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iPhone 14/14 Proレビュー。実機で分かったProを選ぶ理由(本田雅一)

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本田雅一

本田雅一

ジャーナリスト/コラムニスト

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ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析。

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iPhone 14/14 Proレビュー。実機で分かったProを選ぶ理由(本田雅一)
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iPhone 14、iPhone 14 Proシリーズの情報が解禁され、多くのレビュー記事が掲載されている。

すでに発表時に明らかになっていることも多いため、買い替えや新規購入を検討している読者はほとんどの情報を調べていることだろう。そこでここでは実機を使って気付いた評価のポイントをまとめていくことにしたい。

目立たないが押さえておくべき点

新機能や要素が多いため忘れがちだが、見た目はあまり大きな違いがないもののケースの設計が変更され、iPhone 14ではバックパネルの開閉が簡単に行えるようになった。

これによりちょっとした故障による部品交換、バッテリー劣化による修理などが行いやすくなっている。ただ、実はバッテリー交換の料金設定は円安を反映してか、iPhone 13世代の9800円から1万4900円へと値上げされているため、この設計変更は料金面でのメリットにはつながっていない(全モデル共通、Apple Storeでの価格)。

とはいえ修理時間が短くてすむため、部品在庫があるなどシンプルなケースならばお店で待っている間に修理が完了するケースが多くなると予想される。スマートフォンが手放せない現代では押さえておくポイントだろう。

またApple Watch Ultraに搭載された2波対応GPSユニットは、14 ProのみではあるがiPhoneにも搭載された。

実際に地図アプリなどを使うと、都心の高層ビルに囲まれたエリアでの補足が素早く正確に行えるほか、途中で居場所を見失うこともほとんどなくなった。そしてこの利点はCarPlayでの体験を高めることにも繋がっていた。

GPS補足速度と位置精度の改善は、さまざまな場面で役立つことが多いと思われる。残念なのはiPhone 14が従前のGPSと変わっていないことだろうか。この点だけでもProを選びたいと思う人もいるかもしれない。

なお、日本ではL5周波数対応のGPS信号を"みちびき"が発信しているとのことで、日本国内でもきちんと拾えるので安心してほしい。

カメラの改良は画質よりも体験の質の方が大きい

ここ数年、毎年のように進化している内蔵カメラだが、今年はiPhone 14の広角カメラと超広角カメラがiPhone 13 Pro相当のカメラユニットに換装されている。

実際には相当のカメラユニット(センサーサイズやレンズなど)になっているだけで、むしろPhotonic Engineという画素融合処理を前段階で行う新しい現像プロセスで高画質になっているほか、アクションモードなどの新しい要素も盛り込まれている。望遠カメラの非搭載を除けば、全体にiPhone 14の方が13 Proよりも進んでいる。

Photonic Engineの効果はパッと見にはあまり実感できないが、ピーカンの天気のいい屋外などではなく、どちらかといえば光量が不足しがちな屋内での撮影で、素材のディテールがリアルに再現できるといった部分での違いが見られた。

ただ、全般で言えば画質よりも"体験の差"の方が大きい。

アクションモードは最たるもので、画角こそ1.7から1.8倍程度まで望遠よりになる(4K映像から切り出しているため)ものの、手ブレがほとんど感じられないピタッと安定した動画が撮影できる。

アクションと名付けられてはいるが、日常的なシーンでも歩きながら被写体を追ったり、人物の周りを周回しながら撮影したりと色々面白い撮り方ができる。

ポートレートモードやシネマティックモード時のボケ演算も、ピントの合っている距離より手前にあるものがボケないという、致命的に不自然な描写が今回から解消されている。

もちろん、被写体の切り抜きが正確に行えていない場合、あるいはピントの後ろと前では前の方が大きくボケるはずなのに同じになる場合があるなど、距離によるボケサイズの変化が曖昧といった問題は残っている。

これらの問題と、Smart HDR 3の副作用である"被写体と空の両方が適正露出になるため合成写真のように見える場合がある"など、純粋に光学的なカメラと比べての重箱の隅を追求することは可能だろう。

しかしパッと撮影して、それっぽい絵が出てくるという意味では、かなりバランスの良い塩梅で映像を作るようになった。iPhone 13世代で大きく改善したオートホワイトバランスを含め、iPhone内蔵カメラの改良はエモーショナルな部分に響く要素が多い。

センサー大型化や高画素化以上に使いやすさでProを選びたい

iPhone 14 Proに関してはセンサーシフト式手ぶれ補正が第二世代になり、センサーそのものも大型化と4倍の高画素化が行われている。高画素化に合わせてISP(イメージ信号プロセッサ)も演算速度を高めているが、数字上の画素数向上はあまり気にしなくていい。

確かにメインカメラを24mm画角で使った場合は、これまでより情報密度が高い映像が得られるが、大きなサイズにプリントした場合、あるいは画面上でピクセル等倍に拡大するといったことをしない限り、大きな違いを感じないだろう。

▲14 Proのメインカメラは4800万画素センサーからの情報を1200万画素で出力、木々の葉や衣服のテクスチャ、髪の毛などのディテールも精細かつ深い
▲これまでボケなかった被写体の手前にボケが加わるようになったポートレートモード

4800万画素の新センサーになって一番感じるのは、低照度での画素加算による画質向上(レンズの明るさやセンサーサイズ拡大、Photonic Engineの効果もあるため画素数向上がダイレクトというわけではない)に加えて、48mm相当の標準画角で高画質が得られるようになったことだ。

▲比較的低照度での画質がPhotonic Engineで改善している。これは14でも共通
▲夕方の日陰という環境でもPhotonic Engineの効果は実感できる

これにより35mmフィルム換算で12mm、24mm、48mm、77mm相当のレンズを切り替えるように写真撮影を楽しめる。またポートレートモードでは、24mm、48mm、77mmが使い分けられるようになる。48mmのポートレートモードは人物だけでなく、食べ物など静物を撮影する際にも便利だ。静物を撮影する場合のボケかた、切り抜き精度もかなり向上してきている。

▲2倍ズーム(48mm相当)でのポートレートモードで静物を撮影。人物以外のボケ描写がかなり進歩している
▲2倍ズームでのポートレート。対面にいる相手を撮影するのにピッタリ。3倍や2.5倍が望遠すぎると思っていた方には朗報

ほとんどのユーザーは、ピクセル等倍での画質云々よりも、こうした使い勝手の向上に魅力を感じるのではないだろうか。もちろん、結果的に24mm相当の場合の解像感が高いことは確かだが、むしろそれは副次的な要素と思うほどだ。

なお、ほとんどの場合、高画素化は高画質化に寄与していたが、細かなストライプ状の被写体や金網などでモアレが発生したシーンもあったことを付け加えておきたい。またiPhone自身は1200万画素の写真しか記録しないが、ProRAW記録が可能なようにオプション設定すると4800万画素のRAWファイルを記録し、Lightroomなどの現像ツールで4800万画素の写真を得ることもできる。

▲LEDフラッシュは光量が倍増し配光特性も高めたというが、どうやら映像処理そのものにも手が加わってるようだ。夜間のフラッシュ撮影ではスローシンクロのような効果が自動的に得られた

今後の発展に期待したいダイナミックアイランド

一方、ディスプレイの進化に関しては、輝度の向上も特定シーンでは有益だが、やはり常時点灯モードの追加が体験価値としては大きい。iPhone 14あるいは前世代のiPhoneと併用していると、ジワジワとその価値を感じるのが常時点灯モード。

もちろん、これはiOS 16の新しいロック画面あってのもので、ここにウィジェットでアプリの情報を並べたり、バックグラウンド動作するアプリの操作パネルが並べたりできるからこそ、使いやすさや利便性へとつながる。

今後、この常時点灯モードが通常のiPhone 14などのラインにすぐに展開するかと言えば、それは対応するOLEDパネルの価格や量産体制動向次第だろうが、大きな差別化点であることは確かで、同じiPhone 14世代での比較でも、これがあるからこそProにしたいと思える要素でもある。

一方のダイナミックアイランド(Dynamic Island)については、どうしてもゼロにはできない深度センサーとフロントカメラの切り欠きをユーザーインターフェイス要素に転換したという意味でよく考えついたものだと感心した。

iOS 16内ではこれでもかと「通知」「(バックグラウンド動作アプリの)状況表示」「(バックグラウンド動作アプリの)操作フック」へと使われており、半日も使えばすぐに慣れて離れられなくなるだろう。

芸の細かいアニメーションが組み合わされているため、何か知らせたい時にユーザーが画面を見ていると自然に情報が頭に入ってくる。小さな領域だが、その割には伝わる情報量は多く、さらにその先を知りたい場合はタッチすれば良い。なお、操作パネルが存在するアプリならタッチ&ホールドすればパネルがポップアップする。

ただ縦横無尽に使いこなされているiOS 16におけるダイナミックアイランドだが、サードパーティ製アプリの対応はまだ十分に進んではいない。基本的にはメディア再生アプリが使うNow Playing、通話アプリが使うCallKitに対応するアプリは今後、ダイナミックアイランド対応になっていくだろう。

実際、SpotifyやPandora、WhatsApp、Skypeなどのアプリが対応していることを確認したが、LINE、LINE MUSIC、AWA、Rakuten Link、Meta Messengerなどは執筆時点でまだ対応していなかった(おそらく時間の問題だとは思うが、日本では圧倒的に普及しているLINEが最初から使えていないのはやや切ない)。

iPhone 11世代以前の方にもProがおすすめ

iPhone 14 / 14 Proは、iPhone 12世代のオーナーでも十分に進化を実感できるはずだが、個人的にはiPhone 11世代あるいはそれ以前のプラットフォームからなら、より大きな違い、進化を実感できると思う。

iPhone 14も望遠カメラの非搭載を除けばiPhone 13 Proを越える体験の質をもたらしてくれるため費用対効果が高いのだが、iPhone 12世代からの買い替えを勧めるほどの違いはない。

買い替えで間違いなく良さを実感するのは、iPhone XS世代のオーナーだろうか。特に低照度での画質向上、カメラの体験価値向上には驚くに違いない。

例年、Proではなく通常版が基本。こだわり派ならProと話しているが、今回はディスプレイ周りの改良、カメラの2倍ズームモードの使いやすさ、より優れたGPSなどもあり、価格差を考えてもPro版を選ぶのが賢明だ。特に4年、5年と使い続けたいなら、なおさらにiPhone 14 Pro/ 14 Pro Maxを選んでおきたい。


《本田雅一》
本田雅一

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ジャーナリスト/コラムニスト

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