AI時代の超高速イーサネット規格策定へ Ultra EthernetコンソーシアムをAMD、インテル、シスコ、マイクロソフトなど9社が設立

テクノロジー AI
新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。

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イーサネットの仕様を改善し、AIやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のような高速かつ大規模なデータ処理に適した、より高速なイーサネットの実現を目指す団体「Ultra Ethernetコンソーシアム」がLinux Foundation傘下で発足しました

設立メンバーはAMD、Arista、Broadcom、シスコ、Eviden(an Atos Business)、HPE、インテル、Meta、マイクロソフトの9社。

公式Webサイトによると、AIやHPCのワークロードは、従来のイーサネットに対してより大きなスケール、高度な帯域幅密度、マルチパス、輻輳への迅速な対応などの課題を突きつけるものとなっており、Ultra Ethernetコンソーシアムはこうした課題を解決するためにイーサネットの新たな設計を行うとしています。

その上で、下記のようなゴールを設定しています。

Deliver a complete architecture that optimizes Ethernet for high performance AI and HPC networking, exceeding the performance of today’s specialized technologies. UEC specifically focuses on functionality, performance, TCO, and developer and end-user friendliness, while minimizing changes to only those required and maintaining Ethernet interoperability.

高性能なAIおよびHPCのためのネットワーキングに最適化されたイーサネットの完全なアーキテクチャを提供し、現在の特殊な技術による性能を超越します。 Ultra Ethernetコンソーシアムは特に、機能、性能、TCO、そして開発者とエンドユーザーの使いやすさに重点を置きつつ変更を必要なものだけに抑え、イーサネットの相互運用性を維持します。

また、帯域幅、レイテンシ、テールレイテンシ、スケールを改善し、将来のワークロードとコンピュートアーキテクチャに対応することや、すでに広く展開されているAPIとの後方互換性と、将来のワークロードとコンピュート・アーキテクチャにより最適化された新しいAPIの定義も行うとしています。

新しい仕様策定のために、物理レイヤー、リンクレイヤー、トランスポートレイヤー、ソフトウェアレイヤーの4つのワーキンググループが設定されます。

Ultra Ethernetコンソーシアムの新しい仕様に対応した製品は2024年に登場予定。


この記事は新野淳一氏が運営するメディア「Publickey」が2023年7月26日に掲載した『Ultra EthernetコンソーシアムをAMD、インテル、シスコ、マイクロソフトなど9社が設立。AIやHPCに最適化したイーサネット仕様を策定へ』を、テクノエッジ編集部にて編集し、転載したものです。

《新野淳一》

新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。

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