Amazonが新しいタブレットシリーズ「Amazon Alexa Tablet」3モデルを発表しました。
AlexaタブレットはAndroid OSを採用し、Google Playに対応。アルミの薄型ボディに高精細ディスプレイなどプレミアム寄りの製品です。独自のFire OSとAmazonアプリストア搭載で安価だったFireタブレットから大きく方針を転換しました。
12型の「Alexa Tablet 12 Pro」、11型の「Alexa Tablet 11」、8.7型の「Alexa Tablet 8」の3機種で、米国・カナダ・メキシコで10月14日、英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペインで10月19日に発売します。
■ 安さのFireからiPad競合の価格帯へ

3機種ともアルミのユニボディを採用します。12 Proは12インチ2800×1840(280ppi)最大120Hzディスプレイ、連続動画再生16時間のバッテリーを搭載して厚さ6.5mm。
Fireは動画コンテンツの視聴に向いた16:10縦横比が中心でしたが、Alexa Tablet 12 Pro はプロダクティビティ用途でも使いやすいという3:2を採用します。
プロセッサは8 CPUコアの4nmプロセスチップ MediaTek Dimensity 8400に8GBまたは16GB RAM、128GBから256GBのストレージを搭載します。Amazonによれば、Alexa Tablet 12 Pro は従来の最上位Fireタブレットと比較してCPUは約3倍、グラフィックは約9倍高性能。
従来のAmazonタブレットはFireブランドの低価格機が中心で、2023年に最上位機として登場したFire Max 11は229.99ドルから。「プレミアム価格を払わずに必要なものが手に入る」ことを訴求していましたが、今回は最下位モデルAlexa Tablet 8の最小64GB構成が同じ229.99ドル。上位の12 Proは499.99ドルからで、Apple iPadやサムスンGalaxy Tabと競合する価格帯です。
■ Fire OS不採用、Google Play対応
従来のFireタブレットは独自のFire OSを採用し、アプリの入手先はAmazonアプリストアに限られていましたが、Alexa TabletはAndroidを搭載し(12 ProはAndroid 16)、Google Playストアから一般のAndroidアプリをインストールできます。
発表文ではYouTubeやNetflix、Gmail、Google ドキュメントを挙げ、プロダクティビティ用途では動画編集アプリのCapCutタブレット版を使うなど、高性能を活かすアプリの自由度を売りにしています。
■ 12 Proは50ドル高い「ナノマットディスプレイ」推し
最上位モデルAlexa Tablet 12 Proでは、反射を抑えた「Nanomatte」ディスプレイのオプションを強く推しています。カバーガラスで知られる Corningとの共同開発による技術で、一般的なマット加工のように無作為な凹凸で乱反射させるのではなく、ガラス表面にフォトリソグラフィでディスプレイのサブピクセル配置に合わせた微細な凹凸を刻む方式。

ナノマット仕上げは光の散乱が不均一にならず、反射を抑えつつ表示の精細さと色の正確さを保てるため、読書やプロダクティビティ用途にも、映像鑑賞にも優れるほか、ペンで手書きの際には紙のような適度な抵抗が生まれるとも説明しています。
Nanomatteはもっとも大型の12 Proだけの仕様で、価格は標準版より50ドル高い549.99ドルから。16GB RAM、256GBストレージの上位構成もこちらでのみ選べます。
■ 筆圧・傾き検出ペンや磁力合体キーボードで仕事用途も訴求
12 Proでは専用の「Pro Pen」と「Pro Keyboard」も用意します。Pro PenはUSI 2.0規格のアクティブペンで、4096段階の筆圧検知と傾き検知に対応。本体にマグネットで装着して無線充電でき、後端の消しゴム機能や、ペンを探す「Find My Pen」機能も備えます。Pro Keyboardはマグネットで装着するだけで使え、Bluetoothペアリングや充電不要。

メールやSlack、AIコーディングアプリを複数ウィンドウで並べて使う例を挙げ、仕事用と個人用のプロフィールを切り替えられることもアピールしています。娯楽向けの端末だったFireからは大きく踏み出した訴求です。
■ 生成AIアシスタントAlexa+搭載、画面を読み取って手伝いも
ただのAndroidタブレットではないAmazonらしさとしては、生成AI技術を使ったアシスタント「Alexa+」を標準搭載します。「Alexa」と呼びかけるか専用ボタンを押せば使用中のアプリを離れずに呼び出すことができ、画面の内容を読み取る「On-Screen Intelligence」を有効にすれば、見ているコンテンツについて質問したり、表示中の内容をカレンダー登録させる、動画に映った商品を探させるといったことも可能です。
標準で使えるのは機能を絞った無料版で、全機能を使うにはPrime会員になるか有料のサブスクが必要です。
Alexa+ 以外には、Kindle や Prime Video といったAmazonアプリの使いやすさも売り。Kindleアプリで本を開くと端末が読書専用モードになり、通知を止め、ブルーライトを抑え、バッテリー駆動時間を約20時間まで延長します。表示は自然な色味、紙のような色調、グレースケールの3種類から選択可能。

Pro Penで本に直接書き込んだメモはペン対応のKindleアプリや、手書き対応の電子書籍リーダー「Kindle Scribe」との間で同期します。
Prime Video、Kindle、Audible、Amazon Music、クラウドゲームのAmazon LunaなどAmazonアプリは最初からインストール済み。視聴中や読書中のコンテンツをまとめた「For You」フィードや、ホーム画面の「Dynamic Tab」に続きやおすすめが表示されるなど、Amazonエコシステムの住民、Prime会員が快適にサービスを使うためのソフトウェアを組み込んでいます。
Amazon製デバイスとの連係も得意。タブレット見ていた番組をFire TVで続きから再生したり、Alexaとの会話をスマートスピーカーのEchoやAlexaアプリに引き継げます。
照明や室温、ドアロックといったスマートホーム機器の操作や、Ringのカメラが捉えた映像の要約表示にも対応します(Ringの対応プランが別途必要)。
Google Play 対応と、コンテンツ消費以上の用途に耐えるハードウェアでデバイスの価値を高めつつ、ソフト面でAmazon顧客向け、Amazonサービスへの誘導としての役割を強化した製品です。
■ 価格と発売日
米国価格は12 Proが499.99ドルから(Nanomatte版は549.99ドルから)、11が329.99ドルから、8が229.99ドルから。Pro Keyboardは149.99ドル、Pro Penは89.99ドル。
国内では Alexa+ がまだ使えないこともあり、現時点ではAlexa Tabletの販売国に日本は含まれていません。
一方、日本国内向けにはGoogle Play対応の「Amazon キッズ タブレット」が10月14日に出荷を開始します。価格は8.7型が3万9980円から、11型が5万4980円から(税込、Amazon Kids+ 1年分付き)。











