アップル本社取材で考えた、アスリートじゃなくてもApple Watch Ultra買う意味ある?問題

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村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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アップル本社取材で考えた、アスリートじゃなくてもApple Watch Ultra買う意味ある?問題
  • アップル本社取材で考えた、アスリートじゃなくてもApple Watch Ultra買う意味ある?問題
  • ▲富士山頂での記録
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  • ▲G-Class

筆者は今、クパティーノのアップル本社「Apple Park」で先日発表されたばかりの新製品群を取材しているが、先月は家族と富士登山にチャレンジしていた。

富士宮ルートで登り、7合目の山小屋に宿泊。早朝1時に山小屋を出て頂上を目指した。山の天気は変わりやすいということで、暗闇の中を想定以上の風雨にさらされながら、なんとか頂上までたどり着いた。

もちろん、いつものようにApple Watch Series 7を着けていたのだが、平地にいる時とは違って、血中酸素濃度が大きく下がって高山病のリスクを察知させてくれた。ちなみに、血中酸素濃度が下がるのは激しく運動している時ではなく、睡眠中だということもわかった。つまり、休んだり、寝たりしている時の方が呼吸が浅くなるから高山病のリスクが高まるのだ。Apple Watchはそんなことも教えてくれる。

また、高度計で3776mの富士登頂も実感できた(多少誤差はあるが)。

筆者は趣味でランニングもするので、汗だくで走っている時に、タッチパネルの操作がしにくいのは日々痛感している。ベストタイムを目指して、分秒を競って走っているのに、汗でタッチパネルが反応せず、ストップウォッチの操作に手間取るのはとても悔しい。

また、明るい空の下でのランニング中にディスプレイが見えなくて困ることもある。

新しい、「Apple Watch Ultra」なら、カスタマイズできるアクションボタンにストップウォッチを操作する機能を割り当てることができるだろうし、2000ニトの明るいディスプレイで日中の晴天下でも操作しやすそうだ。

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富士登山の時も山小屋で宿泊時に充電したが、山行にモバイルバッテリーやApple Watchの充電ケーブルを持って行くのはできれば避けたい。Apple Watch Ultraなら、従来のApple Watch Series 7の2倍の駆動時間(36時間)が得られるので、こうした問題も解決しそうだ。

そういえば、マラソンをする人も2時間台でフルマラソンを走る人ならともかく、5時間も6時間もかかる市民ランナーだとApple Watchのバッテリーが持たない(GPSを使ってエクササイズをすると電池の減りが早い)と言うが、Apple Watch Ultraなら大丈夫なはずだ。トライアスロンやトレイルランニング、長距離サイクリングをする人にとっても同じことが言えるだろう。

しかしながら、筆者は極地や極端な高山に登るわけではないし、トライアスロンでアイアンマンを目指しているわけではない。登山者というよりはせいぜいハイカーだし、平凡な市民ランナーだ。Apple Watch Ultraのプロモーションムービーを見ていると、少し気恥ずかしくなる。そんな筆者が12万4800円もするチタン製のApple Watch Ultraを買う資格があるのだろうか? 大袈裟だと笑われないだろうか?

同様の悩みは多くの人が抱くようで、「インドア派だけど、Apple Watch Ultraを買っていいのか?」という悩みを多く聞く。

たぶん、買っていいのだ。

たとえば、100m防水のG-SHOCKを持っている人の中で、10mまででも潜ったことのある人が何割いるだろうか?

六本木を走ってるメルセデスのGクラス(ゲレンデワーゲン)の何割が未舗装路を爆走したことがあるだろうか? 現在いわゆるSUVが非常に人気だが、実際のところオフロードとは縁のないただの「車高が高くて見晴らしのいいデートカー」として活用されている。それでも、そんなワイルドなイメージをまとってSUVが売れる。軍用車に由来する「ゲレンデ」もその一つだ。

都会しか走っていなくても、マッチョなSUVはカッコいい。

同じことがApple Watch Ultraにも言えるだろう。

スーツの袖口から、ガッチリとしたチタン製のApple Watch Ultraがチラリと見える。それがカッコいいのだ。見た人は「ああ、この人は週末には、登山に行くのだろうか? それともダイビングだろうか? トライアスロンを嗜んだりするのだろうか?」と趣味性豊な人生を想像してくれるかもしれない。実際に潜っているのは「ネットの海」だけだったとしても。

Apple Watch Ultraのケースは49mmと言われるサイズだが、実は44~45mmの通常の大きい方のApple Watch用のバンドを使うこともできる。

ワイルドなApple Watch Ultraに、レザーリンクや、すっきりとしたブレイデッドソロループを組み合わせると、これまたカッコいいのだ。ちょうど、鍛えられたラグビー選手が仕立ての良いスーツを着てる感じと言ったら伝わるだろうか? ウィークデーと週末でバンドを取り換えることで、異なった雰囲気を楽しむこともできる。

というわけで、ゲレンデワーゲンと同じく卓越したアウトドア性能を持つApple Watch Ultraだが、そのイメージを感じながら、ちっともワイルドでない我々が使ったっていい。

運動なんて、しなくったっていい。自信を持って、私と一緒に「Buy Now」ボタンをクリックしようではないか。

アップル本社で行われたハンズオンで、Apple Watch Series 7を常用している左手首にApple Watch Ultraを巻いてみた。手首の幅ほどあるサイズの時計は初めてだが、ワイルドを気取って使っていこうと思っている。バンドはダイビングのタイプ「オーシャンバンド」が一番気に入った。トレイルのタイプ「トレイルループ」は軽くて薄いけどチープで、登山のタイプ「アルパインループ」はちょっと着け外しが面倒に感じた。が、最終的にどのバンドにしたかはまた別の機会に報告しよう。

《村上タクタ》
村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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