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Apple Watch Ultraを腕に巻いて160キロ走ってわかったこと。自転車乗りにとって12万円超の価値はある?

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松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

Apple Watch Ultraを腕に巻いて160キロ走ってわかったこと。自転車乗りにとって12万円超の価値はある?
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アップル製スマートウォッチのハイエンドモデル「Apple Watch Ultra」が我が家に届いたのは、販売初日の9月23日。しかし、あいにく台風による悪天候が続き、Ultraならではのエクストリームなアクティビティは延期していました。

やっと1日中晴れの予報が出た9月25日にロードバイクでの遠出を決行。ルートは石神井公園から横須賀の観音崎まで162km。自転車乗りにとってのマイルストーンの一つである「センチュリーライド」と呼ばれる距離を、Apple Watch Ultraで走ってきました。タフネスをうたったハイエンドモデルの実力を自分なりに試そうというわけです。

ロードバイクのハンドルバーに装着した自撮り用マウントと360度カメラのInsta360 X3(最新モデル)と、腰にマウントした追い撮りセット(ベルト)に付けたInsta360 ONE X2(前モデル)。バッグなどはなしで、首から下げたiPhone 14 Proと、左手首に巻いたApple Watch Ultraが全装備。Ultraを使った外でのワークアウトはこれが初めてです。

一人旅なので、途中までどこに行くかも決めずに、まずはサイクリストがよく訪れる、多摩河原大橋に向かいます。町田から鎌倉に入るかなとか考えていたのですが、日曜日ということもあり、南多摩尾根幹線道路(尾根幹)に向かうローディーが多かったので別ルートを選択。川崎街道から府中街道へと走り、横浜のみなとみらいまでやってきました。この時点でバッテリー残は80%と、余裕を見せています。

そこからどうするかを考えたのですが、友人の実家近くだと話していた横須賀の観音崎がほどよい遠さで、Ultraのバッテリーの持ちを試すにはちょうどいいと思い立ち、そこから国道16号で西へと向かいました。

と、後からは言えますが、全く土地勘がない上に行き当たりばったりなので、Appleマップのナビを使用。ただ、よくわからない道を走り回ることになりました。ようやく国道16号に入り、行き先表示に「観音崎・横須賀」が出て安堵。ナビを使うとやはりバッテリー消費は上がるようです。

さて、なぜこのルートとApple Watch Ultraが関係あるのか、説明しましょう。

筆者は初代Apple Watchからずっと一番下の画面が小さいモデルで、ケース(本体)も安いものばかり買ってきました(サイズが小さい方でアルミニウムケース)。Series 3からは毎年買い換えています。去年買ったSeries 7はGPS+Cellularモデルで6万800円。

それに対してApple Watch Ultraの価格は124,800円。従来買っていたものの2倍します。でも、購入は即決でした。

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最大の理由は、バッテリー持続時間です。従来のApple Watchは公称18時間ですが、サイクリングのワークアウトを記録する場合、消耗がずっと速い。

Apple Watch Ultraのバッテリーは公称36時間。ただし、エクストリームなアクティビティを想定したものではない点には注意が必要です。

Appleの製品ページにはこんな但し書きがあります。

1日中使えるバッテリーの駆動時間は、36時間の間に180回の時刻チェック、180回の通知、90分間のアプリ使用、Apple WatchからBluetooth経由で音楽を再生しながらの60分間のワークアウトを行った場合にもとづきます。Apple Watch Ultra(GPS + Cellularモデル)の使用条件には、36時間の間に合計8時間の4G LTE接続と28時間のBluetooth経由でのiPhoneへの接続が含まれています。テストはiPhoneとペアリングしたApple Watch Ultra(GPS + Cellularモデル)の試作ハードウェアを使用し、2022年8月にAppleが実施しました。すべてのデバイスはリリース前のソフトウェアを使ってテストしました。バッテリー駆動時間は使用条件、構成、携帯電話ネットワーク、信号強度、その他の多くの要素によって変わり、実際の結果は異なる場合があります。

ワークアウトが60分というのはさすがに短すぎで、運動を多めにする人にはあまり役立ちそうにない数字ではあります。それでも2倍のバッテリーというのは魅力。

18時間バッテリーが持つという前モデルのApple Watch Series 7を着けて走った昨年末のロングライドでの帰り道、148kmあたりでバッテリーが切れその後の計測はできなくなりました。せっかく頑張ったのに記録に残らないのは……という悔しさ。そのときを超えるライドをずっとやっていなかった理由の一つに、150kmを超えるとApple Watchのバッテリーが切れるという経験則がありました。

Apple Watch Series 6、7を切り替える運用も考えましたが、その場合、アクティビティデータは引き継げますが、一つのワークアウトを終了せずに継続することはできません。いったんワークアウトを終了し、別のワークアウトをスタートすることになります。これはおもしろくない。

もちろんサイコンであれば長時間ライドに向いた高級モデルにすれば対応可能です。ですが、心拍数などと連動したワークアウト記録や転倒時の自動緊急連絡などを考えると、ライド中にはApple Watchに常にスタンバっていてほしいもの。

Apple Watchは、買い物にも便利です。ライドの食料や飲料補給時に、コンビニに立ち寄り、財布やスマートフォンを取り出すことなく、手首を返すだけで支払いができる(SuicaとPASMO)のはすごく効率的で、普段の買い物でも支払いはほぼApple Watchで済ませています。余裕がなくなってくるロングライドの終盤でその技が使えなくなると、やはり不便。今回は4、5回ほどコンビニに立ち寄りましたが、両手がフリーな状態で支払いができるのはありがたいものです。Apple Watchを付けてからは、ほぼサイフなしで外出しています。下の写真はApple Watch Ultraで支払いしているところをInsta360 ONE X2で撮影したもの。

自分の場合、Apple Watchには、スマートロック「Sesame」の解錠機能も持たせているので、iPhoneがバッテリー切れなどで使えない、いざというときのライフラインとしても重要。

バックアップデバイスとしてのiPhoneも14 Proになりました。これまでのiPhone 13 miniと比べ、バッテリーの持ちが35%向上しています(13 Proからは微増)。ダブルでバッテリー性能が上がったことで、安心して遠出できます。

162kmのライドのうち、ずっと使っていたのはワークアウトのサイクリング。GPSによる距離・速度計測と、心拍数測定が常時記録されます。

目的地の横須賀市・観音崎に到着したのは出発から約6時間後。バッテリー残は59%となっていました。

140kmを超えたところで、サイコンのGarmin 130 Plusが電力低下のメッセージ(結局最後まで持ってくれはしました)。この時点でのUltraのバッテリー残は31%。

初のセンチュリーライド全行程の所要時間は11時間17分30秒で、バッテリーの残りが21%という、余裕がある状態でした。これなら190km以上は行けるはず。脚を鍛えて所要時間を短くすれば、ブルベの200kmも夢ではないでしょう。

アクティビティの画面キャプチャでは走行距離が158kmとなっていますが、Garmin 130 Plusで計測した距離は162km。誤差がどこから来るかというと、トンネルと操作ミスです。トンネルの中に入るとGPSが届かないせいで、距離が記録されません。操作ミスは、画面キャプチャを撮ろうとして、一時停止にしてしまったため。それはともかく、距離については、トンネルから出た後の時刻と位置から再計算してくれないものでしょうか。

アップルは「低電力を設定した時、最大60時間」ということも謳っています。例によって小さい文字で書かれている注意書きにはこうあります。

2日以上のアドベンチャー向けのバッテリー駆動時間は、低電力モードを使用し、心拍数とGPSの測定頻度を減らしたワークアウト設定(まもなく登場)を有効にした状態で、60時間の間に15時間のワークアウト、600回以上の時刻チェック、35分間のアプリ使用、3分間の通話、15時間の睡眠記録を行った場合にもとづきます。Apple Watch Ultra(GPS + Cellularモデル)の使用条件には、60時間の間に必要に応じた4G LTE接続と5時間のBluetooth経由でのiPhoneへの接続が含まれています。テストはiPhoneとペアリングしたApple Watch Ultra(GPS + Cellularモデル)の試作ハードウェアを使用し、2022年8月にAppleが実施しました。すべてのデバイスはリリース前のソフトウェアを使ってテストしました。バッテリー駆動時間は使用条件、構成、携帯電話ネットワーク、信号強度、その他の多くの要素によって変わり、実際の結果は異なる場合があります。

15時間のワークアウトに耐えられるのならば、低電力モードも期待できそうです。ソフトウェアアップデートでの対応を待ちましょう。

バッテリー以外のいいところと不満なポイント

ここまでずっとバッテリーの持ちの話だけでしたが、他にもいいところがあります。それは画面の大きさと、それに伴う視認性の良さです。走行中にもチラッとみただけではっきりわかる大きく高輝度な表示。エッジが丸くなっていないフラットディスプレイは、衝撃耐性だけでなく、見やすさにも寄与しています。ディスプレイ周辺が傷つきやすいというのは実際に経験していて、Series 6のディスプレイエッジ部分はいつの間にか擦り傷がついていました。

Apple Watch Ultraのハードウェア改良のもう一つのポイントは、ケースの左側に新設されたオレンジ色のアクションボタンです。

デフォルトではワークアウトの起動に割り当てられていますが、起動した後のワークアウト選択(ウォーキングやサイクリング)は画面タッチで行わなくてはならず、その後にアクションボタンでできるのは、セクションをマークすることくらい(ワークアウトの種別で違うらしい)。と思っていたら、ファーストプレスという設定で、ワークアウトを開始する時の種類を選べるようになっていることに執筆中に気づきました。サイドボタンやDigital Crownからワークアウトを選び出し、さらに種別を選んでスタートという手順を踏まず、アクションボタンを一回押すだけでワークアウトをスタート。サイコン並みの手軽さです。

Apple Watch Ultraの操作について。1つだけ不満なのは、竜頭(Digital Crown)です。竜頭を回すところの面積が狭くなり、指の引っ掛かりが少なくなるためか、慣れるまでは回すのに苦労します。上下にガードが設けられているせいでしょう。指を下の方から当てると使いやすさは増しますが、竜頭のギザギザがかなり大きいので、回したときに皮膚や体毛を巻き込んでしまうこともたまにあります。ここは改善してほしいところ。

12万円を超える価格を正当化する理由として、バッテリーの持ちだけでは苦しいものがあります。ですが、Apple Watchは世代が新しくなるたびに魅力が加わり、これまでの蓄積から、自分にとってはすでにiPhoneと同様の、生活に欠かせないデバイスとなっています。Apple Watch Ultraではさらに「見やすさ」「操作しやすさ」「長持ち」が加わりました。

自分としては、行動範囲を広げることができ、操作が快適になったことで、十分に価値はありました。これから12月まではサイクリングのベストシーズン。次はバッテリーの限界まで挑戦してみようと思います。


《松尾公也》
松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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