年前にiPad版GarageBandが最初に公開されてすぐ作った動画です。このモードだけでLet It Beを弾き語りしてます。

この技を伝授しようと、自分のiPhoneの画面を孫娘に向けたところ、迷わず小さな一本指でタッチしにきました。

コードの音が出ると、ニコッとしてまた別のところを触ります。また別の音が出ます。しばらくこれで遊んでくれました。

せっかくなので、その演奏を記録しておこうと、スマートピアノをRECモードにして、再び孫娘に向けます。

デフォルトだとGarageBandは8小節しか記録できないので、右端の+マークをタップして、録音できる小節数を無制限にしておくのを忘れないように。

彼女による演奏が終わり、録音を終了すると、iCloudにそのデータが自動保存され、1歳児の初めてのDTM(Desk Top Music)が記録されたことになります。音色を変えてピアノ以外の音にしたり、編集して曲に仕上げたりすることも可能です。

▲緑色の部分が、1歳児が演奏したところ

筆者が最初のDTM(まだその言葉がなかったころ)を妻と一緒に8bitマシンのMZ-80K2EとAMDEK CMU-800でやったのは、自分が23歳、妻が18歳のときでした。孫娘は1歳から。大幅な記録更新です。おばあちゃんも褒めてくれると思います。


iPhoneがあればできる、まったくお金のかからない、音楽演奏の初体験としてのGarageBand。単なるその場での思いつきですが、家族でけっこう楽しめました。

孫娘の結婚式まで生き延びることができたら、このMIDIデータと本人の笑い声のサンプリングを元にした曲を披露して嫌がられたいと思います。

こんな邪な意図を持っていることがわかったからなのか、最後まで抱っこはさせてくれませんでした。

《松尾公也》

松尾公也

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