普段使いしないともったいない小型サウンドバー、Bose「Smart Soundbar 600」の空間没入体験(小寺信良)

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小寺信良

小寺信良

ライター/コラムニスト

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18年間テレビ番組制作者を務めたのち、文筆家として独立。家電から放送機器まで執筆・評論活動を行なう傍ら、子供の教育と保護者活動の合理化・IT化に取り組む。一般社団法人「インターネットユーザー協会」代表理事。

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普段使いしないともったいない小型サウンドバー、Bose「Smart Soundbar 600」の空間没入体験(小寺信良)
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過去5.1chサラウンドが全盛の時代には、マジメにスピーカーを6個置くというのが流行ったものですが、Dolby Atmos全盛の昨今においては、マジメにスピーカーを置くと天井に穴を開けなければいけないので、一般のご家庭では難しいことになります。そこで壁や天井の反射音を使い、フロントスピーカーだけでイマーシブ(没入感のある)サラウンドを実現しようという方向に進んでいます。

これまでサウンドバーはテレビ内蔵スピーカーを補強するものとして市場を作ってきましたが、近年はDolby Atmos再生装置として注目を集めるようになりました。

サウンドバーといえば、国内ではソニー、ヤマハ、Bose、デノンあたりが人気ですが、Boseでは昨年発売の「Smart Soundbar 300」がヒットしたのに気を良くしたのか、今年に入って2月に上位モデルの「Smart Soundbar 900」、そして10月に中型機の「Smart Soundbar 600」を投入しました。

今回は最新モデルとなるSmart Soundbar 600をお借りしています。直販サイトで74,800円。

▲この10月に発売されたばかりの「Smart Soundbar 600」

製品名の「Smart」ですが、これは形状のことではなく、スマートスピーカー機能を内蔵しているところからのネーミングだと思われます。Amazon Alexaを内蔵しており、アプリ側からアカウント設定し、サウンドバーに直接「アレクサ」と話かければ応答します。OK Google派の方は、Androidスマホと連携させることで、Googleアシスタントとしても動作します。

▲アレクサ操作用に○ボタンとミュートボタンがある

さてシリーズの中型機となる600ですが、全長が69.4cmと短いながらもDolby Atmos対応がポイントです。同じ長さのエントリーモデル300は、Dolby AtmosおよびDolby Digitalに非対応でした。

▲ケーブル入力はHDMI(eARC)と光デジタルのみ

内部スピーカーは5つ。センターに1つ、両端に1つずつと、上向きに2つです。この上向きのスピーカーで天井に音を反射させ、イマーシブサラウンドを実現します。

上向きスピーカーはDolby Atmos非対応ソースの際も遊んでいるわけではありません。Bose独自の「TrueSpaceテクノロジー」で、5.1chやステレオソースでも、上下方向に広がりのあるサウンドを作り出しています。

▲天板のパンチンググリルから2つのスピーカーが透けて見える

▲背面に2箇所あるバスレフポート

TrueSpaceテクノロジーには、設定として特にONとかOFFとかはありません。加えてDolby Atmosの場合も「いま頑張ってます」みたいな表示もないので、要するにどんなソースを突っ込んでもすべて全自動で拡がって聞こえるというわけです。

▲リモコンはボリュームと入力切り替えなど最小限

▲操作時のみ光るLED

40インチのテレビと組み合わせても横幅があまりないので、テレビ側のリモコン受光部を塞がないのがイイ感じです。特にサブウーファを内蔵しているわけでもないのですが、低音のドッコンドッコン感はさすが小さくてもBose。不足感はないでしょう。

▲40インチテレビと組み合わせても、小ささが光る

音の広がりは、横幅が短い割には横2mぐらいのかなり大きなスケールで展開されます。専用アプリBose Musicからは、上向きのサウンド量も決められますので、縦方向の立体感が欲しい場合も、ある程度の調整が可能です。ただハイトチャンネルを上げると、若干高域も一緒に上がっていきます。上向きスピーカーの周波数特性に引っぱられるということでしょう。

▲アプリからはスピーカーバランスが調整できる(最大±100)

本機のいい点は、音楽再生用のオーディオ機器としても十分優れているところです。Apple AirPlay 2、Spotify Connect、Chromecastに対応していますので、どんなストリーミングサービスを使っていても、大抵は対応できます。どれもダメならBluetoothで接続できます。

もちろん本来はテレビと組み合わせるのが筋なんでしょうが、音楽再生用、つまりホームオーディオ的なポジションのスマートスピーカーとしても利用できるわけです。将来もうちょっといいサウンドバーを買ったら、600は寝室に壁掛けして音楽専用にする、みたいな二次利用も可能です。

先日、AmazonからEcho Studioの新色が出ましたが、スピーカーそのものとしては、2019年に出た最初のモデルから基本的には変わっていません。


Dolby Atmosのソースは、映像・音楽ともに増え続けており、対応スピーカーの需要も伸びていますが、そもそもこの形状ではテレビの前に置けませんし、Amazonの新しいイマーシブサラウンド対応Echoの開発は難航しているか、後継機を作るのに消極的と見ていいのかもしれません。

それに代わり、本機のようなAlexa対応イマーシブサラウンド対応サウンドバーが、そうした隙を埋めていくということでしょう。


《小寺信良》
小寺信良

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18年間テレビ番組制作者を務めたのち、文筆家として独立。家電から放送機器まで執筆・評論活動を行なう傍ら、子供の教育と保護者活動の合理化・IT化に取り組む。一般社団法人「インターネットユーザー協会」代表理事。

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