発売から五年の『ニーア オートマタ』に「隠された教会」発見?生みの親は「ソーセージとビールが大好きです」で幕引き

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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日本ばかりか全世界でも人気のアクションRPG『NieR:Automata』(ニーア オートマタ)が2017年に発売されてから、はや5年。

隠し要素が多い「ニーア」シリーズとはいえ出尽くしたと思われていたなか、また「秘密の教会」が見つかったとの報告があり、ファンコミュニティは混乱や疑惑が渦巻くことになりました。

ことの始まりは、大手掲示板Redditに「sadfutago」なるユーザーが投下した45秒の動画でした。場所は「複製の街」であり、ボスの「アダム」が待っている近くです。この辺りは普通に攻略していれば誰もが通るエリアであり、来るために立てるべき特殊なフラグはありません。

そんな見慣れた風景の中にある建物の壁に、いきなり隠し扉が開いています(操作可能オブジェクトに現れる黒いボックスも表示)。その向こう側には見知らぬ空間が広がりながらも、敵の機械生命体が入ろうとしたり、支援ユニットのポッドが応戦したり、いたって普通の戦闘が繰り広げられています。

長い長いハシゴを降りたsadfutago氏は、新エリアへと踏み込んでいます。さらに大扉をくぐっると空間がねじれ、骨組みの塔が出し入れされる廊下へと進み…そこで動画は途切れています。

その数日後、sadfutago氏はより長い映像をRedditに再投下。不気味なトンネルじみた通路を抜けた先の扉を開くと、そこはステンドグラスのある教会。壇上には胸から花が生えた人形が横たわり、黒いピクセル集合体じみたクリーチャーを攻撃しても手応えがなく、再び通路へと戻っています。

はじめ、秘密の場所を暴いたsadfutago氏には称賛が集まりました。が、本人はどうやって扉を見つけたかも何も説明せず、他のプレイヤーが隠し扉を見つけも入りもできないため、Redditで畏敬の念が疑惑に取って代わるのに時間は掛かりませんでした。

一部メンバーは、隠し場所に見せかけた自作自演の改造という見方に飛びつきました。そして実際にMODコミュニティが教会を作ろうとしたものの、ゼロからエリアを自作できるほど改造ツールは進歩していないという結論に落ち着いています。

この件は、「ニーア」の開発者がひと言「教会はありまーす」なり、ただのフェイクですと言えば決着することです。が、生みの親は全世界にヘンな人(エンタメの一環と思われますが)として知られるヨコオタロウ氏であり、分かりやすい反応を返すわけもありません。

待ちに待たれたヨコオ氏のコメントは「私の考えを知りたい?なら、Twitterのプロフィールに答が見つかりますよ」というもの 。そこには「製品については各社にお問い合わせ下さい」とのメッセージあり……。

さらに「1000人以上もフォロワーが増えました。でも、あなたたちが期待するような人じゃないんですよ」としつつ「私はソーセージとビールが大好きです」で締め。さすが『NieR Replicant』で特定のエンディングを見るために、ユーザーが長時間掛けて育てたセーブデータを全消しさせた男、と逆に評価が高まっているようです。

『NieR:Automata』はXbox One版とPS4版およびSteam(Windows PC)版が発売中で、Nintendo Switch版の『NieR:Automata Game of the YoRHa Edition(ニーア オートマタ ゲーム オブ ザ ヨルハ エディション)』は10月6日に発売予定です。スイッチ版ではチャーチゲート(「隠し教会疑惑」の愛称)の真実を突き止めるため、全世界が眠れぬ夜を過ごすことになりそうです。

Source:Reddit

続報はこちら:『ニーア オートマタ』の「隠された教会」、実は革新的MODツールで自作。オープンソースで公開予定

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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