任天堂、欧州でドリフトJoy-Conの無償修理を約束。米国に続き対象地域拡大

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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任天堂、欧州でドリフトJoy-Conの無償修理を約束。米国に続き対象地域拡大

任天堂が英国など欧州全域で、正しく動作しないJoy-Conコントローラーを保証期間切れでも無償で修理することを約束しました。

この対応は、任天堂が英国向け公式サポートページを更新する形で発表したものです 。そこには自社が「高品質で耐久性ある製品を作ることに大きな誇りを持ち、継続的に製品の改良を行っています」と前置き。

そこでEEA(欧州経済領域)、英国、スイスで製品を購入されたお客様に対し、「コントロールスティックに関する反応性症候群」を無償で提供することを「追って通知があるまで」行うと述べています。「追って通知」とは、おそらく方針に変更があるまで、と思われます。

さらに本症候群が(使い込んだことによる)消耗によるものでも、また24ヶ月のメーカー保証が終わっていても適用されるとのこと。およそ、普通に使っている場合に起こるあらゆるケースがカバーされているようです。また上記のEEAと英国とスイスを合わせれば、ほぼ英国を含む欧州全域が対象となります。

もっとも偶然の損傷や、不当な使用、改造、任天堂が供給あるいはライセンスしていない製品との使用で起こった場合は、無償修理を拒否する場合があるとしています。あくまでJoy-Con単品、あるいはサードパーティのライセンス製品との組み合わせで乱暴ではない使い方をした範囲ということで、一線を引いているようです。

任天堂が「反応性症候群」と呼ぶものは、一般的には「ドリフト」問題として知られています。すなわちアナログスティックを触れていなくても、勝手に動く症状のこと。この現象は洋の東西を問わず、国境を越えて複数のユーザーから報告があり、集団訴訟に発展したこともありました。

また、この問題を根本的に解決するガジェットとして、海外アクセサリー企業が交換キットを発売しています。


米国では数年前からJoy-Conドリフトを(保証期間外であっても)無償修理するようカスタマーサービスに通達があったとの報道もあり、その後の方針の変更は聞こえてきません。

その一方で、日本でもドリフト問題を嘆く声は少なからず聞こえてくるものの、一向に無償修理するとのアナウンスも、公式サポートページの更新もありません。

かつて古川社長は株主との質疑応答で「Joy-Conに関して、お客様にご迷惑をおかけしていることをお詫び申しあげます」としてドリフト問題を示唆していたことがありますが、今後も日本を例外扱いとするのか興味深いところです。


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《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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